安井誠一郎氏は、戦後復興に尽力した都知事。茨城県・神奈川県で警視、富山県・兵庫県・福島県の警察部長、朝鮮総督の秘書官・総督府専売局長など、警察・軍事に関わってきた経験を生かした都政をなしている。
東龍太郎氏は、スポーツ医学の権威として知られ、東京オリンピックの誘致に尽力した。日本体育協会会長・JOC委員長を務めるなど国際スポーツ界に通じていた。スポーツ選手志向の政治家であった。
東龍太郎氏は、スポーツ医学の権威として知られ、東京オリンピックの誘致に尽力した。日本体育協会会長・JOC委員長を務めるなど国際スポーツ界に通じていた。スポーツ選手志向の政治家であった。
このあたりまでは、体育派の都政。
美濃部亮吉氏は、典型的な学者であり、マルクス主義者であった。都知事になるまでは、経済評論家としてテレビで活躍。東都政までは、政策面でスポーツ施設などが図られたが、福祉などの面ではおざなりであり、社会主義者の美濃部氏によって、老人医療費無料化、高齢住民の都営交通無料化、公害対策で企業に厳しい条件を課した。歩行者天国を設置して、大衆文化の振興がなされ、都立高校の改革を実施。
つまり、文化・教育・知識部分における都政がなされた。
鈴木俊一氏は、これら福祉の加担による財政悪化を立て直すために現れた。まず財政赤字の解消として、老人医療費無料の廃止など福祉の削減や職員給与引き下げなどの人件費削減などを行い、東京都の経理に徹した。2期目は都政を黒字に転化させる。
3期目以降、都庁の移転、東京国際フォーラム、江戸東京博物館、東京臨海副都心の開発に代表される大型プロジェクトでバブル経済におどる。ところが、支持母体の利権政党である自民党が、リクルート事件・佐川急便事件などで信頼を失う。
3期目以降、都庁の移転、東京国際フォーラム、江戸東京博物館、東京臨海副都心の開発に代表される大型プロジェクトでバブル経済におどる。ところが、支持母体の利権政党である自民党が、リクルート事件・佐川急便事件などで信頼を失う。
ここまではお金に徹した守銭奴都政がなされるが、頂点に達すると都民の反乱を招く。そこで誕生したのが青島幸男氏。
青島幸男氏は、都市博覧会中止を公約に掲げて当選。企業・都庁の多くの抵抗を受けながら中止を実施。その後、破綻寸前の2つの信用組合に税金を投入しないと公約したが、結局反乱によって生まれた「コンセプトのない都政」は、以後官僚政治に飲み込まれて、青島的な都政運営ではなくなる。本人もそれを察知してか一期で引退。
このような一時的な感情によって誕生した、市民運動的な怒りは一瞬にして消える。無秩序的なる彼らによっての利権政治への抵抗は、次に秩序的なる改革を求める。それはリーダーシップと冒険精神・スポーツ精神である。そこで誕生したのが石原慎太郎氏である。
石原慎太郎氏は、ベトナム戦争のときに現地でジャーナリストとしての取材活動から政治の世界に入ったとされる。職業は作家であるが、性格は軍人志向。戸塚ヨットスクールの教育方針を支持し、銀行への外形標準課税・ディーゼル車の規制など、守銭奴都政への対応は厳しく、歌舞伎町での規制強化にも乗り出し、性秩序に対しても厳しい姿勢をとる倫理秩序重視型をとるところなどにその軍人志向が現れている。ジェンダーフリー・いきすぎた性教育などに対しても非難の姿勢。
このように、武力・スポーツ・冒険志向→知識人・文化人志向→経済・富への志向→権力・金の腐敗に対しての反乱→武力・スポーツ・冒険志向
というように繰り返していくのが政治の法則である。
これは都政に限らず、国政にも、他の自治体にもあてはまる。
というように繰り返していくのが政治の法則である。
これは都政に限らず、国政にも、他の自治体にもあてはまる。
浅野史郎氏は、青島タイプの候補者であり、前の時代に必要であったが、今必要とされるものではない。浅野氏が当選するためには、今やっている青島型のような政策公約の提案をやめて、知識人タイプの公約に切り替えることである。
しかしながら軍人志向の都政というのは、まだしばらく続くと思う。なぜなら石原都政の軍人志向というのは、旧軍人志向であるからだ。これから必要なのは新しい軍人志向である。
それは、平和に向けた冒険精神や宇宙への開拓、経済優先社会の中で壊された、家族・地域・地球への愛を肉体で表していく事だからである。