さいきんの流星光
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高校卒業と同時に上京してきた者にとって、36歳という年齢は特別な意味を持つのです。
故郷で暮した時間と上京先で暮した年月が同じになる年歳なのです。
僕の場合、もうその瞬間から北海道人であった時間より、東京人であった時間の方が長くなってゆくのです。
時間がたつにつれて、ぐんぐん東京人になっていく訳でございます。

…と言ってはいますが、
自分では、東京人になったつもりは毛頭ないのです。
かと言って、もはや北海道人でもないのであります。
自分が何人なのか判らぬまま、ぼんやり日々の生活を送っているのです。

故郷から離れた人間は、何となく、地に足がついていない感じがするのは気のせいでしょうか。
いつも自分の家にいないような気分。
常に旅行先のホテルにいる気分なのは気のせいでしょうか。
そして、たまに実家に帰っても、他人の家におじゃましているように感じるのは僕だけでしょうか。

うっかり東京に憧れて出てきてしまったために、こんな状況になってしまいました。
上京して、こんな状況に…。

都会の景色は移り変わりが激しく、ちょっと目を離すと、違う街のようになってしまいます。
田舎もしかり。
日本人の心は、だからどっしり根を下ろせないのかも知れません。

大工さんに告ぐ!
100年もつ家を!



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