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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ロシア軍イラン製弾道ミサイル使用懸念-考え得るウクライナへのATACMSや広域防空システム供与の現実化

2022-11-27 07:00:33 | 国際・政治
■臨時情報-ウクライナ情勢
 ウクライナへロシアが撃ちこんだミサイルは4500発との事ですので自衛隊の迎撃ミサイル備蓄の目安となるでしょう。

 ロシアへイランが無人航空機に続いて弾道ミサイルを提供する可能性が危惧されていますが、この問題はミサイルを越え、次の領域まで問題を拡大する可能性があります。まず今回イランがロシアに供給すると考えられているミサイルの酒類です、ウクライナ領内の攻撃に絞れば短距離弾道弾と准中距離弾道弾以上のミサイルをロシアは必要としていません。

 イスカンデル弾道ミサイルなど、ロシアは多数の短距離弾道弾を装備していましたが、これがすでに払底している状況故にイラン製ミサイルを代替装備の選択肢に含めた構図です。対してウクライナ軍は弾道ミサイルを迎撃する手段はS-300ミサイルのみ、しかも准中距離弾道弾迎撃に対応する世代のS-300はすでに枯渇している可能性が、たかいのですね。

 ポーランドへのS-300ミサイル落下事件は整備されたS-300の在庫枯渇を示唆するものともいえるものです。すると、SAMP/T地対空ミサイルやペトリオットPAC-3地対空ミサイルのような弾道ミサイル迎撃能力を有するミサイルを欧州やアメリカが供給するか、もしくはATACMS陸軍戦術ロケットのような、策源地攻撃を行う対抗手段を供与するか、と。

 ペトリオットミサイルは今回まだウクライナへ供与されていないため、アメリカの対外供与を考えれば備蓄としては枯渇状態にはありません、ただ、システムは高度であり防空システムとの連接が必要な装備です。SAMP/Tについては高度な地対空ミサイルですが、生産数が限られているため供与のための余剰がないのが実状というところ。すると消去法で。

 ATACMSの供与、バイデン大統領はこれまで一貫して、ウクライナへロシア本土を攻撃できる装備は供給しない、としており供与したHIMARS高機動ロケットシステムにもGMLRSという射程80kmのものまでしか供与していませんが、ATACMSは射程300kmあり、イランが供与の短距離弾道弾であれば最前線からATACMSにより反撃は可能です。

 キエフなど後方地域に対してロシア軍はミサイル攻撃を強化していますが、短距離弾道弾はATACMSよりも射程は長い、しかしHIMARSに搭載したAIACMSはキエフから反撃するのではなくウクライナ東部から反撃に用いるならば射程の差は問題ではなくなります。一方で、ATACMSはクリミア半島のロシア軍セバストポリ基地も射程に収めている。

 人道危機、問題はウクライナへのロシア軍ミサイル攻撃が開戦から半年間は後方のキエフやハリコフ地域では民間施設などに相当数命中していたものの軍事施設を中心が主たる目標であったのに対して、この数ヶ月は電力施設などインフラ攻撃に重点が置かれ、厳しい冬を前に人道危機の懸念がある、このためにミサイル攻撃を看過できないという点です。

 イランや北朝鮮からロシアが武器を買いあさるとは、これはもう、一年前には冗談でも信じてもらえないものだったのでしょうが、仮にロシアが無人航空機に加えて弾道ミサイルを調達しウクライナを攻撃するのであれば、これは別の問題、ATACMS供与やペトリオットミサイル供与、後者はNATOの教育訓練支援強化なども含む、問題を拡大しています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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