流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

君たちはどう生きるか を語る

2023-07-16 12:14:54 | ■アニメレビューとか
以下ネタバレ感想というか見ていた時の心の動きのメモ。


最初見始めてなんか戦中の日本っぽいということで視聴意欲がここでかなり落ちた。
風立ちぬに続いてまた?もうそういう昭和の話は辛気臭いし説教くさいからやめてほしいなと思った。
火事も空襲警報的なやつなのかなと思ってしまっていたし。

主人公が母親の病院が火事だと知って炎を見る辺り、
舞い散る炎がCGっぽくて、なぜなんだろうと思った。
自分の中で宮崎駿の撮影はマクロス7 OPの引用だと思っているので、
まだその域を出ない、表現の幅が狭いような印象を受けた。
これは割と全編通じてそうかな。
まあマクロス7のOPより素晴らしい作品を見つける方が難しいのかもしれない。

着替えて外に出て走り出した主人公。
揺らめく景色、炎、人、その歪んだ世界が心象とリンクしてるように感じつつも、
有事の際のリアルな空気感を感じるようで、
全巻客が大平晋也の作画をかたずをのんで見守る形になっているの凄いな、
みたいに感じた。

この火災現場に向かう主人公の場面は、病院で主人公を待つ母の像、
母の死に際の姿を夢想しているのか、
実際に病院にたどり着いてやり取りがあったのかは不明だけど、
主人公に語り掛ける姿で何度か描かれる。
あくまで母が最期まで息子を気にかけてくれていたはず、
自分のことだけを見ていてくれたはずだという、
母を思う主人公の姿がやや気にかかる。

場面変わって、父と一緒に会う新しい母との出会い。
個人的に気になったのは車や電車の描写かな。
カーチェイスなどで車を生き生きと動かしてきた宮崎アニメですが、
巨大な艦船などはハーモニーで見せてきたりもした歴史を思い出し。
しかし今の時代、車がこんなに生き生きと動くのだろうか、という疑問があり、
宮崎アニメのリアリティラインは昭和の過去の時代や、
セルフパロディ的な引用の世界にしかないのだろうか、
というやや陰鬱な気持ちになってしまった。

しかしこのエンジンがあるものを生命を持つものと同じように描くようなのを見ていると、
人とエンジンの違いは何なんだろうか、という気持ちにもなり。
義母が人力車に乗ってくるのを見て、なぜ人と車をダブらせるのか、みたいな。
後半は鉄道が動かなくなり工場で生産した戦闘機の窓を民家に保管する描写があるけど、
飛行機や車、鉄道などエンジン、つまりは動力を積んだものを描かないことで、
人というものはどういう力で動いているのか、
人という動力は何なのか、というところにフォーカスしたいのかなという予感を感じさせる。
そして鳥とのやり取りの中でそれを明確化させたいのでは、みたいな。
そういう予感を感じさせられてしまったな。

主人公が屋敷についてお手伝いのおばあちゃんたちに付きまとわれ、
いつになったら美少女が出てくるんだろうと思っていると、
父と義母のラブロマンスが始まったり、鳥が襲ってきたり、なんかイベントが色々ある。
その中で主人公がはっきりと人と対話して意思を感じさせるのが、
塔にまつわるところで、内向的な主人公の興味の対象を印象付けるのはいいけど、
なんか一気に引き込み過ぎではないかみたいに感じた部分もあり。

昔いたという叔父が本をたくさん読んで狂ってしまったという語り、
全国のエリートを自称する人たちの怒りをかってどうするんだろと思いつつ、
この狂ってしまった、という語り口そのものは作劇的なミスリードだとわかりつつも、
なんでその言葉をチョイスしたのかちょっと引っかかる。
この時に思い出したのが、
昔TVでやっていた宮崎駿の想像上の創作部屋を3Dで作ったものが正にそんな形で、地球儀が置いてあったりしたこと。
これは他人から想像される己自身を投影したもの、
期待された架空の宮崎駿というエクスキューズなのかなと思ってしまったな。
だから他人の無責任な言葉だというものを思わず発露してしまったのがこの場面なのではないか、みたいに感じてしまった。

サギ関係の描写はあまり興味がなくて、
異世界に行くのもあまり興味が持てなかったかな。
帆船ばかりな描写で、やはりエンジンを脱した形で見せてきたかとか、
逆にここに戦艦が突っ込んでくるのかなとか色々想像はしてしまったけど。

母親を求める情動はこの作品の、主人公のエネルギーになっているけど、
それが炎と関連付けられているのは、心のエンジンは、
人のエンジンは情動という事かと思わされる。
だから仮初の母が水になるのは、その炎を見事に消したことのメタファー、
そして母から義母へと、思い人、優先する人を変えた転換としてるのかなと思えたかな。
割と直球的な解釈ですが、そういうものではないかな。
実際若い時の母と会えて、そばにいて、さらに求めるものがあっていい状況でもあったし。

弓を作ったり帆船に乗ったり、巨大魚をさばいたりなど色んな体験は、
結局こういう体験をして大人になるという含み感じてしまい、
そういう説教臭さをタイトルからして感じてしまい、
自分の感受性よくないなと思いつつも、
結局エンジンの扱い方さえも知らない現代人は、
自分自身がどう生かされているかも知らないのだよな、
と言われているようであり、そういう考え方をかってに読み取って共感したり、
なんだろう、タイトルからして色々考えてしまうのは確かかなぁという感はある。
世界が一人の積み木で出来ているわけないじゃんっていう。
そういう想像上にあるわかりやすい世界なんてない、という話でしかないんじゃないかみたいな。

