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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【防衛情報】韓国未来のK-2戦車改良型とトルコアルタイ主力戦車エンジン,タイ陸軍中国製VT-4主力戦車増強

2023-12-19 20:06:23 | 先端軍事テクノロジー
■防衛フォーラム
 戦車について日本には耳の痛い話ばかりを厳選して纏めてみました構図です。

 韓国のヒュンダイロテム社は韓国防衛産業展ADEX 2023 においてK-2戦車改良型のイメージモックアップを発表しました。展示されたのは縮小模型となっていますが、韓国国内メディアによればK-3戦車と呼称されているものです、ヒュンダイロテム社はK-2改良型と称しており、今回もNext-Gen-MBT,次世代戦車として発表しています。

 Next-Gen-MBT次世代戦車のイメージモックアップは、しかしK-2戦車との共通要素はなく全くの新規開発である特徴を備え、車体部分は基本的配置こそ従来型を踏襲していますが後方機関部の区画が極小化されていて、パワーパックに高効率で小型のエンジン搭載を指向している点が見て取れ、また履帯はゴム履帯を採用する。砲塔は未来的だ。

 砲塔部分は楔形複合装甲の先から長大な戦車砲がのぞき、また車体には対戦車ミサイルを内蔵し、無人機攪乱能力を連装した遠隔操作式銃塔を備え、更に六角形のアクティヴ防護装置と思われるものを車体全周に向けて装着、球体状の360度視野型光学状況認識装置などを搭載するとのこと。イメージモックアップですが先端要素を集約した戦車でした。
■防衛フォーラム
 国産技術を一から構築するのは大変だけれども一旦完成させると民生分野への波及効果も大きい為に各国が必死です。

 トルコ国防省はアルタイ主力戦車用トルコ製パワーパックの改良型を発表しました。アルタイ主力戦車は韓国のヒュンダイロテム社の協力を受け開発された、韓国陸軍のK-2戦車トルコ軍仕様という装備でした。しかし、ヒュンダイロテム社は戦車用1500hpエンジンが韓国国内で開発が難航し、当初は暫定的な海外製エンジンを採用しています。

 アルタイ戦車の課題は、トルコの人権問題などからある対戦車へ当初搭載するとされていたドイツのMTU社製エンジンやレンク社製変速機の輸出をドイツ政府が反対し、韓国が漸く国産化に成功したエンジンなどパワーパックを搭載していましたが、供給が不安定であるとしてトルコが独自開発、その性能は暫定的な水準にとどまっていました。

 BATUプロジェクトとしてトルコの防衛産業が総力を挙げて共同開発したエンジンは1500hpの出力と4600Nmの回転数を確保しており、韓国から導入しているDV27KエンジンとEST15K変速機を搭載したアルタイ戦車との競合試験が2023年内にも開始されるとのこと。トルコ製エンジンが一定以上の評価を得た場合、250両に搭載されます。
■防衛フォーラム
 日本の戦車は減る一方ですが東南アジアでは一気に第三世代戦車への世代交代といいますかこれまで主力戦車が無かったところにも配備されている。

 タイ陸軍は9月28日、新型のVT-4主力戦車追加分を受領しました。VT-4は中国の中国北方工業公司ノリンコと内蒙古第一機械集団が開発した輸出用戦車であり、人民解放軍へ配備されている90Ⅱ式戦車をもとにMBT-3000計画として2010年代に開発されたもの、輸出用としてタイ陸軍が2017年に28両を採用、このほど追加分が納入されたもの。

 VT-4主力戦車は戦闘重量52t、複合装甲と1200hpエンジンに125㎜滑腔砲を採用しており、第三世代戦車に区分されるもの。装甲には追加装甲としてリアクティヴアーマーとアクティヴ防護装置の搭載が可能となっています。タイ陸軍への採用のほかにパキスタンとナイジェリア軍にも採用され、ともに2020年から納入が開始され実戦投入も為された。

 中国からの追加調達は5両、何れも第6歩兵師団第21騎兵大隊へ納入されています。タイは冷戦時代から63式戦車などを友好価格により取得しており、VT-4主力戦車も10両が5800万ドル、現在の為替レートでは一両当たり8億6900万円で取得しています。騎兵大隊の戦車定数は35両で、今後は第3騎兵師団へもVT-4を配備する計画があります。
■防衛フォーラム
 これ90式戦車と比較してみると性能はかなり踏み込んだ水準ではあるんですがなにより費用も決して安くはないのですよね。

 タイ陸軍は新たに第3騎兵師団への中国製VT-4主力戦車の配備を開始しました。タイ陸軍は第6歩兵師団への増強などこのところVT-4の増強が大車輪で進んでいます。配備が開始されたのは第3騎兵師団第6騎兵連隊第6大隊に対してで、配備された駐屯地はソムデット・プラ・プッタ・ヨット・ファ・チュラローク・ザ・グレート兵営とのこと。

 ソムデット・プラ・プッタ・ヨット・ファ・チュラローク・ザ・グレート兵営はローイエット県に所在し陸軍第2軍管区の管内となっているところで、タイ陸軍は近年、長年の懸案となっていたカンボジアとの国境問題やクーデターによる騒擾が続くミャンマーからの影響に対処すべく、国境地域の警戒監視能力強化へ主力戦車の増強を継続しています。

 VT-4主力戦車は中国製戦車ですが90Ⅱ式戦車を原型とした第三世代戦車であり、大陸軍は9月からの一か月間に中国から17両のVT-4を導入、タイ陸軍全体では64両が装備されています。そして従来第三世代戦車を有してこなかったタイでは近年VT-4戦車の運用により戦車が再評価され、最終的に150両以上の戦車を導入する検討も為されているもよう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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