和歌山ラーメンブームを牽引した「まっち棒」
東急田園都市線・溝の口駅の南口を出てすぐ。和歌山ラーメンの名店「まっち棒」へ。和歌山の「井出商店」がテレビ出演や新横浜ラーメン博物館への出店により、和歌山ラーメンブームを巻き起こしたのが1998年。その翌年、1999年に池尻大橋で創業したのが「まっち棒」だ。東京では草分け的存在として認知されている。
隆盛を誇っていた頃には豪徳寺、三田、三宿、渋谷、そして県外にも出店したが、そのほとんどが閉店。現在は名古屋市の千種と高岳に2店舗残っているのだが、関東に唯一残っているのは此処、溝の口店のみである。人気店ではあるが、昼11時半から深夜1時までの通し営業なので、昼ピークを外せば行列も回避可能だ。


豚骨臭が充満した店内はカウンターのみ10席。ラーメン類は看板メニューの「中華そば」を主軸に、白味噌ベースの「味噌らーめん」やピリ辛の「辛味噌らーめん」、アッサリ醤油の「淡成中華そば」もラインナップ。また醤油、味噌、辛味噌の3種の「つけそば」や、温と冷の「まぜそば」も提供している。
トッピングにはチャーシュー、半熟味付玉子、生玉子、ゆで玉子、もやし、ネギなどに加え、とろろも用意。そして、ねぎめし、とろめし、高菜ごはん、しそごはんといった飯モノや、特製餃子、とり皮醤油焼き、白菜の煮びだし、冷やしきゅうりといったツマミメニューもあり、一杯引っかけることも可能だ。
今回は特製にあたる「多具山らーめん(1190円)」を注文した。なお、ライスは無料、餃子が3つで120円とおススメがあったので、ライスのみ頂くことに。待つこと4分ほどで、まさに多具山(たぐさん)な一杯が到着した。豚骨臭が立ち上るスープは豚骨、鶏ガラ、モミジなどを丸一日煮込み、骨の随まで旨味を引き出したもの。


そして、その新しいスープはすぐには使わず2日間寝かせてから継ぎ足して使うことで、味に深みを生み出しているそう。その濃厚でコクのあるスープに、少し甘みのある醤油のカエシをしっかり効かせてパンチのある味わいに。合わせる麺は丸山製麺製の低加水中細麺。言わずもがな、スープとの相性は抜群だ。
チャーシューは豚バラ肉を醤油ダレで煮込んで3日間寝かせたもの。トロトロで麺だけでなくライスと合わせても絶品だ。ほか、黄身ネットリの味玉、蒲鉾3枚、メンマ、ネギが乗る。卓上には紅生姜、辛味入りニンニクがあるのでお好みで味変を。濃厚だが後味はサッパリ。今では関東唯一の「まっち棒」、ぜひ一度!
<店舗データ>
【店名】 まっち棒 溝の口店
【住所】 神奈川県川崎市高津区溝口2-3-7
【最寄】 東急田園都市線「溝の口駅」南口すぐ