鳥と呪いの関係はあまり興味が持てなかったけど、
捕食される側になることもありえるという話なのか。
鳥だと押井守監督とかが頭をよぎってよくないな、と思ったり。
個人的にサギはもののけ姫のジコ坊だと思ってしまった途端興味をなくしてしまったので、
それ以上の感想が出てこない。

義母が主人公に色んな感情をぶつけますが、いや、
確かに最初から愛されてるわけないけど、
でも愛そうしてくれていたのを主人公がわかっているから母と呼べたのかなとか。
ただそういうちょっと大人っぽい成長ができる冒険譚だったかというと疑問で、
子供になってしまった母ではなく、大人としての母を求める欲求なのかとか、
色々考えてしまったな。
義母が弓で主人公を助けたように、ああいう姿への憧れがそうさせるのか、とか。

主人公が石を頭に打ち付けて自傷行為をしますけど、
周囲への怯えや父への反抗心、母からの愛情を求めて、という形なのか。
ただ義母はずっとそばにいられる状態ではなく、
一緒にいてくれるのはおばあちゃんたちだけ。
こういう形で若い女性の愛情を求めるように扱うような感じ、ちょっと鼻につくような。
ただおばあちゃんたちも昔はすごい女たちだったんだ!えぼしみたいな!
みたいな形でフォローしてる感じで、そういう人たちに守られていると、
こういう状況にならないとわからないよなぁ、
世の中の人のこと、人の歩みなんかわからないよなぁ、
という語り口なのかもしれないなとも思う、かな。

叔父が世界を主人公に託そうとするところで空に浮かぶ物体が出るところで、
画が持ってるのは流石のレイアウト設計て言えばいいのかな。
普通だと異物感が強く安っぽい画面になりそうな気もしますが、
そういうのを感じさせないところが凄いなという感。
アニメーションについては充実していて破片も現代的な感じで細かく描いていて凄いなーと思ったり。
空の描写なんかもやっぱり好きだし、叔父が出るところで星座の形に宝石が埋め込まれていたりとか、そういうファンタスティックな描写も好きだったかな。

想像上の世界にいる叔父の世界をどうこうする気はなく、
受け継がないという形なのは、まあ普通の考え方かなという感。
宮崎駿という監督と絡めて語るのも正直個人的には飽きてきたので、
特に何度も見たい作品ではないけど新しい宮崎アニメを見たな!
という満足感は得れたなという感。

次回作があるなら日本以外が舞台の作品がいいな。
もう宮崎アニメで昭和の日本の景色を見たいと思いません。

あと全然関係ないけど炎使いキャラは煉獄さんの方がわかりやすくカッコいいので、
煉獄さんの勝ちです。

スキップとローファーとか を語る

2023-07-09 22:13:00 | ■アニメレビューとか


まだ未見で評判もいいし一気見するか!と思って見始めたら、
あまりにも素晴らしくて1話1話間を置きながら見ています。
OPのダンス、良いですねぇ。
色合いも良い。ちょっとラララランドを思い出す感じ。
あのラストのもしかしたら、という明るさを含んだ幸福感を続けているような感じにグッときます。


個人的に好きなカット。
ちょっと不器用さを感じながらも相手と合わせながら踊る姿が愛らしく映りますね。
いやー、荒んだ心に栄養を与えてくれるこの感覚、並の作品では得られない良さがありますね。


特に引っ掛かりの多い2話。
花とカーテンの揺らぎに雰囲気があって、
こういう落ち着いた見せ方ができる余裕があるのがいいですね。


影の感じにやや暗い雰囲気。
画の意味合いを感じさせてくれますね。






ネットでの対比。
舞台側へ行く主人公に対し、いつの間にか去って行く男子。
舞台の意味合いがよくわからなかったように、
ネットのこちら側、あちら側という意味合いや、ネット自体の意味など、
いろんなものを含む情報の錯綜に翻弄されるのが心地よい。
良い意味で読ませる混乱というかそういうのがあるのかな。
また京アニ作品を連想してしまう部分でもあるかもしれない。



西日の作る影による奥行き。


この辺の描写は個人的にはとらドラ!2話的なアイディアを感じてしまったかな。
手前の柱と奥の柱が重なるのを見せる。
なぜこんなカットをやる?という余白が雰囲気を作っていて非常に良いですね。




会話の中で何度も柱は重なる。
カメラが主人公たちを捉えながら。
同じ方向に進んでいる中で重なるものと、重ならないものがある。
主人公と彼は決して重ならないが、柱が示すように、いつかは、少しの間は重なるのかもしれない。
そんな瞬間が何度も何度も訪れるのかもしれない。
しかし、それは今じゃないという語り口が非常にクールに感じたなというか。



彼との別れ。後ろにはそれまで通ってきた柱。
何かを抜けてきた。
そんな多くの背後にある何か、を予感させれる感じが良いですね。
背景をおざなりにしないところ、キャラクターの存在を支える場、
というのを色んな意味合いを含みながら見せるのに本当に痺れさせられる。
この感覚、久しく忘れておりました。







ネットのように複雑な四角いものはだんだん無くなり、
感情を見せたその場では、シンプルな壁が広がる。
たくさんのものがあるようでいて、極めてシンプルなもの。
そんな心情の奥行き、複雑さを絵にしているようなカット割、レイアウトにグッとくるという感。




