ラーメン界の花やしき。本格ビュッフェが浅草に降臨
2017年3月、浅草・国際通り沿いにオープンした店が、ラーメンファンの間で話題になっている。その名は「拉麺ビュッフェBUTA」。そう、これまで都内に有りそうで無かった、ラーメンの食べ放題店である。しかも「質より量」という粗悪店ではなく、かなり本格的な豚骨ラーメン啜れると聴いて、もうワクワクが隠せない。
こちらは元々「くるめや」という、本格豚骨ラーメンを提供する店だったが、思い切って業態を変更。食べ放題店として再出発したのだそう。豚骨スープと麺はもちろん、各種トッピングからサラダ、ライス、デザートまで全てが食べ放題。制限時間は30分で、料金は成人男性が1080円、女性は980円。参考までに、これは「花やしき」の入園料とほぼ同じである。
入店前に、まず入口に貼られた日英中3か国語で書かれた「御食事の楽しみ方」を読む。どうやら難しい事は何もなく、各種トッピングを好きなだけ小皿に取り、自席にてスープと麺を注文。あとは自分で盛り付けて啜るだけ。おかわり自由で、具材の過度な取り過ぎと食べ残しは厳禁というシンプルなルールである。過去には20杯以上完食したレジェンドもいるとか。
さあ、試合開始だ。トッピングの陳列棚へ急ぐ。チャーシュー、モヤシ、キクラゲ、メンマ、海苔、味玉、ネギといった定番の具材から、梅ジソやトマトなど変わりダネまで計20種が鎮座している。1番人気は、麺にもライスにも合う豚角煮だそう。その隣には豚すき焼きのお姿も。タマゴも味玉、ゆで玉子、生玉子の3種…うむ、わかってらっしゃる。これは箸がススム君だぜ。
最初は様子見で豚角煮や味玉、ネギなどを控え目に取り座席へ。続いてラーメン本体をオーダー。麺量は1杯「60グラム」という。一般的な豚骨ラーメン屋の麺量は大体100~120グラム程度なので、ハーフサイズというわけだ。色々な具材を楽しむにはちょうど良い。麺は三河屋製麺製の細ストレート麺で、もちろん麺の硬さも選べる。
ラーメン好きにとっては、盛り付け作業を自分で出来るというのもグッとくる。だが、感傷に浸っている暇はない。愛をこめて作った1杯目は、デビッド・カッパーフィールドよろしく一瞬で目の前から消し去り、またトッピング棚へ急ぐ。今度は豚すき焼きと生玉子で徳島ラーメン風に。お次はチャーシューの花を咲かせて、梅ジソも気になるし、チーズにもまみれたい…
贅の限りを尽くし、5杯を食べ終えてギブアップ。30分前には愛おしい存在だった豚角煮に、まさか後半戦で裏切られるとは思いもしなかった。脂身の恐ろしい破壊力に撃沈。2日くらい食事を抜いて来るべきだったが、後悔先に立たず。食べ過ぎてイスから立てず。昼下がりの恍惚、浅草で初夏の風に汗ダルマ。
<店舗データ>
【店名】 拉麺ビュッフェBUTA
【住所】 東京都台東区浅草2-11-7
【最寄】 つくばエクスプレス「浅草駅」徒歩1分
★2017年10月に閉店。実験的な店舗とはいえ残念