平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

国際フォーラム・新しい文明を築く(4)

2005年11月19日 | Weblog
●メイン・フォーラム(午後)

〇西園寺裕夫理事長
 キーワードとしての4つのS。Sustainability(持続可能性)、Systems(システム)、Science(科学)、Spirituality(霊性)。

 Sustainability(持続可能性)とは、地球環境問題、地球の物質的側面、いわば(生命圏の問題も含まれるので言い方に語弊はあるが)ハードとしての地球を問題としている。

 Systems(システム)は、地球に生きる人類の政治、経済、社会などのあり方、いわばソフトの面を問題にしている。

 新しい文明の創造のためには、Science(科学)が重要な役割を演じる。今日までの科学が多大の益と同時に、多くの問題を生み出していることも事実。しかし、科学を一方的に否定しても問題解決にならない。新しい科学の必要性。

 これまでの科学は精神性、Spirituality(霊性)を排除してきた。しかし、心とモノは本来補い合うものであるはず。この両者の関係を明らかにすることが新しい科学に道を開くだろう。

 トーク・セッションを二つに分け、第1は「Sustainability(持続可能性)とSystems(システム)」、第2は「Science(科学)とSpirituality(霊性)」について、語り合っていただく。

 次に、地球環境問題に取り組んでいるローマ・クラブ(この行事の14の協賛団体の一つ)のメンバーである現ヨルダン国王のビデオ・メッセージの紹介。また、出席した約50カ国の大使(代理)と高円宮妃殿下も紹介された。そのあと、元ソ連大統領のゴルバチョフ氏の講演。

〇ゴルバチョフ氏の基調講演
・様々な提言がなされてきたが、世界は一向に変わっていない。なぜか? 政治が変わらなければ、世界は変わらない。しかし、現在の政治の世界には、平和な未来へ向かう明確なリーダーシップが欠如している。
・今年はペレストロイカ開始20周年である。ある講演会で「ペレストロイカは勝ったのか負けたのか」という質問を受けた。私は「ペレストロイカは勝った」と答えた。ペレストロイカは、2度の陰謀によって中断させられたが、世界を後戻りできない地点にまで推し進めた。20年という時間はペレストロイカの成果を総括するにはまだ早すぎる。
・21世紀の我々は「新思考」を必要としている。ケネディ米大統領は、彼の求める平和は、アメリカの利益になる平和ではない、すべての人々にとっての平和だ、と述べたが、我々はこのような平和を求めなければならない。