さいたま市民のスタミナは良心的価格設定
さいたま市周辺で長年愛されてきたソウルフード「スタミナラーメン」。醤油スープのラーメンの上に豚挽肉やニラ、タマネギ、ニンニクを炒めて豆板醤で味をまとめたピリ辛餡が乗った一杯である。1970年代半ば、飲食会社の矢島商事が経営する大宮「漫々亭」や、北浦和「娘娘」で提供し始めたのが発祥という。
当時は珍しかった「豆板醤」を手に入れた店主が活用法を試行錯誤した末に産まれたのだそうだ。その後、矢島商事は現さいたま市を中心にチェーンを拡大。ソウルフードとして定着した。そして1990年に矢島商事は解散したが、各店舗は独立という形で姿を残した。現在も10店舗ほどがスタミナラーメンを引っ提げて営業中だ。
今回は北浦和駅そばの「娘々」へ。20席弱の店内は昼下がりでも満席という人気ぶり。普通のラーメンは破格の一杯400円。他のメニューもお安めで、目当てのスタミナラーメンに、モツ煮入りのホルモンラーメン、ジャージャーメン、どれも1杯450円。今回は最高値の「スタミナチャーシューメン(700円)」をオーダーすることに。
ちなみに、スタミナラーメンは「ピリ辛餡」以外に明確な規定が無いそうで、こちらの醤油スープは、他の「娘娘」に比べ煮干しが効いていると評判だ。餡には豚コマと挽肉、ニラ、そしてモヤシ。醤油スープと餡の組み合わせは絶妙で、辛みも相まって箸が止まらない。餡は暴力的な辛さではないが、体がジンワリ熱くなる。
豊華食品製の中細麺は柔らか目の茹で上がりで、餡とよく絡んで旨い。最後は卓上のラー油で更なるスタミナを注入し完食。常連には、スープにライスを投入してシメる人もいるそうだ。また、この餡をライスにかけた「スタカレー」なる派生メニューも存在。カレーというより中華丼の様相だが、麺と合わせて是非お試しを。
<店舗データ>
【店名】 娘々(にゃんにゃん)
【住所】 埼玉県さいたま市浦和区北浦和1-2-13
【最寄】 JR京浜東北線「北浦和駅」東口徒歩4分