『無一郎の無』と『無限の剣製』 を語る

2023-07-08 23:25:18 | ■アニメレビューとか

最近アニメ鑑賞が低調気味な感じですが、

今期はこの話数だけ妙にリピートしてしてしまいました。


・「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編 8話 『無一郎の無』





最後のキメの一閃。
妙な既視感があるなと思ったら同じufotable制作の、
・Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 24話 『無限の剣製』
のギルガメッシュ戦とちょっと近い印象がしたかなと。




鬼滅はマルチアングルで強調してますが、
こちらは引きの絵から寄って強調してる感じ。

どちらの話数も自分と近しいものと絡め自分自身を見つめ超えていく話だったので、こういうセルフパロディが成立したのかなという感。無一郎の無は無限の剣製!みたいな繋がり方かもしれませんが、自分が 最初に感じたのはそっちかな。
絵コンテは両方とも白井俊行さんですが、原画の方は同じ方なんだろうか。

自分的にこのシーンが気になったというよりは、
故・山口祐司監督の劇場版『Fate / stay night - UNLIMITED BLADE WORKS』
がufo版とよく比較されるので、その葛藤から繋がってくる感じでしょうか。
自分の好みはどちらかというと山口監督の劇場版なので、
ufo版のシーンに長らく比較される葛藤があったのですが、
鬼滅でセルフパロディをしてくれたことにより、
若干その葛藤から解放された感じがして、個人的に良かったです。

また今後これがufo、または白井演出として続くのかも気になる感じ。


以下この話数のほか印象。


刀の処理が好きで結構意識しちゃうかな。
光り物に弱いので。



髪の描写なんかも結構好きかな。
そこでスローか、みたいな強弱に違和感を持つときもありますが、
アクセントになるような絵があるとつい惹かれるみたいな。


原作が週刊連載の都合のコマ割りとという感じでしたが、
アニメではそれをうまく一本化してまとめようとした印象。
ただ声優が同じ関係かモノローグが誰のものなのか、
無一郎が実は有一郎?みたいな印象を持ってしまう、
若干混乱させられる一面もありますが、久々に気分が上がる回が見れた感がありました。
無一郎、正直全く興味なかったキャラでしたが、アニメで大分印象が変わりましたね。

鬼滅は原作も読み終えているので、今後どう展開されていくのか楽しみです。

機動戦士ガンダム 水星の魔女 15話とか を語る

2023-04-23 21:24:00 | ■アニメレビューとか





グエルの飛翔が印象的な絵になっていましたね。
宇宙で縦横無尽に飛び回り、手に入れた勝利が父殺し。
そして今は地球という地を這う存在に。
今回の飛翔はどこまでも頭を抑えられ下へ下へと向かってきた男の転換点、絵という感が強ったです。
地味にコックピットから見上げる構図も新鮮だったかな。

見知らぬ天井ならぬ見知らぬ大地に戸惑うという、
始めての地上というのがややガイナの血っぽく見えるかな。

グエルのこの飛翔が今後どのような意味を持つのか楽しみです。

グリッドマンユニバース を語る

2023-03-27 00:11:00 | ■アニメレビューとか
見てきました。
久々に見るグリッドマンでしたがスパロボに出たりとかしていたので、
あまり久しぶりの作品という気分でもなかったですが、
新鮮な気持ちで見ることができたかなと。
以下ネタバレ感想。


最初に裕太と内海のシーン。
示唆に富んでいて興味深く見ていましたが、作品中で大体伏線的なカットの意味合いは回収されていて、
振り返ると視聴者に委ねる形ではなく全部説明する形の作品だったのかなという印象。

グリッドマン最終回は記憶を失った裕太が目を覚まし、アカネが現実で目覚めて終わりますが、
アカネが目覚めた先の裕太たちの世界の保証がなく、
アカネの目覚めと共にみんな消えてしまったのかもしれないという湿っぽさがあったと思うんですが、
このグリッドマンユニバースではグリッドマンが世界の形を取ることで、
世界とはこういう形なんだ、というこの世の謎に迫る作品でもあったのが面白くあったかな、と。
ただ最初のTVシリーズの湿っぽさを考えるとそういう味がやや薄まった印象がしまったかな感もあるのかなぁ、とか。

ただそこで裕太が内海に渡されたビー玉をずっと持っていることによって、
まだ委ねられている節はあったのかなとも思えるかな。
裕太が世界をすくう決意をビー玉を握ることで、離さないことで表現されていますが、
最初にそれを持っていたのは内海なんですよね。

そして裕太を気づかせた顔に当たったボール。
あれも誰にぶつけられたか、というのは作品の運命論的に結構大事な部分だと思うんですが、
そういう描写は排除されている。

なぜ裕太がグリッドマンなのか、というのはある意味では内海が渡したビー玉、
そして誰かがぶつけたボールによって裕太自身がヒーローになろうとする姿勢を後押ししていいる。
内海もなぜ裕太が、と嘆きますがそれが内海のドラマに繋がらないのも、
それは知らず知らずのうちに周囲が裕太を求めていた格好だったのか、
または世界を形作るグリッドマンによって周囲を操ることで裕太の覚醒を促していた兆しのようなものだったのかもしれないなと。

今作はナメて見せて手前のキャラと奥のキャラを対比的に見せるカットが多かったですが、
最終的にそれがグリッドマンに繋がっていた、という感じだったのかなと思えるんですよね。

