平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

朝日新聞に地球交響曲の記事

2007年06月20日 | Weblog
毎日新聞はよく「地球交響曲」や龍村監督の対談を載せていますが、朝日新聞が珍しく「地球交響曲」について紹介しました。

*********************
ドキュメンタリー映画「地球交響曲」に見る宗教性
2007年06月16日11時51分

 私たちは見えない何かに生かされている――。宗教的とも言えるメッセージを込めた「地球交響曲」(ガイアシンフォニー)という日本のドキュメンタリー映画がある。シリーズ最新作の「第六番」が公開中だ。1992年の「第一番」以来、自主上映会が旧作も含め各地で繰り返され、観客動員数は延べ220万人。配給会社に頼らない「隠れたロングヒット」には宗教研究者も関心を寄せている。

■「バブル後」の心象に呼応

 映画はオムニバス形式で、さまざまな分野で活躍する人が1作品に数人ずつ登場し、大自然や宇宙、自分の生き方について淡々と語る。

 例えば「第六番」には、インドの民族楽器シタールの奏者ラビ・シャンカールが出演する。ビートルズ時代のジョージ・ハリソンが弟子入りしたことでも知られる人物で、「耳には聞こえない虚空の音」について語っている。

 背景に、特定の宗教思想があるわけではなく、「第六番」などは文部科学省選定映画にもなっている。しかし、出演者たちの言葉にはどこか宗教的な響きがある。静かな語りの合間に時折、宇宙空間から見た地球などの映像が挟み込まれる。

 この映画とそれを支える自主上映会の動きは宗教研究の対象となっていて、すでに複数の論考が発表されている。

 各種世論調査によると、日本で「信仰を持っている」と答える人は2割余。しかし近年、教団に帰属しない多くの人の宗教意識について研究が進みつつある。「地球交響曲」はその格好の素材と見られている。

■「生かされる感覚」受けヒット

 浮かび上がっているのは「スピリチュアリティ」という概念。「見えない何かとつながる感覚」などと定義され、霊性と訳されることもある。宗教の教えを必ずしも介さずに、何か人間を超えた存在に触れる感覚だ。

 自身に特定の信仰はないという龍村仁監督(67)はそれを「大いなるものに生かされている実感」と表現し、自分の中で閉じているスピリチュアリティに、映画を通じて目覚めてもらえればと語る。

 「生かされている実感がないことが、教育問題や少年犯罪など時代のゆがみの背景にあると思う。映画に登場する人たちは、その感覚があるから謙虚でいられる。大きな自然の一部であるような……。それぞれ個別のことを語っているのに、普遍的なものを言葉の奥に感じる」

 第1作の完成後、商業的な成功が見込めないとの理由でお蔵入りになりかけた経緯がある。ところが、環境問題に関心のある主婦らを中心に自主上映グループが全国に生まれていった。「第六番」も次々と自主上映が決まっている。

 早くから作品を見続けている慶応大学の樫尾直樹・准教授(宗教社会学)は、スピリチュアリティを喚起する作品が受け入れられた背景をこう見る。

 「日本では80年代から近代的ライフスタイルとは別の生き方を模索する人たちが増え、エコロジーへの関心も高まっていた。バブル経済がはじけたころに公開された地球交響曲は時代の心象に呼応し、ゆるやかなネットワークによる運動を生んだ。既成の宗教教団がそうした受け皿になりにくいなか、この映画は宗教の機能を部分的に代替している面がある」

    ◇

 自主上映会の情報は龍村仁事務所のサイト(http://gaiasymphony.com/)で。
*********************
http://www.asahi.com/culture/movie/TKY200706160121.html

宗教学者がどのような分析をするのか、それは自由ですが、「地球交響曲」がとてもよい映画で、観た人がみなそれぞれ「何か」を感じることだけはたしかです。その「何か」にかりに名前をつけるとすると、「スピリチュアリティ」としか言いようがない、ということなのでしょう。

最新の画像もっと見る