東大READの身体障害者の実態調査の報告と考察のシンポジウムから、難聴者の問題に付いて、報告があることが分かった。
今年8月の公開シンポジウムの中の河村真千子氏(東京大学大学院経済学研究科 特任研究員)「障害とソーシャル・サポート: その重要性と身体障害者の実態」の報告。
一部抜粋。
http://www2.e.u-tokyo.ac.jp/~read/jp/act/files/20100807_Kawamura.pdf
ラビット 記
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東京大学READでは、様々な障害種別の障害者団体にご協力をいただき、「障害者の日常・経済活動調査」を実施いたしました。
統計調査から障害者の生活実 態を明らかにすることで、今後の障害者施策を客観的に議論することを目的としています。今回の公開講座では、解析作業の始まった団体のデータから浮かび上がってくる障害者の生活実態をご紹介することで、議論を深めたいと考えております。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
http://www2.e.u-tokyo.ac.jp/~read/jp/act/sympo.html
「ソーシャル・サポートを受け取るにあたって、コミュニケーション方法として言語を用いることとなるが、難聴者、ろう者に関する結果は、意思疎通の難しさやサポートを受け取ることの困難さ、言語自体の相違が、肢体不自由者とは別の構造を作り出すのであろうか。主観的幸福感の研究者らは(e.g. 大坊 2009)、対人関係の重要性、社会生活における人とのつながりを強調している。重要な他者との間の情緒的サポートが安らぎに肯定的に影響すると考え、情緒的サポートに関心を向けられてきているが、本分析の結果においても、情緒的サポートや援助・助言的サポートの重要性が示された。」
「つまり、難聴者、ろう者に関する結果を考える上で、ソーシャル・サポートとは、情緒や手段の提供ということだけではなく、障害とソーシャル・サポート
を障害者の主観的幸福感の視点からとらえ、その内容や量ではなく、その関係性(社会の人々との関係性)や質といった観点からとらえ直して追究していく
ことも必要ではないかということを思わせる結果であった。本調査においては、そのような視点も踏まえて調査を実施しており、今後、少し角度を変えて詳細に検討していく点でもある。」
(追記)
東大READの調査は障害の内容、程度が経済的な状況とキャリアにどのように影響するのかが主たる目的のようだった。
多くの研究員がそれぞれの視点で調査項目を提起しそれをまとめた形で実施されたのだろう。
今回の河村氏の報告はその一側面ということだろう。
他の報告はまだ見ていないが、興味深い。
全日本ろうあ連盟はこの調査には取り組まなかったのだろうか。もっともあの調査方法と調査用紙では回答するのは相当困難と思っていたが。
※通勤路に咲く朝顔・・花の付き方はこんなだったかなあ。蔓から一つずつついていたようだったが。子供の時分から普通に見ているが観察力が足りなかった。