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C-130HとC-130Rの統合運用部隊を常設すべきだ!イタリアF-35B縦割り行政からの教訓

2022-10-18 07:00:44 | 国際・政治
■その先にF-35B統合運用見据え
 軍隊というものは何時の時代もお役所であることは不変なのですが一見非合理に見えるものがある。

 空輸部隊こそ統合任務部隊を常設するべきではないか、海上自衛隊がC-130R輸送機を運用し航空自衛隊もC-130H輸送機を運用する、同じ機種とはR型とH型で微妙に異なることは確かなのですが、同系統の航空機であることは確かです、海上自衛隊のC-130R輸送機は再生航空機であり、一概に比較することはできないのですが同じC-130輸送機なのです。

 常設統合任務部隊、防衛省に輸送調整司令部を置き、必要な輸送任務は陸海空の垣根無く行う。この必要性を感じたのは、イタリア軍のF-35B戦闘機配備計画を聞いたためでした、イタリア軍はF-35戦闘機を導入します、それもF-35A戦闘機とともに短距離離着陸能力をもつF-35B戦闘機も導入するのですが、配備計画は海軍と空軍が同数を別々に、という。

 イタリアのF-35B戦闘機導入計画は30機、しかし空軍と海軍のどちらかが包括して装備するのではなく、海軍航空隊と空軍がそれぞれ15機、配備します。海軍は当然のように空母カブールの艦載機として運用する計画なのですが、空軍は基本的に艦上運用を考えていないといい、空軍は独自の緊急展開部隊構想があり、ここに滑走路不要のF-35Bをあてる。

 C-130J輸送機とF-35B戦闘機、イタリア空軍は滑走路がほとんど整備されていない前線飛行場から運用できる二つの機種の航空機により、欧州や中東とアフリカや場合によっては更に遠いインド太平洋地域への緊急展開能力を整備する構想があり、このために必要、という方針を示しています。そして海軍と空軍、所属も別々ならば配備する基地も別々です。

 自衛隊は航空と海上、C-130HとC-130Rの統合運用部隊を常設するべき、この指針は先ず自衛隊の陸海空の垣根を越えて運用する組織を置くことで、将来的に配備される航空自衛隊のF-35B戦闘機、配備開始は2024年なのでまさにもうまもなくという状況にあるF-35Bをイタリアのように縦割り行政の弊害とせぬよう、まず前例を作る必要がある為だ。

 航空自衛隊はF-35B戦闘機の運用として南西方面有事における南西諸島、沖縄県と鹿児島県島嶼部での離島飛行場を活用し、主要基地がミサイル攻撃により機能不随に陥った場合でも防空基盤を維持する方針を示しています。対して海上自衛隊は、いずも型ヘリコプター搭載護衛艦からの運用を重視している、ここに同床異夢の可能性があるのですよね。

 いずも型護衛艦は海上自衛隊の骨幹戦力であり、多くの予算を投じてF-35B搭載改修を進めています。一方で航空自衛隊はF-35Bを艦上に常設配備する計画はないとしています、これは当初、政治的に"航空母艦を装備して周辺国に脅威を与えない"という対外的な発言と考えていたのですが、そうではなく本気で手放さないと、考えているのかもしれません。

 航空自衛隊から考えた場合、離島などの代替滑走路の延長線上に護衛艦の飛行甲板をみており、護衛艦での運用は行うが、南西方面地域からF-35Bを離す考えはない、こう構想している可能性があるのです。そこでより上の防衛省の統合運用として、先ずC-130から、続いてF-35Bを統合運用するための基盤を、今からでも考えるべきではないでしょうか。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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