平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

NGOとNPO

2005年11月07日 | Weblog
11月3日に、東京で「市民国連創出フォーラム」という会合が開かれました。
http://www.heartful-net.org/1103/

これは、「未来構想フォーラム」の大脇さんという方が中心になって呼びかけ、環境問題や平和活動などに従事しているNGOとNPOが集まって開かれた行事です。
http://www.wmiraiforum.com

私は今年の3月31日に「未来構想フォーラム」の「文明と宗教を探る:イスラム教リーダーとの対話」という催しに出たことがあります。(この行事については、4月3日に書いています。)

今回は、地球の未来について真剣に考えている色々な方と知り合いになれて、とても有意義でした。

ところで、NGO(非政府組織)とNPO(非営利組織)はどう違うのでしょうか。基調講演をなさった茨城大学人文学部教授の杉下恒夫先生のお話によると、NGOとNPOは似たような組織で、NGOはNPOに含まれるといってもかまわないのだそうですが、しいて区別すれば以下のようになるとのことです。

NGO:貧しい国への開発援助を中心とした、プロフェッショナルで自己完結的な集団。

NPO:高齢化問題、文化財保護など、主に国内の活動に従事するプロフェッショナルな集団。

どこかで災害が起こった、さあ毛布や医療品を集めよう――それだけでは、その品は被災者に届きません。それを現地に運び、被災者に配るには、プロフェッショナルな組織と技能が必要となります。ただの善意だけでは、具体的な援助にはなりません。

そういう具体的な仕事であれば、国がやればいいではないか、と思うかもしれませんが、国の組織では、様々な規則に縛られて、なかなかきめの細かい即応的な対応ができません。

私たちの生活は、物理的にも広がり(海外との交流)、時間的にも広がって(平均寿命の延長)います。そういう拡大された生活空間を、国という硬直的な組織だけでは埋めることができないので、NGOやNPOが必要になってきた、という杉下先生のお話でした。

プロとしてNGOやNPOで仕事をするのはなかなかたいへんなようですが、若い人の中には、高い給料の大企業への就職を蹴って、あえて安月給のNGOやNPOに入る人もいるようです。人はパンのみにて生きるにあらず、なのでしょう。

別の仕事を持っている私はNGOやNPOのメンバーになることはできませんが、金銭面や精神面ではささやかな応援をすることはできます。