仔羊の回帰線

詩と散文のプロムナード :Promenade

**星屑の夜の祈り: ケラー 

2023年06月01日 09時06分31秒 | ドイツ抒情詩選

   澄み渡る 夏の夜  草原は露に濡れ                        崇高なる星屑の まばたきは 宇宙の揺り籠に 戯れり               されど 原始の岩層は  黙して語らず 

   耳傾けん 遥か彼方の 海鳴り :                         岸辺に 波の砕け散るがごときなり                             耳傾けん フルートの音色:                                 西の方より 風に運ばれて 来るなり

  そして 早や 東の方に  夜の明けるや                             花咲く谷間に 沈黙の漂ふなか かく告げしなり:                       この世は 静寂にして いと よきものかと・・ 

    Gottfried Keller; 1819-  90.  Nacht                                 Lieder eines Autodidakten

 Dt. Lyrik vom Barock bis zur Gegenwart                       dtv. ebd. S.191.. 

   チューリッヒ生まれのケラー。若いころ絵をかき 徒食の生活を送った。が、州政府の奨学金でハイデルベルクに留学。それからは、  紆余曲折のあと 文学に目覚め 19世紀写実主義の代表的作家となる

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする