平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

国際フォーラム・新しい文明を築く(5)

2005年11月21日 | Weblog
〇トーク・セッション1
「Sustainability(持続可能性)とSystems(システム)」

・参加者:ゴルバチョフ、サトゥリス、ヘンダーソン、北川正恭(前三重県知事、現早稲田大学教授)
・進行:ピーター・ピーダーセン(イースクエア)

※ピーダーセン氏は、LOHAS(Lifestyles Of Health And Sustainability)という言葉を最初に日本の紹介した人です。
http://associate.jp/archives/2005/04/lohas_1.html

 最初に、ピーダーセンさんが、スライドを使いながら、北川正恭氏らとともに行なった「サステナビリティの科学的基礎に関する調査プロジェクト」の最新研究成果の報告を簡単に行なった。

※このプロジェクトについて:http://www.office-kitagawa.jp/rsbs/

 ピーダーセン氏は、すでに地球環境問題に関する様々な研究や報告に示されているように、地球の「エロロジカル・フットプリント」はすでに1.2を超え、人類は環境に多大な傷を与え、地球環境を食い尽くし始めていることを示した。

※エコロジカル・フットプリントとは
http://www.geocities.jp/byakkou51/essay/2004.htm#6

 その後、4人によるパネル・ディスカッションが行なわれた。その中で、ゴルバチョフは「私はこれまでこのような会議に何百回も出席してきた。様々な立派なアイデアが語られたが、世界は少しも変わっていない。私たちはアイデアを行動に移さなければならない」と語った。

 ゴルバチョフ氏もサトゥリス氏もヘンダーソン氏も、その言葉の端々に、省エネ技術先進国としての日本に大きな期待をかけていることがうかがわれた。その期待は、産業第一主義をいまだ脱却することができず、景気てこ入れのために、国土破壊の公共事業を続けている日本の環境政策の貧困さを知っている私たちには、あまりにも大きすぎるように思えた。

 北川氏は、「環境問題を倫理の問題とするのではなく、環境重視がビジネス的にも有利であるというビジネス・モデルを日本で作り上げ、それを世界に発信していかなければならない」と述べたが同感である。

 以下は個人的感想――

 日本は、3氏から寄せられた期待に応える国にならなければならないであろう。かつて厳しい排ガス規制のマスキー法をクリアーしたことによって、日本車は世界を制した。現在も、燃費のよい日本製ハイブリッド・カーが人気である。車だけでなく、あらゆる面で環境適合的な技術のほうが有利になるように、社会のシステムを変更してゆくのである。日本が、国民一人一人が物質的にも精神的にも満たされた、真に環境調和型の経済と社会を実現することができたら、それは世界の模範となることができるであろう。

 そのためには、法律や税制の変更も必要である。それには既得権益集団の巨大な抵抗が起こると予想される。日本においてこそ、ゴルバチョフ氏のような明確な未来展望と強力なリーダーシップを持った政治家の登場が望まれる。