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【京都幕間旅情】妙蓮寺,静けさ包む十六羅漢石庭-上京区の寺社仏閣はSAMURAI-GI戦国自衛隊の舞台

2023-09-13 20:23:45 | 写真
■上京区は歴史散策
 寺社仏閣を拝観する際に文化財や風景と歴史も大切ですが静けさというものも実のところ情感の一つとおもう。

 妙蓮寺、鎌倉時代の寺院ですがご承知の通り応仁の乱で洛中一円の建築物は悉く焼失していまして、天文法華の乱により日蓮宗などの寺院は再度破壊されている。故に豊臣秀吉の時代以降の建物、火災により江戸時代に再建された建物が並んでいるという実情です。

 十六羅漢石庭など、新しいとはいえ拝観の際に巡ってゆきますと、それでももう少し観光客といいますか、拝観者が居て賑わっていてもよいように思えるのです。現代日本は政教分離が徹底され、寺院は自ら維持するべく努力しなければなりません、これは簡単でない。

 てんぷるっ!、という寺院が困窮しつつ廃寺とならないための道を模索する若者たちの努力と苦闘を描いた作品があり、昨今アニメ化されてBS-211などで放映されているところですが、寺院への拝観料というのは、これは重要であり、しかし上京区全体が静かだ。

 上京区というのは、もう少し観光客が溢れていてもいいのになあ、こう思うのです。観光客が溢れ市民はバスにも乗れず飲食店は軒並み観光地価格となりコーラ一本買うにも難渋する、NHKの京都に関する話題はこういう印象を与えているようにもみえてしまう。

 寺之内通は、その名の通り歴史ある寺院が並ぶところですが、ほぼほぼ観光客は見かけません。こうして妙蓮寺さんを拝観しました際にも建築学科の学生さんがひとり拝観に来ていただけ、拝観者への対応は実に丁寧で、拝観料を収めますと寺務員さんの案内付き。

 戦国自衛隊、妙蓮寺という寺の名前は劇画の妙蓮寺をご覧の方にはよく知られているのではないかな、と思うのです。戦国自衛隊といえば千葉チャン主演の角川映画、アメリカではSAMURAI-GIとして有名になりました、時折当たりのある邦画の一つという感じ。

 SAMURAI-GIの戦国自衛隊も面白いのですが、映画の方は兵站その他を考えずにぱあっと仕掛けてあっという間に消耗してあっけなく全滅するという、ファンタジーなめんな系作品として知られる、要するに相手を見くびって逆に高度な近代装備が負けるという。

 半村良先生、日本の怪奇系SF小説大家というべき、SFの大家といいますと小松左京御大の右に出る方は今なおいませんので、その半村良先生の原作である戦国自衛隊、初めて小説を手にした際にはあまりに薄い本なので驚きました、ただ、私は漫画版が先でした。

 田辺節雄先生の戦国自衛隊、この方は戦略列島とか地球0年とか、いろいろな作品を劇画で著されていまして、インターネット普及以前によくぞここまで、という現用兵器の描写で有名な方なのですが、妙蓮寺、実は田辺先生の戦国自衛隊では重要な舞台なのです。

 妙蓮寺の変、ネタバレはあまり好きではないのですが、漫画版の戦国自衛隊は上下二巻のしっかりと描かれている作品で、ソ連軍軍事圧力を背景に自衛隊最大規模の演習が行われる最中、中部方面隊と東部方面隊の境界線である新潟富山の県境から場面は始まる。

 伊庭義明三尉は普通科ではなく武器科の幹部として大量のトラックと警備の普通科班と武器科隊員たちとともにタイムスリップするために、兵站を重要視して戦いを進めてゆくのですが、最後に細川藤孝が謀反を起こし討たれる、それが妙蓮寺の変、というもの。

 SF愛好家には名前だけ知られている妙蓮寺さんなのですが、この通り実在の寺院でもあるのです。もちろん日蓮と戦国自衛隊にかかわりはないのですが、拝観としてSF作品を入り口に妙蓮寺へ歩み進めるというのも一つの出会いではないかな、ともおもうのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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