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【日曜特集】岐阜基地航空祭2014【2】岐阜第一回大編隊と空中給油展示(2014-11-23)

2018-05-20 20:01:10 | 航空自衛隊 装備名鑑
■岐阜基地,迫力飛行展示開幕!
 岐阜基地航空祭2014、航空祭飛行展示はいよいよ開幕です、逆光ですが北側メイン会場からその迫力の様相を写真にてお伝えします。

 岐阜基地にはF-2戦闘機、F-15戦闘機、F-4EJ改戦闘機、F-4EJ戦闘機、T-7練習機、T-4練習機、C-1輸送機、C-2輸送機、と様々な機種が揃っています。そして評価試験を担い搭載するミサイルも新型が多く、また電子妨害機材や情報収集機材も新型、が揃う。

 最新鋭機というほかにもいままでに配備されていない概念の装備品、レーザーでミサイルを妨害し機体を防護する装備や弾道ミサイルを長距離から赤外線で航空機から探知する機材、超音速で超低空を巡航飛行し航空母艦はじめ重要目標を撃破する装備など、並びます。

 自衛隊を知るにはこの岐阜基地をしっかりとみておくことで理解できる部分が多くなります。航空機にさりげなく搭載されていまして、整備員さんに質問してみますと、笑顔でお気づきですね、と楽しい会話を楽しめます。実戦部隊にない朗らかな航空祭ともいえる。

 飛行展示も洗練されていまして、輸送機を中心に大半の航空機が一つの編隊を組む異機種大編隊、という飛行展示が行われます。戦闘機と練習機の編隊というものはほかの基地でも組まれますが、自衛隊が運用する全種類の戦闘機が一つの編隊を組むのは岐阜基地のみ。

 異機種大編隊では自衛隊の全ての種類の戦闘機が加わりましてそこに練習機と輸送機も加わるのですから機種は凄いことになる、その展示で岐阜航空祭は有名となりました。昨今では様々な基地でも異機種大編隊が有名となりましたが、元祖は岐阜というべきでしょう。

 那覇基地等は海上自衛隊のP-3C哨戒機や航空自衛隊のE-2C早期警戒機がF-15戦闘機と編隊を組む。また航空自衛隊のT-4練習機と陸上自衛隊のLR-2連絡偵察機が編隊を組み、話題となっています。追いつかれつつありますが、それ以上に昔の岐阜はもっと凄かった。

 一昔の岐阜基地はT33練習機やF104戦闘機がF15戦闘機やT2練習機と大編隊を組んでいまして、そのころと比べれば岐阜基地航空祭も大人しくなった、という印象です。昔はもっと凄かった、という定番の言い回しですが、そのころから有名であったわけですね。

 最新鋭と最古参がともに、最新航空機の技術と性能を最大限発揮するべく、最古参の航空機が第一線に伍することができるよう、将来の航空防衛へ評価試験を行う、それが飛行開発実験団であるわけです。だからこそ、自衛隊の最新鋭へと毎年当方も撮影へと向かう。

 岐阜基地航空祭、岐阜基地の一般公開ですがこの航空祭は広大な岐阜基地の多くの場所が一般公開されますので、撮影場所によって撮影できる写真が全く違います。そして逆光でしか撮影できない場所もあれば、着陸後の場所でしか撮影できない場所、もあります。

 もちろん順光で撮影できる場所もありますし、航空機を間近にみることができる場所、飛行展示を真下から見上げる場所もあれば、少し離れてまとまった編隊飛行を撮影する場所もあります。全てをいいとこ取りする事は出来ません、そんな好立地は報道用にもない。

 航空祭はテーマを決めてそこから撮影位置を決める。どんな写真を撮影したいかによって撮影する場所も当然変わってきます、初めて撮影した年は1990年代でブルーインパルスがT2練習機を運用していた時代、毎年撮影するようになったのは2005年から撮っています。

