◆自衛隊次期航空機体系への影響
2日付の朝雲新聞が、アメリカのシコルスキー社製S-97複合ヘリコプターを”世界の新兵器”として紹介しました。
陸上自衛隊は現在、UH-1多用途ヘリコプターの後継機を開発へ着手する方針ですが、アメリカは先に開発が発表されたV-280とS-97を先進的な可動翼機や複合ヘリコプターとして開発しており、多用途ヘリコプターや軽偵察ヘリコプターとして採用したのち、これを原型として攻撃ヘリコプター等への転用を視野に入れているもよう。
V-280はUH-60の後継機を目指す可動翼機で、可動翼機には海兵隊のMV-22がすでに実用化されていますが、V-280は10名の兵員輸送とMV-22よりは小型で収容時の折畳機構などを簡略化し、取得費用をUH-60程度としたうえで整備性も向上させ普及を期しています。S-97はOH-58観測ヘリコプターの後継機を企図し、二重反転ローターと補助推進翼を以て高速飛行を目指しているとのこと。
共に、米陸軍の共通ヘリコプター候補として開発されている機体ですので、米連邦政府歳出赤字強制削減措置の影響がこれ以上拡大しなければ、何れかの機体が選定されることとなりましょう。共に革新的航空機ですがV-280は既にV-22という実用機の開発経験から姿勢制御機構等の問題は参考点を見出せますし、S-97は原型となる実験機が1970年代から継続されており、見た目よりは技術的に開拓されているもの。
自衛隊は米軍がこの種の装備を大量配備した場合、当然影響を受けるでしょう。S-97とV-280の共通点は共にUH-60と比較し高い戦闘行動半径と巡航速度を有する点で、仮に自衛隊が那覇駐屯地に配備した場合共に一時間以内に尖閣諸島や先島諸島に展開し、戦闘行動半径内であるため着上陸事案へ軽攻撃や強襲任務が可能となります。
もちろん、米軍はUH-72という、本土の州兵用ヘリコプターUH-1後継として軽多用途ヘリコプターを開発し運用しています、陸上自衛隊のUH-Xは用途的にUH-72と同程度の用途を想定していますので、UH-Xの要求性能として考えられているUH-1と同程度のヘリコプターは十分実用的な範疇ですし、時期的に現在開発が始まるUH-Xに影響はあり得ません。
ただ、複合ヘリコプターに近いものは我が国では富士重工が1960年代にHU-1.今のUH-1ですがHU-1Bを原型機として主翼を装着し高速飛行させる研究を行っていました、主翼は取り外されましたがその機体は一部が群馬県内の博物館で展示されていまして、この種の技術に我が国も無関心だったわけではないのですが。
さて、同盟国の米軍がこの種の複合ヘリコプターか可動翼機により進出速度と行動半径を増大させる訳ですから、特に草創期からヘリコプターの運用を重視し、寧ろ陸上自衛隊の装甲車不足はヘリコプターへ予算をふりわけすぎたからではないかというほどの現状を鑑みれば、同等の機体取得が検討されるのはある種当然ともいえる。
この場合ですが、もちろん航続距離の延伸と進出速度の向上は広大な南西諸島を筆頭に我が国の長い地形を舞台とする防衛には非常に理想的な装備ではありますが、方面隊や師団の位置づけを大きく転換する可能性を秘めている、という視点は考えられるかもしれないでしょう。
UH-1の後継機としてUH-60を一時導入したのですが結局は並行調達となり、今に至るのは広く知られているところですが、UH-1の戦闘行動半径を見ますとほぼ方面隊管区内の飛行、西部方面隊管区の南西諸島と東部方面隊管区の小笠原諸島は少々広大すぎますが、これを例外とすれば管内に収まっています。
戦術的な必要性、協同運用上の必要性から自衛隊がS-97やV-280に同等の航空機を導入した場合、2030年代の話として、方面隊の管区を大きく超えて行動半径を得る事となります。これこそ統合機動防衛力、自衛隊の求める方面隊管区を越えた運用、と言えばそれまでですが、他方で航空装備の高性能化が、方面隊管区の在り方そのものを転換させる端緒ともなり得るかもしれませんね。
北大路機関:はるな
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
2日付の朝雲新聞が、アメリカのシコルスキー社製S-97複合ヘリコプターを”世界の新兵器”として紹介しました。
陸上自衛隊は現在、UH-1多用途ヘリコプターの後継機を開発へ着手する方針ですが、アメリカは先に開発が発表されたV-280とS-97を先進的な可動翼機や複合ヘリコプターとして開発しており、多用途ヘリコプターや軽偵察ヘリコプターとして採用したのち、これを原型として攻撃ヘリコプター等への転用を視野に入れているもよう。
V-280はUH-60の後継機を目指す可動翼機で、可動翼機には海兵隊のMV-22がすでに実用化されていますが、V-280は10名の兵員輸送とMV-22よりは小型で収容時の折畳機構などを簡略化し、取得費用をUH-60程度としたうえで整備性も向上させ普及を期しています。S-97はOH-58観測ヘリコプターの後継機を企図し、二重反転ローターと補助推進翼を以て高速飛行を目指しているとのこと。
