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肥宝館 -貧すれば丼する-

【新潟 高田】 宝来軒 総本店「天照~あまてらす~ 熟成ニボシ醤油ソバ(940円)」

越後高田で創業80余年の老舗が放つ攻めの一杯

上越市の中心市街のひとつ、高田地区。江戸時代初期に徳川家康の六男・松平忠輝が高田城を築いて以来、城下町として栄えてきた。2014年に開府400年を迎えたが、今も古い町家が残るなど、歴史の香り漂う町である。妙高はねうまライン・高田駅を囲むアーケードも、高田城や雁木をイメージしデザインしたものだそうだ。

今回訪れたのは高田駅から歩いて6分ほど、駅前大通りから一本北に入った路地にある「宝来軒 総本店」。歴史の町らしく1933年創業の老舗である。とは言え、3代目店主・土肥高弘氏が「80年の歴史と実績。その伝統を継承しつつ、新たな麺と味の創出を続ける」と語るように、新しいメニュー開発にも意欲的に挑戦している。

麺メニューは、カテゴリーが「定番」「つけ麺」「まぜソバ」「至高」の4つに分かれている。定番部門のラーメンは伝統の「元祖トクラーメン」が醤油・味噌・辛味噌の3種から選べるほか、煮干し中華ソバ、タンメン、担々麺も提供。つけ麺部門では、濃厚魚介の「トクつけ麺」を主軸に、味噌トクつけ、担々つけ麺の3種を用意している。

また、まぜソバ部門には「釜玉まぜソバ」「海老まぜソバ」の2種をラインナップ。チャーシューや温玉、味玉、魚粉、メンマといったオーソドックスな具材に加え、カリカリ梅、揚げ玉、刻み柚子、塩昆布といった変わり種もトッピング可能だ。全9種類の全てを乗せて一杯1000円という、お得な「全部のせ」もある。

そして『80年の歴史と実績を結集し、素材と製法をこだわり抜いて完成させた特別な一杯』という至高部門には、熟成煮干醤油「天照」、焙煎背脂「大和」、現在は販売休止中だそうだが鶏清湯醤油「眞」の3種が掲載されている。つけ麺が人気だそうだが、今回は至高部門から「天照~アマテラス~」をオーダーすることに。

注文を受けてくれた高齢の女将さんが、厨房に「アマ、一丁ね」と静かに伝える。そう略すのか…。待つこと7分ほどでアマ到着。丼頂から振りかけられた黒胡椒が香り、食欲を刺激する。濃い茶色のスープは煮干しの風味が香ばしい。たまり醤油のカエシは色の割に塩味は控えめで、出汁の風味が前面に出る構成だ。

そこにコシがありツルっとした麺肌の自家製中太麺を合わせている。チャーシューは厚めにカットされた豚バラ肉が2枚。軽く炙ってあり香ばしい。ほか、味玉、柔らかな太メンマ、海苔、ネギ、柚子皮、黒胡椒が盛り付けられる。創業80余年の老舗が放つ攻めの一杯。最後まで美味しく頂いた。高田では外せない名店である。

<店舗データ>

【店名】 宝来軒 総本店
【住所】 新潟県上越市大町4-1-5
【最寄】 妙高はねうまライン「高田駅」徒歩6分

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