ビー玉も世界を表現しつつも極小の球でしかないというのもミソで、
極大の世界とそれを形作る極小の世界がイコールになるような見せ方、
つまり裕太のもつビー玉=グリッドマン、とすることで、誰もがヒーローとなれた可能性、
ヒーローを生み出す人もまたヒーローだというニュアンスを含んでる感じでそういうのも良かったかな。

蓬と夢芽の関係が未来の裕太と立花の関係であったり、関係性のパースと言えばいいのかな、
そういう因果の結びつきを描きたかったのかなという印象でした。


全体の印象はそんな感じで。
本編は裕太視点で進むのが、シリーズでやり残したことをやろうという感じで良かったかな。
ダイナゼノン勢の扱いがやや小さく感じますが、蓬たちのドラマはダイナゼノン本編で終わっていたので、
グリッドマン勢の話が中心になるのは当然の流れだったのかな。
もうシリーズ続けるのも大変だから全部やろう的な感じだったのかな。
ダイナゼノン1話の90年代くらいまではよく見た街の光を丸で表現する形とか、
ダイナゼノンの味がちゃんと残っていたのは良かったですね。

個人的にガウマは結構好きなキャラだったので、蓬と再会してのやり取りはグッときたかなぁ。
カーテンから差し込む一条の光が再会したガウマと蓬の別れを庵に描いてる風なのとか。
蓬と夢芽はカップルすぎて眩しい感じが強かったかな。

裕太六花ペアも印象的な絵が多かったですね。
鼻血を出してから廊下で会うシーン、大きな画面で見ると中心上に太陽があって、
その光が窓のサッシに反射して赤みを帯びているのが気になったかな。
やり取りは普通ですが、そういう中で世界にあるちょっとした色味がシーンの味になっているようで好みかなと。

あとは鉄板ですが、2人の公園のシーン。
ブランコに腰掛ける六花の肉感のある四肢の描写とか、満月が暗示する描写だとか。
月が満月なのは、好意を通して六花は裕太のヒーロー性を見ているのかな、という感じがするかな。
以前は裕太の気持ちがグリッドマンに選ばれる理由になっていましたが、
六花が裕太を心配する気持ちは、つまりはグリッドマンによる干渉ではないのではないか、みたいな予感としたいですが、
内海だってなぜという気持ちはあったのでそこを不意にはできないか、と思うと、
やはり個々人の気持ちが円を形作るものを通して裕太のヒーロー性をうったえているのか、みたいな気がしてくる。

というか内海は涼宮ハルヒでいうキョンの役回りだったのではないかなとちょっと思えるかな。
ヒーローは自分でやらずに誰かにやってもらおう、しかしビー玉は内海経由なので、
そこでヒーローになることを譲っているような感もありで。
そういう涼宮ハルヒ的な青春性があるのが本作の強みだと思うので、あえて書いてみました。

幽霊騒ぎのところで六花の髪がクシャるのも好みな髪描写だったかな。
女の子の描写はどれも良かった気がします。

アカネの登場やアレクシスの復活はまあそうくるよなという感じですが、
2人ともグリッドマンの外の世界の住人なので、宇宙の形を知るものですが、
ではその外とはというのはまあ私たちの謎になるのかもしれませんが、
アカネちゃんどうやって神になったの?問題はまだある感。

アカネの変身は怪獣使いのムジナっぽい感じで、ムジナ出せないからえいや!でやったのか、
ムジナはあの世界にあったアカネの別側面みたいな感じだったのかとか色々考えちゃいますね。

個人的にアカネとナイトの別れのシーンがディーン版Fateの最終回を思わせる構図でグッときたかな。
アカネがフッと消えるあたりもそれっぽい。
ただ周囲がその状況を見ているという構図はグリッドマンでアレクシスにエヴァパロディを台無しにされるのを彷彿とさせられる感じで、
文脈を踏まえてる感が強いですよね。
ダイナゼノン10話のナイトの描写を思い出す感じもしますし。


あとちせのタトゥーでゴルドバーンが進化しますが、
タトゥーを使うというのが新鮮なアイディアのように感じたかな。
あまりロボットと結びつかないので。
アカネの力で実体化するので、怪獣を作る形の応用という感じだったのかな。
ちょっとFateっぽく感じたシーンがあったのを考えると、
令呪的な盛り上がりを意識した方がいいのかなと思いましたが、
ちせとゴルドバーンは関係が勇者シリーズ的な感じなのでちょっと違うかなとか。

バトルはどのシーンも楽しく見れましたが、
ガウマが最初からダイナレックスで登場するので、
ダイナゼン最終回の怒涛の展開を思い出すと、ダイナレックスやダイナゼノンでの見せ場が少ないのがやや心残りですかね。
ただ先にも描きましたがダイナゼノンで描くべきは描いた感じだったので、
まあこうなるか!という感じで納得はしていたり。

まだまだ触れたいところはたくさんありますがこの辺で。
ヒロインが可愛くヒーローもかっこよくと、自分が憧れていたエンタメが形になった感があって、
このグリッドマンシリーズはとても印象的な作品でした。
雨宮監督にはまだまだ多くの作品を手掛けていただきたいですね。

機動戦士ガンダム 水星の魔女 5話とか を語る

2022-10-30 19:42:41 | ■アニメレビューとか


機体の動きを追うようにカメラが動くので面白いアングルになっていたかなと。
地と天に分かれてのバトル、みたいな感じになっていたのが気になったな。
スペーシアンVSアーシアンの構図か?みたいな。



