■鶴舞古書店街
名古屋は、人口が200万を越え、都市規模としてはパリに匹敵する大都市であり、また名古屋大学や南山大学などの大学も多く、学究の徒が循環させる古書も豊富である。
古書店街の掘り出し物、筆頭はなんとジェーン航空年鑑。世界中で用いられている航空機を扱った年鑑で、百年以上の歴史を誇る世界で最も権威ある年鑑といわれる(万一これよりも凄いものがあればご教授いただきたい程だ!!)。陸戦装備年鑑や海軍年鑑、軍事車輌年鑑に果ては化学防護装備年鑑まで多くがあり、しかし価格が邦貨で十万近く、とても手が出せるものではない古いが原価は多分25000円はしたのではないかな。これが3150円。掘り出したものである。見つけたのは合流したYAMATO氏で、更に所用あるYAMATO氏には重かったので小生が調達。
この大きな獲物があったのが、アーケードから出たすぐのところにある古本屋“ネットワーク”。店内は音楽関係と軍事関係に分かれている。古書店街は地下鉄鶴舞駅から大須に程近い上前津駅までの間、古書店が21軒(東海三県の古本屋案内本に掲載、しかしこの内一軒は残念ながら閉店、実質は20?)が間隔を開けて並んでおり、雨天であった為この内6軒しか回れなかったことが残念。鶴舞へは中央線鶴舞駅から、または地下鉄鶴舞駅の六番出口から出るとすぐである。
ネットワーク、凄い!もう一つの掘り出し物は、切抜きが1~7箇所あるということで破損本扱いの“世界の艦船”、創刊号から28号まで28冊がなんと1000円!。創刊号は1957年9月号であるから本当に古書というべきものである。この他、一冊百円で航空ファンや世界の艦船がズラッと並んでいる。買い占めたいので教えたくないのだが、小生自身、このブログの参考資料など古本で買い集めたので、こうした情報は共有知としなければならないと思い掲載。
学術書、この充実が鶴舞の特色である。小生の専門は国際行政学、その国際政治分野の消極的安全保障論、その中で軍備管理論である。そうした書籍は京大の百万遍古書店街(三軒まで激減、ただし、やや離れた銀閣寺道に竹岡書店本店)には入手できないので、鶴舞に展開した次第である。この中で今回は
最初に無計画にも世界の艦船28冊買って身動きが取れないので近場の幾つかの古書店を厳選して展開した。
歴史書関係は全般的に充実しているが、この他に技術書や哲学書も多いのがこの山星書店。奥行きが深い書店でここでは藤田久一先生編の“現代国際法入門改訂版(法律文化社1996)”を購入した。第一章の現代国際法の基本的性格の部分についてアプローチが興味深く、1000円とやや安価であった。国際法は様々な学説の基に体系があり、小生は田畑茂二郎先生のものを基調に学んだが多様な理論からアプローチする必要がある。
鶴舞で最も大きな古書店といえば、おそらく大学堂であろう。全集を含め相当な数があり、一つ入ってみる。実は日本国際問題研究所のものを探していたのだが、小生がこの前調達した佐藤栄一氏の著書が最後の一冊だったのか、無かった。そこで軍縮関係のものを調達。軍縮というと「貴殿の趣味の対象が減るのでは?」と色々な人に聞かれたが、専門は信頼醸成を介した軍備管理、坂本義和先生のように軍事力ありきの研究であり、適正戦力という概念を模索するものであるから大丈夫。
更に歩いて見つけた昨日の戦果。核兵器不拡散条約論、外交官が著したものだ。専門は通常兵器であるので核はやや脱線であるが、欧州通貨制度を学んだ際に、ECU導入には欧州頭越しの米ソ戦略核兵器削減交渉があったという事実があり、核兵器の管理というわが国の軍縮研究の最先進分野からアプローチする意義もある。更にもう一冊は“核時代の軍備と軍縮”ストックホルム国際平和研究所の出したもので“発掘”し購入した。
■上前津駅と大須商店街
天気が良ければ鶴舞から上前津にそのまま歩き、地下にある軍事関係がやや充実した古本屋や、クラシック音楽の資料や戦史が充実した店を廻るのだが、なにしろ雨天。
鶴舞駅から地下鉄で上前津駅へ、600円で土日用地下鉄一日券を買ったのでこの距離でも地下鉄を利用する。海星堂書店。実は“核時代の軍備と軍縮”はここで調達。近代史を中心に日本史、各国史の文献、そして映画などの芸術史などの書籍が置かれている。この他通りの向かい側には映画のパンフと軍事関係の書籍がこれでもかというほど充実した支店(向こうが本店かも)がある。まあ、いかがわしい本もあるけどね。
東京マルイの陸自89式ユーザーへお知らせ!ここの四階に89式用のマガジンパウチ在庫あり!一本用と二本用で10個くらいまだあった。知り合いで89式持っている方も中々パウチが入手できず、仕方なくM16用のパウチを使用している方も多い。小生は随分前に秋葉原のエチゴヤで調達。あそこより400円くらい高かったが、そもそもSWATシステムの色だけ陸自仕様しか入手できない中で在庫のある店は貴重である。小生は別のもの探してたんだけど肝心のものは見つからず。残念。
20世紀フォックスの期間限定戦争映画アルティメットシリーズ
と“蒼穹のファフナー”か“ARIA The NATURAL”の中古DVDを探し、大須赤門の電気街を歩いたが、価格がまだ高く断念。気を取り直してイルミネーションのある商店街を歩く。いよいよクリスマス商戦の様相を呈している。写真は万松寺。ここにはその向かい側に第一アメ横ビルがあり、電気関係のものや家電、ブランド物からヲタ向け商品まで揃っており、自作PCを組んだ友人などは「やはり買い物は此処に限る!」とコメント。
名古屋の繁華街は、小生の知るところではブランド系を取り揃えた栄、そして名鉄・近鉄・高島屋・松坂屋により賑わう名駅と親しみをこめてこの庶民の町というべき大須があり栄にはまんだらけ、とらのあな、イエローサブマリン。名駅にはアニメイト、メロンブックスがあり、大須にはもともとの電気街ならではのヲタショップと栄より移ってきたゲーマーズなどが所在する。
大須商店街にはミリタリーファン向けの中田商店系“今井商店”があり、現用装備にてビシッと決めたい方から、カジュアルに迷彩服を着こなしたい人まで賑わっている。ホルスターやガスマスクケース、フィールドバックからヘルメット、果てはボディーアーマーの実物まで取り揃えることが出来る。
この白雪稲荷は、その昔、貧しい甘酒屋が悪い狐に騙されて甘酒を全てただで飲まれてしまい、困ったところを気の毒に思ったお稲荷様が助け、その後まで甘酒屋を守ったといういわれがある。今回は
自己責任で重い荷物を背負い大須界隈の名古屋を歩いたが、名古屋、中々奥の深い街である。
HARUNA
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