さいきんの流星光
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前歯の差し歯のお話です。

以前から抜けてはくっつけ、抜けてはくっつけしていたのだけれども、いよいよ余命宣告を受けることとなりました。

僕の歯は、健康な自分の歯は、ほとんど無い。

ほぼ、なんらかの治療痕があったり、完全に人工のモノに置き換えられたりしている。

さて前歯ですが、
自分の歯の内部をきれいにくりぬき、そこにスポッとはめ込む形で人工の差し歯をスーパーボンドで接着していたのだが、
不用意に固い物を噛んでしまうとボンドに亀裂が入り、徐々に亀裂は大きくなり、はめ込みがはずれてぐらぐらすぽすぽ動くようになるのであった。

僕はその都度、「差し歯が取れました~」と歯医者に行って、またボンドでくっつけてもらっていたのだ。

それが今回、またいつもと同じなつもりで「すいません~」と行ったのだが…

「土台にしていた自前の歯が、真っ二つに割れてますね。これは抜くしかないですね。今回は年末なので、とりあえずボンドで固定しておきますけど、こんど接着がはがれてぐらつき始めたら覚悟を決めてもらわないといけません」

そんな事を歯科医師は言うのだった。

「え…それは、どういう?」

「そうですね~、今度ぐらついてきたら抜歯して、そのあとは、入れ歯にするかブリッジにするか、インプラントにするか決めていただかないと」

医師はさらりと言うのだった。


平和な年末を年始を過ごそうと思っていた僕の額に、一筋の嫌な汗がつたった。
たかが歯のことと思われるかも知れないが、体のパーツが一つダメになろうとしているのだ。
それはある意味、ガンが見つかったので臓器の一部を切除しなければなりません、という宣告に近い。少なくとも本人的にはね。

まあブリッジはね、僕の口の中に一つあるので経験はある。

だけどブリッジとなると、抜歯した歯の両となりの歯を、ほぼ見えなくなるまで削り取り、できたスペースに、三本くっついた差し歯をくっつけるのである。
だんご三兄弟の歯バージョン。
両端の兄弟が、真ん中のチビを持ち上げている状態なのだ。
あの宇宙人捕獲の瞬間!みたいな写真がありますね、あんな感じです。

しかし、何の問題もなかった両となりの歯を削ってしまうというのは、なんか申し訳ない。
無駄な気がするし、気がひける。
歯科医師の先生的にも面倒なのは確かだと思う。

だが、僕としては、入れ歯にするよりも、ブリッジにした方がなんとなく安心なんだよね。

入れ歯なんて嫌だ。
たかが歯一つ分だとしても、入れ歯なんて嫌だ!

インプラントなんてもっと嫌だ。
インプラントは、怖いんだ!

そんで、インプラントにしたって、一生放置しておいていいなんてことにはならないんだ、たぶん…。

定期的にメンテナンスを受けなければならないらしいのだ。
ま、どうせ定期的に歯医者さんには行ってるからいいんだけどね。


     ★     ★     ★


そんなわけで、少しずつ体がだめになっていく第一歩を感じて、腹の底のほうが重くなった一日でした。

あと、余談だけど
久しぶりに歯医者に行くと、体調管理のため、血圧やら心拍数、血中酸素濃度などを計測するのだが、僕が気にしてるのは心拍数です。

毎日走っていて運動に体が慣れていれば低い数値だし、運動不足な体だと高いのだ。
今回は、61拍/分。
悪くはない。






以上。



※ここまで読んでいただいて、ありがとうございました!


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長文におつきあいくださいまして、
ありがとうございました! <(_ _)>

 

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