共に、米陸軍の共通ヘリコプター候補として開発されている機体ですので、米連邦政府歳出赤字強制削減措置の影響がこれ以上拡大しなければ、何れかの機体が選定されることとなりましょう。共に革新的航空機ですがV-280は既にV-22という実用機の開発経験から姿勢制御機構等の問題は参考点を見出せますし、S-97は原型となる実験機が1970年代から継続されており、見た目よりは技術的に開拓されているもの。
自衛隊は米軍がこの種の装備を大量配備した場合、当然影響を受けるでしょう。S-97とV-280の共通点は共にUH-60と比較し高い戦闘行動半径と巡航速度を有する点で、仮に自衛隊が那覇駐屯地に配備した場合共に一時間以内に尖閣諸島や先島諸島に展開し、戦闘行動半径内であるため着上陸事案へ軽攻撃や強襲任務が可能となります。
もちろん、米軍はUH-72という、本土の州兵用ヘリコプターUH-1後継として軽多用途ヘリコプターを開発し運用しています、陸上自衛隊のUH-Xは用途的にUH-72と同程度の用途を想定していますので、UH-Xの要求性能として考えられているUH-1と同程度のヘリコプターは十分実用的な範疇ですし、時期的に現在開発が始まるUH-Xに影響はあり得ません。
ただ、複合ヘリコプターに近いものは我が国では富士重工が1960年代にHU-1.今のUH-1ですがHU-1Bを原型機として主翼を装着し高速飛行させる研究を行っていました、主翼は取り外されましたがその機体は一部が群馬県内の博物館で展示されていまして、この種の技術に我が国も無関心だったわけではないのですが。
さて、同盟国の米軍がこの種の複合ヘリコプターか可動翼機により進出速度と行動半径を増大させる訳ですから、特に草創期からヘリコプターの運用を重視し、寧ろ陸上自衛隊の装甲車不足はヘリコプターへ予算をふりわけすぎたからではないかというほどの現状を鑑みれば、同等の機体取得が検討されるのはある種当然ともいえる。
この場合ですが、もちろん航続距離の延伸と進出速度の向上は広大な南西諸島を筆頭に我が国の長い地形を舞台とする防衛には非常に理想的な装備ではありますが、方面隊や師団の位置づけを大きく転換する可能性を秘めている、という視点は考えられるかもしれないでしょう。
UH-1の後継機としてUH-60を一時導入したのですが結局は並行調達となり、今に至るのは広く知られているところですが、UH-1の戦闘行動半径を見ますとほぼ方面隊管区内の飛行、西部方面隊管区の南西諸島と東部方面隊管区の小笠原諸島は少々広大すぎますが、これを例外とすれば管内に収まっています。
戦術的な必要性、協同運用上の必要性から自衛隊がS-97やV-280に同等の航空機を導入した場合、2030年代の話として、方面隊の管区を大きく超えて行動半径を得る事となります。これこそ統合機動防衛力、自衛隊の求める方面隊管区を越えた運用、と言えばそれまでですが、他方で航空装備の高性能化が、方面隊管区の在り方そのものを転換させる端緒ともなり得るかもしれませんね。
北大路機関:はるな
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Ka-5X+シャイアン(AH-64に成り損なった何か)な姿に思わず眩暈を覚えた次第
V-22と言い回天翼機は固定翼機に近付くことで活路を見出さんとする傾向益々大と実感
行き詰った「戦闘ヘリコプタ(バトコプター)」の明日を拓けるか見守ろうとも思われ
否定的な意見でも論理的に成立していれば文章として成り立ちますが、まずこの人はブログの趣旨を全く理解していません。そしてこの人の投稿文は売国(愛国でない)左翼特有の文章の幼稚さが目立ちます。
まるで軍隊=悪い物のように信じ込んでいるようです、ここまで行くと妖しい宗教にはまっている人と同レベルだと感じます。
おそらく、小中学生時代に受けた日教組全盛期の自虐史観教育で塗りかためられた反日思想から、抜けられぬまま大人になってしまったのでしょう。
たぶんこの人はここ数年で、周りの日本人がどんどん目醒めてしまい、仲間内での会話でも頻繁に中国の危険な帝国主義的膨張主義の話題が出るようになったので、いまだに自虐史観でお花畑のままの自分の行動原理で世界を見ているので、ここ最近日本国が中国からの侵略戦争に備えるために国防を強化している事に恐怖を感じているようです。
つまり、これは別の状況に置き換えると「家の周りに刃物を持った泥棒が毎日ウロウロしだして、いつ不法侵入されるかわからないのでセ〇ムやア〇ソックに警備を頼み、自分自身も家族(国民)を守るために自衛用の武器を揃えだしたら、その様子を見ていた泥棒が言います。「右傾化だー右傾化だーすぐに武器を捨てて無防備になれー。」とね。
↑これがいまの日本国を取り巻く状況のデフォルメです
「市民の目」さんはきっと刷り込まれた自虐史観の中で感じる必要の無い罪悪感を感じて来たんでしょう。
でもこの投稿見たら回心するんじゃないかなぁ。もうこう人には何言っても無駄かな。
管理人さん。「市民の目」というハンドルネームの方は明らかにこのブログを攻撃するためにここ訪れ、そして皆が有益な国防論議をかわしていても見当はずれな事ばかり口を挟み、このままでは、この素晴らしいブログの価値が半減してしまいます。
管理人さんに裁量権はありますので、ご自由にして頂ければ良いのですが、私はこのサイト愛用者としてこの人物をアクセス禁止にしてほしいと強く願っています。
以上です。