火の入っていないエアリアル。
オブジェ感は近年のリアルガンダムのイメージの延長かなとか。
ちょっと面白い構図ですよね。
エアリアルから隠れるようにスレッタが占いをしているのとか。



天から地へとまかれる感じが地を主とするアーシアンっぽさを感じたかな。
大地があるのが主、みたいなイメージというか、
3次元的なものを2次元的に落とし込む感じとか。

これはエランの決闘スタイルとも絡めて見せている感じで、
上から見下ろしながら自分自身の運命はもう決まっているような、
そういう視点を持ち合わせているのが気になったかな。
ガンダムを倒せるのはガンダムだけとか、
スレッタと自分は違うとか、
スレッタを見ながらスレッタに歩み寄ろうとしないとか、
そういう自分の価値観の中で生きているような感じというか。

占いで今後の伏線的なワードを拾い上げつつ、
アーシアン的な価値観に触れ、
かつその視点がエランの視点のあり方と被せるような感じがちょっと気になる、という感。




サブタイトルが氷の瞳なので、瞳や主観の演出は気にされていたのかな。
ガンダムの意思はどこにあるのか(スレッタ以外が乗った時の反応の違いはないのかとか)、
スレッタの表情を見せ切らずにグエルの反応で見せるだとか。



モビルスーツ戦も面白いですね。
グエルがレーザーに当たるのを交わしながら近づく辺りとか、
だいぶ臨場感のある感じでしたしMS戦はアニメの時代が進んだ感じがして、
ちょっとウキウキした気分で見てしまいます。




エランが空中戦から、上の視点から勝利を決め地に落ちる、
というのは占いの結果はエランからすれば決まったことを形にする行為、
という風に読めますが、
グエル視点で見ると今までの決闘は全て地から天を打つような負け方で、
占いからすると不可逆的、物は重力に逆らって飛べない、勝てない、
という風に描かれている風で、
今後のグエルがどのように勝利をおさめるのか、というのも気になってきた感。
占いの流れ的にアーシアン側に付くのとかな、とか物語的なところも気になるかな。

しかしグエルの取り巻きがエランとスレッタがデーとしてるのをグエルに教えにくるの、
完全にわかってる感じでそういうのがちょっとクスッときたかな。


エアリアルの表情を見ると、ちょっとF91を彷彿とさせられるんですよね。
というのもF91と敵である鉄仮面の共通性をF91ではやっていて、
今話でそれを引用された気がしたんですよね。
エアリアルはいったい何者なのか。
母親は何をエアリアルに仕掛けているのか。
そういうエアリアルと母の意思が被る感じがF91を彷彿とさせられる感じがするんですよね。
今考えるとラフレシアみたいな花をモチーフにした気体というのも女性的で、
今作が引用するのもわかる気もするので、どうなるんだろうという感。

機動戦士ガンダム 水星の魔女 4話とか を語る

2022-10-23 22:13:06 | ■アニメレビューとか
決闘が終わっての衝撃展開からの4話でしたが、
学園内のスレッタたちの立ち位置を描いた話数だったのかな。
アーシアンやスペーシアンというガンダムで触れられる差別に触れ、
学園ものらしく落とし込んだ話数だったのかなという感。

今回見ていて子供たちの話が中心になると学園内の話になって、
やっぱ大人が動かないと話が進まないんだな、と思ってしまったな。
物語の転換点が子供の力ではないところに無力感を感じるというか。
割と普通の話でもあるかもしれませんが、
子供だ大人だを何十年もやってきたシリーズなので、
その辺、気にしてしまいますね。


泣いちゃうスレッタさん辛い。
地球寮のシーンで動物を見てたじろぐ姿とかを見て特に思ったんですが、
やはり声の力が大きくて、やはり中の人凄いなと思ってしまったな。

パイロットスーツきて泣くの涙拭けなくて大変そうといつも思いますが、
今作は吐息だったりでスーツの中の水滴を割と描いている風で、
その辺がちょっと気になります。
水星の水の字にかけているのかなという感じですが、
自分の体なのに触れることのできないもの、
不快なものを取り去れないこと、
そういうことを含めての意味合いなのかなぁと思ったりも。
不自由さというか。
母親も腕がサイボーグ化していますが、
肉体の延長の先に自分ではどうにもできない体になることについて、
みたいな延長線があるのかどうなのかという感じというか。

ミオリネが植物を育てているのも水が必要なので、
水の流れ、循環が何かしらの比喩になっていそうではあるかな、と。
そういうのが何かを追って見れたらいいですね。

機動戦士ガンダム 水星の魔女 OP,EDとか3話とか を語る

2022-10-17 23:32:45 | ■アニメレビューとか

OP。
スタッフクレジット縦字だとちょっと鉄血を思い出すかな。
ガンダムに流れる血のように赤い発色や、
パイロットを利用しているという点でも鉄血っぽく、
男所帯な鉄血に対して女所帯の水星になるのかどうなのか。
以前にも触れましたが、ガンダムという栄誉を取り戻す、
という流れでは鉄血の流れを踏んでいる気がするんですよね。



度々入るスレッタの映り込みが何を意味するのか。
魔女の意味するところやプロローグと繋がってこないキャラ性など、
空白の時間に謎が多く気になりますね。

個人的にスレッタの救助活動から始まった物語は結構好印象で、
戦争ばかりしていたモビルスーツをそう使うのか、
という出だしでグッと来ていました。


ED。
謎の宝石の中に囚われるスレッタとミオリネ。




回転する中で宝石の中にガンダム。
そしてコクピットを思わす表示にその中で眠るスレッタの図。
どのような空間にいたのかわからなかったスレッタが、
ガンダムを通すことで宇宙にいたことがわかるというのがちょっと気になる。


