神戸の小父さん日記

五十代サラリーマンのオフタイム

The Historian/Elizabeth Kostova

2007年03月22日 | 翻訳・英語
 例によって題名だけで何の予備知識もなく読み始めたのですが、ドラキュラものでした。ブラム・ストーカーの「ドラキュラ」を意識した構成と思いますが、どうもこの日記・手紙形式というのは好きになれません。日記や手紙にこんなディテールを書き込むわけないだろう、と言いたくなります。内容はそれなりに興味深いものでしたが、ここまで長い(816頁)お話にするにはやや無理がある感じですね。要するに冗長な部分があります。冷戦期の東欧地域の様子には興味深いものがあって、それなりに楽しめたんですが、最後がちょっと…。これって最近の小説の特徴ですね。途中の盛り上げ方はうまいんですが、最後の詰めが甘い。歴史に興味のある方以外にはお奨めしません。