葛飾に南米の風。謎多き「ペルーラーメン」とは?
三菱製紙の跡地に東京理科大が移転してきたことで、近年は若者が増え元気な金町。「角ふじ」「豪麺マルコ」などガッツリ系を中心にラーメン店も増加した。数あるラーメン店の中でも異彩を放っているのが、この「門世」である。
ご主人は、かつてペルーで修業を積み、帰国後は原宿のペルー料理店「Bépocah」のシェフを務めていた人物。その経験を活かし、ペルーの伝統的な鶏スープ「カルド・デ・ガジーナ」をベースにしたラーメンを提供している。
メニューは3種類で、さっぱり鶏醤油清湯「モンセ」、濃厚鶏豚骨「チャンガ」もあるが、オススメはペルーラーメン「ガジーナ」だ。ガジーナとはスペイン語で「卵を産まなくなった雌鶏」のこと。このガジーナを丸ごと使ったラーメンなのだそう。
スープはトロみがあって濃厚だが、ラーメンにしては少々塩分控えめ。その代わりに鶏の旨味と野菜の甘みをしっかりと感じられる。麺は店内で打っている自家製で、断面が丸くパスタのような食感。無料で麺が大盛りにできるのも嬉しい。
一方、トッピングにもペルーの風が。珍しいのはポテサラ状のジャガイモ。ポタージュとは違い、粒とペーストが混じっているので食感が面白い。また、鶏肉は旨みを封じ込めるためにフランベ。火柱パフォーマンスはテンションが上がる。
味変ツールとして別皿でレモンと一緒に提供されるのは、南米産の唐辛子「ロコト」のジュレ。お菓子の「暴君ハバネロ」シリーズでは「荒くれ勇者ロコト」と呼ばれる激辛素材だが、ジュレ状にすることで辛味のほか酸味や旨みも感じらるように。
丼全体を覆うハーブの香りも、ハーブの宝庫・ペルーならでは。満足度の高いラーメンだが、これで700円というから驚く。リーズナブルな価格で楽しめるのも門世の魅力で、一番安い「モンセ」は500円で楽しめる。金町に突如現れた名店、長く続いてほしいものだ。
<店舗データ>
【店名】 麺屋 門世(MONSE)
【住所】 東京都葛飾区東金町1-20-14
【最寄】 JR常磐緩行線「金町駅」北口徒歩3分
★2017年10月15日をもって閉店。