ミオリネもまた不思議空間に囚われているけど、
まだ緑とかも含まれていて、コロニー内のガーデンを思わせられる。
それぞれの居場所に囚われている感じというか。


個人的に曲名と歌詞と絵を合わせた演出は好きで、
近年増えてる気がしてましたが、
ついにこういうストレートなEDが出てきたかというのもあってグッときたな。
最近はずっとこの前後を無限リピートしてしまっています。
個人的に気高いスレッタの意味するところは結構気になるところ。

そもそもスレッタのいた赤い世界からどうやって出てきたのか、という。
どうしてその決意が出来たのか、というドラマに触れていない。
ただスレッタが描かれる向きはそれまでのカメラ位置とは違っていて、
キャラクターの配置、素朴なレイアウトの変化が印象的で、
なぜこの手法で、イマジナリーラインを超えるような形で、
スレッタを見せる必要があったのか。
その点が非常に気になる感じですね。

そもそも赤い世界がガンダムの中なら、
スレッタがガンダムを捨てる話になるんですよね。
ガンダムの栄誉を取り戻すような物語構造になっているのに、
スレッタはガンダムを捨てないといけない、
ガンダムというゆりかごから出ないいけないように語っているように思え、
ガンダムをめぐる物語でこういう語り口ができるのも女性キャラゆえに、
なのかなとかちょっと思ってしまいますね。

ただ服的にホルダーであるっぽいのでガンダムの全てを捨てているわけではない、
というのもポイントなのかな。
スレッタの気高さがどのように描かれるのかという期待感で今は胸がいっぱいです。




ラフっぽい形からミオリネの世界へと入る。
序盤はスレッタへミオリネが手を伸ばす形でしたが、
なぜ最初からこの形にならなかったのかとか、色々気になりますね。




本編。
噂する生徒たちが壁側で孤独なスレッタは窓側と、
暗く描きつつも割とガラスという透明感のあるイメージを持たせている感。
特にOPでバックでモビルスーツが動いている絵があるので、
スレッタのイメージのリフレインが描かれているのが3話という気がします。
まあ2話がミオリネ中心の世相を描く話数だったので、
またスレッタに戻ってきたという感じかなとか。



影踏みじゃないけど、一番光側にいるのに影踏んでるっぽいの、
ちょっとした対比感あるかな。


スレッタの芝居はどのカットも好きですね。
ニカが手を振る辺りも指の広げ方がこの形を作るのかな?
と思ったら外す感じとかちょっと意外に感じる部分もあったり。
お辞儀したり隠れたりと、割とスレッタはだいぶ動きを入れていて、
これは前期の『リコリス・リコイル』みたいに、
主役を際立たせる手法としてやっているのかなという感じが強いです。
まあ今までもやられている感がありますが、割と印象がダブる気がします。




背中叩きながら奥へ行くミオリネだけど、
いつの間にか近くにいたっていう意外性を狙ったシーンでしたが、
直後にミオリネのアップがあったり、
レイアウト内でそれほど距離が縮まっている感もなく、
ちょっと外したような印象がしましたが、
ミオリネ自身の反応がまだよくわからない、という意味で正道なのかなとか。



エレベーターの映り込み。
エレベーターで生徒会的な組織のところに行くのウテナっぽいな、
とか思いましたが、扉という割れるものにスレッタが移り込むの、
これもまた何かを暗示しているようで気になる。
これもOPのリフレインっぽい演出ですよね。
ウテナを引用するなら
「卵の殻を破らねば、雛鳥は生まれずに死んでいく。我らが雛で、卵は世界だ。世界の殻を破らねば、我らは生まれずに死んでいく。世界の殻を破壊せよ。世界を革命するために。 」
なので、スレッタは世界を革命する形になるのだろうか。

エレベーターと言えばミオリネがスレッタを助けに行くのにも使っていて、
その辺の上下の動きは意識した方がいいのかどうなのか。



エレベーターという世界を通ったことで、グエルの心情に触れる。
触れたのはグエル自身だけどきっかけはスレッタの語りで。
そういう他人の心情を変えてしまう片鱗を感じさせる場面で、
スレッタは映り込んだ自分を割っていた、というのが気になるというか。
スレッタ自身は何もしていないけど、周囲がそうしている、
そういう作為性をエレベーターに移り込む姿からは感じる、かなぁ。


冒頭の廊下ではスレッタは影を踏むように走り去っていったけど、
ここではグエルが影の中にいてそのまま去る。
スレッタ自身がグエルの光になったのがここだったのかなぁとか。


しかしロケットパンチやら何やら体バラバラにするのターンXか、
って感じなので割とその流れは意識していそうですよね。
1話のシールド作るところの構図でエヴァ破思い浮かべたので、
割といろんな作品を思い浮かべてしまうかな。
棺っぽい倉庫が移動してきて発進するの、
ちょっとエヴァっぽい感じですし。



負け戦だと思っているときは見る気もないけど、
勝ちが見えてきたところで燃えるのいいですね。
人間、現金なものです。


角が生えたロボットが機能停止するのエヴァっぽいとか。



再起動して相手を押し戻すとかもちょっとそれっぽいかもな、と。
最初は平野部で戦っているような形だったので、
ダッチアングルでグエル側がスレッタを押し戻しているように描くの、
個人的にグッときたな。




