さいきんの流星光
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妻と二人で行ってきた。

西荻窪から東西線で一本。
竹橋という駅で降りて階段をのぼると、そこには空が広がっていて
あ、皇居の近くに来ているなと感じた。

江戸城のお堀が見えたりしていたし、車道がやたら広いというのもあって
そう感じたのだった。

信号を渡ると「たけはし」というこれまた大きくて歴史が深そうな橋があった。

その橋を渡ると、すぐに「国立近代美術館」の建物があった。

美術館の前には、立てるとアゴのあたりまである長い棒を持った
警備員らしき人が立っていて、まるでその姿が、警察署の前に棒を持って立っている強そうなおじさんみたいに見えたので、なんか、美術館だか警察署だかわからなくなってしまいながら
僕らはゆっくり美術館のチケット売り場へと近づいて行った。

「2階から4階までがMOMAT展です」

とかなんとか言っていて、なんか展示しているらしかったので見て回った。

2階には、広告デザイナーの人が描いたポスターやら雑誌の表紙やらが展示されていた。
古い時代のポスターなどは、文字が右から左へ流れていたりするんだけど、
そのデザイナーさんの描いたものは、左から右へ書かれているものもあったりして、

いったいいつから横書きの場合、文字を左から右へと書くようになったのだろう
などと妻と話しながら見て歩いた。

ひょっとしたら、この人が、文字を左から右へと書き始めた張本人なのではないかなどと思ったりもした。

その人の作品は本当にたくさんあって、
全部見て回るのも大変だったのだけれども、
僕は何よりも、歩くたびにきしきしときしむ床面に気を取られていたのであった。

床一面に敷き詰められた細かくて同じ形をした木片。

大きさをなるべく正確に示すと2.5cm×12.0cmくらいの木片が、
床一面にびっしりと並べられていて、接着剤か何かで固められていた。

それが、歩くたびにきしきしと上品な音を立てるのであった。

ちょうど杉並区の荻窪警察署の近くにあるアニメーションミュージアムの床面があんな感じの音がしたなと思いだしていた。

古くて凝った作りの西洋風の建物の床面には、それは凝ったフローリングがほどこされていて、現在よく一般家庭にも見られるような安っぽい、いくつかの合板がボンドで接着されているかのような安っぽくて情けないフローリング材などではなくて、それはもう一個の作品と呼んでもいいほどの見事な出来栄えの床面であった。

そしてその作品は、近代美術館の中にあるどの作品よりも大きくて立派なのだった。

僕という人間は、そもそも美術館に展示されている美術作品などにはあまり興味はなく、
美術館という建物そのものに大きな関心を持ってしまうような人間なので、
その床面芸術を発見してからは、もはや美術作品などどうでもよくなったのであった。

あきらかに美術作品を見るのとはちがう速度で展示室内をうつむき加減に歩き回るダサ男。

さぞ、怪しい人間だなと思ったのであろう。

監視員の人たちの視線が、前に行ったDIY川村記念美術館よりも
少し主張が強かった気がしたのだが気のせいだっただろうか。




ぎりぎりお昼を食べる時間にすべての美術品を鑑賞し終えた僕たちは、
うろうろ探し回ったあげく、毎日新聞社本社の地下にあるアジアンダイニングの店でナンカレーを食べて帰ったのだった。



ナンカレーは、おそらく日本中どこで食べても、あまり変わりはないだろう。
なんつって、ナンカレーファンの人たちに殺されるだろうか。

とにかく、竹橋で食べたナンカレーは、杉並区西荻窪で食べるナンカレーと
いささかも違いはなく、そこで働く現地の人っぽい人たちも西荻のお店と同じく
現地の人っぽいけど実は日本で募集して雇ったのであろうそっち系の外国人スタッフみたいで
不愛想が通常営業な感じの人々で、それはそれで妙に安心したりして。
そしてフツーに美味しく食べて帰ってきました。


■これは国立近代美術館から見た皇居


「眺めのいい部屋」と手書きの案内用紙が壁に貼られていたので
いったい何のことだろう、何かの作品なのかな、と思って入ってみるとこの部屋であった。
四方を壁に囲われながら美術品を眺めていたお客さんの視線を開放するすばらしく眺めのいい部屋であった。

総評すると、

特別展示もなかったこの時期の国立近代美術館は、
本当にお客さんが少なくて過ごしやすい場所でした。




長文におつきあいくださいまして、
ありがとうございました!

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