北大路機関

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【土曜詳報】オタワHMCS-OTTAWA舞鶴親善訪問(5)艦内旅行記の回想録(2019-08-24)

2020-06-27 20:00:21 | 世界の艦艇
■舞鶴基地のカナダ艦
 今回のカナダ海軍艦艇探訪は中々に世界の艦艇の設計思想の多様性を感じる事となりました。

 カナダ海軍艦艇、横須賀基地で観た事はあるのですが残念ながら一般公開は行われていませんでした。この為に、この北太平洋や北大西洋の氷海と大自然を背景に任務に当るカナダ統合軍海軍艦艇がどういうものであるか、という一点、非常に興味が在ったのです。

 露天艦橋、良く遠くが見えますがスコールと夜露に濡れ吹雪と雪風には当然凍える。これはイギリス設計の護衛駆逐艦や艦隊駆逐艦を採用したアメリカ海軍では寒すぎて暑すぎて濡れ過ぎて痛い、と不評だったといいますので、中間をとった構図なのでしょうか、ね。

 カナダ艦。艦内通信網を構成するテレトークは、伝声管が既に有りません。と、いいたいところですが、護衛艦でも伝声管が残っていたのは護衛艦あさぎり型までですので、テレトークは基本です、ただ、テレトークが電子端末を兼ねた小型複合機となっていました。

 テレトークが電子端末を兼ねた小型複合機、一般公開区画だけでも、数カ所で採用されていまして、ダメージコントロールなど一秒二秒をあらそう状況では伝声よりも文字情報のほうが共有がはやい、という認識なのでしょうか、このあたりに意識の違いを感じます。

 艦橋先進国カナダの面白い部分をもう一つ。艦内、ヘリコプター格納庫にロードレーサーが大量に保管されていました、ヘリコプターを搭載していませんので自転車格納庫、という構図でしょうか、壁に旨く収納されていたのですが、それも高級品ばかり数も多い。

 自衛隊の公用車と称したママチャリとは雲泥の差というものですが、注目はその機能的な収納方法だ。これを筆頭にダメコン用具などは定位置に積み重ねているわけではありませんが機能的にはめ込んでいます。何処か見覚えがあると思えばイングリッシュガーデンだ。

 実はこの部分艦橋基部の通路にあったのですが遮光幕で覆われていまして、特別に少しだけ覗かせてもらいました。空気を読む大切さというところでしょうは、センシティヴなところは写真を撮らないようしていますと、特別に見せてくれるものがある、という優しさ。

 艦橋には機銃弾薬や応急資材なども巧く無駄のなく配置され、特に全員分の戦闘防弾チョッキとケブラー鉄帽が、積まれるのではなく一つ一つ並んでいました。まさか並べて防弾用でもないでしょうが、収納上手な部分はイギリス艦を思いだし、さすがは英連邦という。

 さて。写真はゆっくり掲載できましたが、実はこの日見学待ちの行列は延々と並んでいました。カナダ海軍の規則ではゲストは同時に40名程度まで、との内規があるようで、今回の舞鶴一般公開は20名一組の来艦者にエスコートのオフィサーが一名、という事という。

 20名にオフィサー一名、その見学者が同時に2組、そして全体で概ね40名がゲスト、という構図でした。電車の都合があって東舞鶴は九時過ぎの到着、行列に並んだのは0945時、という状況でしたが案外並んだ、オタワ舷門に至ったのは1123時でした、暑かったよ。

 開門から考えても結構待ったのですが、他の方に聞いてみますと基本2時間待ちといわれたようですので、若干当方は早めに並んだのはよかった、ということでしょうか。しかし良く見ればスーパーバード衛星通信アンテナが動いていた、本国と通信していたのかも。

 スーパーバード衛星通信アンテナが動いていた事に気付いたのは、暫くすると乗艦者が同時に三組程といいますか、直射日光の当たらない位置へ少し多くの来艦者を誘導していたようにみえたのです。余りに多くの来場者を統合軍司令部へ報告し融通利かせたのかな。

 舞鶴基地はなかなかの活況ではありましたが、この他に護衛艦一般公開も行われていまして、海上自衛隊が有する岸壁では最もその総延長の長大な北吸岸壁をもう少し散策してみることとしました。中々に暑い一日ですが湿度はそれほどでもなく、水分補給しつつ、ね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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