アンカーで掴んでエアリアルを吹っ飛ばすの、
周囲の環境というか山を越えるように見せて、
空間を大きく見せるようにしているけどあと一歩欲しかったかなという感。
グエル機のキメポーズINもちょっとわかりづらくて、
血界戦線1話の中村パートみたいなのってやっぱ難しいよなぁと思ったり。


今回はバトル地域の特性を意識させるような描写、
ビームの減衰だとか、を含めてバトルも結構楽しめました。

スマホばっかり使ってる割には空間にビジョンが出てきたりと、
学園内で金をかけているところが違うのかと思ったり。


勝利時には虹が見えていましたが、このカットでは見えず。
スレッタ越しに光が差し込んでいるのがミソなのかな。

割と急展開なのはコードギアスを思い出すので、
ここからどうシリアスに持っていくのかな。
そういえばギアスも両親はダメなキャラばっかりだった気がするので、
本作もその延長になるのかな。楽しみです。

アニメ雑記 2022/10/3 を語る

2022-10-03 20:58:34 | ■アニメレビューとか
最近記事を書いていないのでどう作品と向き合えばいいんだっけ、という気分になっているのでリハビリに。

●リコリス・リコイル 13話


割とふたを外された最終回という気分になったかな。
ミカがヨシさんをぶっ殺して心臓を奪うのとか。
悩んだ最後に親友の夢ではなく、少女の命であるという。
これは千束とたきなの関係の延長線上にある話でもあり。
そういう中で救世主という幻想ではなく、
大人としてなのか父性の発現としてなのか、
千束のために動くキャラクターとしての存在感を最後に見せることで、
愛されるキャラクターとしての千束、
というのがクローズアップされたかなぁ、と。
可愛い女の子が戦って死んじゃう話を求めないおじさんはいる、
というその確かな存在感にグッときますよね。


千束の言葉で救われるところもある。
こういったセリフと状況の関係性のかぶせ方が今話はだいぶ引き付けられたかな。
真島の話を遮りますけど、飲み物の色が真島カラーで、
真島の飲み物に対する文句から望む形を求めすぎるのはよくない、
と語らせるのがまたヨシさんを否定する形で目を引く感。




背中を取ったところから、
地上を背にして何度も発砲するあたりクールですよね。
千束の振り子向きや背中描写の多さから最後に撃ち勝つところで、
そういう絵がきたのにちょっとした納得感が得られて個人的に好みでした。



背中合わせのバディものという感。
ちゃんと千束をたきなが助ける格好になっていてグッド。
ミカが心臓を取り返したことでたきなの存在意義が疑われるので、
ちゃんとらしいところを見せてくれたのが良かったかな。
しかしよくたきな耐えられてるな感が強い感じですね。


ちょっと意味合いが強くなるかなというカット。
リコリスの謎はベールに覆われた形になりました、
という絵だったのかな、というか。
制服との距離感でそれは描かれている気がしますが。




絵の後ろに絵があるっていうのはまたアニメっぽい寓話かな、と。
本来あった絵を別の絵で隠している、
っていうは自分たちが見てきた物語に何か引っかかりを覚える表現ですよね。



花火の意味はヨシさんからのハッピーバースデーだった可能性もありで。
なんで爆弾ではなく花火だったのか、という側面に出てくる考え方。
真島の千束に対する拘りがブラフを呼んだのか、
ヨシさんが真島にやらせたのか、また今一つ見えてこないし、
それもミスリードかなっていう予感もある。
そういう狭間の絵が面白いところだったかなと思います。



少女が生きながらえて生活できるようにする、
そういう当たり前なことをやろうとしたところにグッとくるかな。
リコリコという家を作り仲間を作ったこと、
好きにさせながら見守る存在になったミカの存在が感じられ、
そういった幸福になる努力が見え隠れするのが良いかなと思います。

本作見ている間に久々に『SoltyRei』とか見ましたけど、
歪んだ日本描写もああいう感じだったのかなと思うと納得できる、かな?



●サマータイムレンダ



レンダの意味は色々ありますが、
花火が象徴するように何度も出会いそして再会する姿がグッときますね。
個人的に原作で好きなシーンだったので、
ちょっとした改変や髪の描写にグッときました。
最近は自分が原作からファンの作品がたくさんアニメ化されていますが、
本作は指折りの作品という形で毎週楽しく見れて良かったです。
ちゃんと感想書きながら見たかったかな。


●Extreme Hearts
転生した八神はやてがアイドルを目指す話だと思って見てしまっていたな。
ロボットがチームメイトになっているのとかを含めた寂しい感じとか、
でも前向きな感じは『リリカルなのは』を思い出して、
あと主人公の姿が似てるのと仲間が4人+AIマネージャーというのを含め、
守護騎士たちだなぁ、という感もあり、そういう気分で見れたかなと。




PANダウンで始まるOPとしてtwiterで話題になっていて、
そういう始まり方で思い出すのが『sola』のOPだったりして、
なんだか歴史を感じる作品になったなという感。

15年前の記事ですが、
当時意識してなかった点をついていたのでよく覚えています。
まあもっと皆さん積極的にアニメ語っちゃいましょう。


●機動戦士ガンダム 水星の魔女 1話
配信でしか見れないレア条件の地にいるのですぐ見れないのはやや悲しい。
『鉄血のオルフェンズ』はガンダムが敗北するというのがセンセーショナルな感じで、あんまり受け入れられなかったのかなという気がしますし、戦争や抗争の死はモビルスーツを降りたところにあったりする、いわば名誉の死から遠く離れたものだったのが個人的に好きでした。最終的にマクギリスのようなガンダムという名誉に夢を見過ぎていた感じで敗北しますが、それでも後に残るもの、続くものはある形で締める形で、今作はそういう先にあるガンダム、みたいな捉え方をちょっとしています。

