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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

世界大戦の危機-一年前の今日,ロシア軍が隣国ウクライナへ全面侵攻しました-ロシアウクライナ戦争開戦一年

2023-02-24 07:00:08 | 国際・政治
■世界危機は二年目に
 ほんの一年前ですが、一年前の今日始まった戦争は第三次世界大戦への導火線上において激しい火力の応酬を続けています。

 本日はロシア軍ウクライナ侵攻開始から一年目となる日です。しかし、戦闘は拡大しており、ウクライナ東部において攻勢に出ている状況で、戦闘の長期化は年単位となり、懸念する今後の展開としては、今回ロシア軍は一定程度の弾薬や装甲車両の補填を待って東部での再攻勢に出た構図ですが、この小康状態と攻勢が数年単位で繰り返される可能性です。

 クリミア侵攻の時点でG8先進八カ国の一員であったロシアはG8から除名されていますが、かりにロシア軍がウクライナにおいて停戦に応じたとして、直ぐに世界からの経済制裁が解除され、防衛交流が再開するとは思えず、要するにロシア海軍艦艇が日本に親善訪問し相互の交流を行う時代というものは、そう簡単に戻る事は無い過去の時代となりました。

 日本の安全保障において、もっとも難しい不確定要素は、ロシアという国家を日本の隣国としてどのように考えるか、という事です。日本はウクライナへの武器供与を行っていませんが、それならばロシアから見た場合で日本は中立国という位置づけや頼れる講和仲介国になるのかと問われれば、経済制裁に参加している時点で日本は敵対勢力扱いでしょう。

 日ロ関係をどのように見るかで、日本の安全保障政策は根本から異なります。これは冷戦時代のような北海道への重戦力による着上陸の蓋然性が、切迫する程の状況で推移するようなことは当面ないのかもしれませんが、日本の安全保障は南西シフト、として冷戦時代の防衛力を南西方面へ向ける事で対応していた、その前提が崩れる事を意味している。

 北海道、日本から見た場合にロシアウクライナ戦争が及ぼす問題は、この戦争によりロシア軍が停戦後どのくらいの期間で再度北海道へ脅威を及ぼす程度に戦力を再興するか、という問題ではなく、今回の戦争に置いて使われていない戦力を地域紛争において表に出す、状況です。使われていない戦力とは、核戦力による恫喝、というものはもっともおおきい。

 新しい時代に突入し、進んだ時計の針を戻す事は出来ない、我が国で認識しなければならないのはこの事実であり、欧州ではNATOを中心にウクライナ支援を進めると並行してロシア軍の侵攻に警戒している状況ですが、それは遠い欧州の話というものではなく、ロシアは日本の隣国であり、脅威が及ぶ可能性という現実も、直視するべきなのでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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