 岐阜基地航空祭を最高立地から撮影しようと延々と撮影していますので、どこから撮影するのかは文字通り時間をかけて開拓しました。しかし、どこで撮っても数年経てみてみますと、いい写真が撮影できます、それだけにどこから撮影しようか、迷ってしまいますね。

 滑走路管制塔側のメイン会場は、すべての地上展示航空機が並び、基地司令と来賓もこちら側から観閲しますので、飛行展示はこのメイン会場から一番美しく見える角度で実施されます、模擬対地攻撃もこのメイン会場へ急降下してきますので迫力はかなりすごい。

 北側会場と呼ばれるメイン会場は、此処を中心に飛行展示する訳ですので、滑走路上を間近に飛行する編隊飛行も真南をそのままゆくのです。岐阜基地航空祭には多彩な地上展示航空機と装備品が並びますので、最新装備が並ぶこの場所を撮影しない手はありません。

 航空機を間近に感じる、見るのではなく感じることができるのもメイン会場の利点です。地上展示航空機へすぐ近くまで寄って、操縦席を見学することもできますが、それよりも滑走路にちかく、またエプロン地区には飛行展示に参加する航空機もずらりと並びます。

 操縦士に整備員と誘導員の機体が航空機として離陸し、そして着陸するまでの一連の様子を間近に見ることができる、それがメイン会場です。列機へ整備員が整列し点検、列線整備の雰囲気を感じられまして、エンジンの鼓動が大地と大気を震わせる臨場感を味わう。

 エンジンを稼働させた戦闘機、轟音と漂う燃料と潤滑油の香りとともに、風向き次第ではその熱気を感じる事も出来ます、そして誘導員に誘導とともに離陸へと順次動き出す戦闘機たち。航空祭へやってきた、という実感を得られるのが、このメイン会場なのですね。

 メイン会場は、しかし逆光です。逆光の航空機写真というのは寂しいというか、晴天がもったいない、曇天でも残念である。飛行展示を撮影しますと基本的に滑走路上を編隊飛行は航過しますので、晴天の航空祭では確実に逆光となってしまう。これは少々残念である。

 逆光の写真はこうした写真、というお手本のように機体は黒く潰れ空は灰色に写り、あたかも白黒のモノクロ写真のようで、これはもったいない、飛行開発実験団は各種新装備の評価試験や開発実験を行う部隊ですので評価試験用の色彩鮮やかな実験塗装で飛行します。

 逆光で写真を撮影しますと、飛行開発実験団にしか配備されていない、その深紅と純白の評価試験用塗装も逆光では真っ黒な影しか写りません。これはPLフィルター等を装着し多少改善するようですが、多少であり、逆光の立地から順光の条件で航空機撮影はできない。

 逆光のメイン会場ですが、しかし離陸する航空機を撮影するには最適です。滑走路から浮き上がったその瞬間を撮る、岐阜基地の南方には小山が連峰し、逆光でも離陸する航空機は背景に山肌を写し込むことで試験塗装機がわかるような写真には仕上がるのですよね。

 ただ、その撮影には最前列を確保する必要があります。そしてこの岐阜基地は自衛隊航空祭屈指の来場者数を誇りますので最前列への競争はものすごい。競争といっても比喩ではなく、過去の情景で開門前に並んだ一万数千の来場者が一斉に最前列へ走り込むのですね。

 正門、北門、新北門から一斉スタート、別名岐阜基地マラソンといわれているほどのもの。勿論、大荷物と云いますか撮影器材を背負って走る事は非常に危険ですので走らないよう注意は様々な場所に示されています。近年は基地を一度に全域開放しないようしました。

 最前列からの写真は逆光といっても、列線整備の様子を撮影でき、搭乗員の乗り込む様子から離陸と着陸まで一通り最良の条件で撮影できます、この為に飛行展示が真っ黒になる事は残念ですが、この場所はなかなか人気のある撮影位置です。しかし撮影場所は多い。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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