女性パイロットが主役のガンダムも何気にあるようでなかったので新鮮ですね。学園ものというのも。おまけに魔女という要素もあり、『少女革命ウテナ』を連想するなという方が難しい気がします。決闘で花嫁のやり取りをする学園ものですが、ウテナと違うのは最初からヒロインは学園を出ようとしていたところですかね。ただ己が向かう先が描かれていないので、出た先に何があるのか。割とそういう示し方はされているような感じで、先を見るのが楽しみです。

個人的にトマトの描写とか好きかな。かぶりつくと汁が飛ぶようなところとか。AIで動くロボットというと勇者系を連想してしまうのと、女の子が戦うサンライズアニメで舞-Hime系、ゼノグラシアの系統というのもTwitterで見かけてなるほどと思ったので、長井龍雪作品後の作品という感をより強く感じてしまうかな、と。ガンダムでも馴染みの薄い水星をピックアップしていますしどう見せてくださるのか楽しみです。


●ママレード・ボーイ
最近全話見ました。
大体2クールごとに転換点があるので見ていて楽しめました。

1-25話:光希と遊が付き合いだすまで
26-49話:離れてくっついて
50-76話:留学編

だいたいどの話数も楽しめますが、話のメインが兄弟で付き合うという悩みなどではなく、急に迫ってきた相手にドギマギする、ママレードボーイにヒロインの心情が振り回される形ですが、恋愛ドラマとしては友人である茗子と先生がメインだったような気がします。なので茗子があまり描かれない留学編はやや退屈な印象が強かったです。26話以降はダブル三角関係でキャラクターも増えて盛り上がるだけに、後半はちょっと重くて見ていて辛かったですね。

26話以降は負けヒロインや恋のライバルの描写が個人的に目を引いたかな。頑なに太陽をバックにして女の子を見せたりとか。走っていく姿を太陽を背にしながらカメラで追って見せるのはかなり特殊な見せ方で、そういう印象付けが好きでした。ピアノを弾くキャラがピアノに移り込む描写を引く度に印象付けて、繰り返しピアノと向き合う姿に触れたりとか。そういう中で青山一人原画回だったりで演出意図の強い画を描いていたり、馬越回でちょっと浮いた演出を絡めながらしっかりキャラを見せてくれたり、川村敏江回の麗しさだったりなど、画的にグッとくる場面は何度もありました。

個人的に青山回で茗子が新聞の切り抜きを両手で持っている辺りとか記憶に残っているかな。特殊な形をした紙一枚をどう持つかという見せ方で、記事の内容を見せるだけじゃなくてそれがキャラ描写になっているのが演出的に強くて目を引かれたかな、と。

演出的にも安定して楽しめる回が多かったように思います。もっとちゃんとメモりながら見ればよかったかなぁとちょっと反省中です。

アニメ雑記 2022/9/25 を語る

2022-09-25 22:53:11 | ■アニメレビューとか
●夏へのトンネル、さよならの出口
見てきました。
ラノベ原作とは知らなかったので、見終わってちょっと納得。
自分が10代だったころに見ていたらもっと感激していたような気がします。

花火から始まる絵っていうのは夏らしい作品で、グッときたかな。
駅であった女の子との出会いを印象付けてるのも王道ですが味がありましたね。
傘を受け取る手の位置の変化やカメラが切り返すインパクト、
細田演出っぽいPANでの見せ方など、
セオリー通りだったり有名どころから持ってきたのが、
ちゃんと面白いというのが良かったかな。

線路が続く先が2人の未来っぽく、
しかしそれは鹿に阻まれた程度で容易に変動してしまうので、
未来への影響が軽く見積もられている感覚はあるけど、
だけど時間通りに進む現代社会に比べると、
その牧歌的な時間に身を置くのも悪くないだろうなという感があるかな。

様々な演出家が電車を演出に使いますが、
割とこういう視点から見ると新鮮な作品だったんじゃないかという気がします。
みな運命のレールに身を置くことに慣れ過ぎているんじゃないかな、と。
なので運命から外れるという意味で浦島トンネルを見つけるのも、
運命から外れるという意味での絵だったのかなという気がします。
彼女が電車を待っていて、彼は電車を待ってはいない、
というのが展開の分岐点になるのかな。

世界に自分たち2人しかいない、
というのを2人だけの時間で描くのが贅沢で、
そこに自分たちの欲が重なってるのが良いかなと。
浦島効果によるメールの遅延は新海誠の『ほしのこえ』っぽいですが、
届かないはずのメールが届くことで切なさではなく、
自らの望みに気づける辺りが個人的にはグッときたかな。
別れの切なさよりも、より鮮明になる自分の形が今の自分に戻る、
という絵で描かれるのがベタですが良いところかなと思います。
ベタをベタでいくことって本当に大事だなと思わされました。

大きなスぺクタクルもなく、
感情の起伏もそこまで大きい作品とは思いませんが、
その分純朴さを感じて楽しんで見ることができた気がします。

あと黒髪長髪の髪作画が好きな人はおススメです。
キメの画がそこになっているので、見ていてグッときました。
アニメで髪の作画に飢えてるので、今作限らず色んな髪作画を見せて欲しいですね。