goo blog サービス終了のお知らせ 

北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【G7X撮影速報】桂駐屯地創設70周年記念行事(7)AH-1S対戦車ヘリコプター(2024-12-01)

2025-07-26 20:07:05 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■AH-1S対戦車ヘリコプター
 この一枚の中からAH-1Sを瞬時に見つけられた方はある種の才能が有ると思いますが実際問題至近距離でもAH-1Sは見つけにくい、AH-64Dは背景の山の稜線あたりから撃ってくる。

 桂駐屯地創設記念行事、この最終回はAH-1S対戦車ヘリコプターの地上展示のための飛来とそして装備品展示です。AH-1S対戦車ヘリコプターは1981年より導入が開始され陸上自衛隊航空打撃力の主柱として96機が富士重工においてライセンス生産されていますが。

 その後のAH-64D戦闘ヘリコプターの導入計画が、防衛費縮小の時代とともにミサイル防衛という当時の喫緊課題への対応に主軸を置いたため予算不足に陥り、その結果調達を維持することが出来ずAH-1Sそのものが陳腐化しているとともに。

 戦闘ヘリコプターというものが時代遅れ、つまり陳腐化、その評価を下されたことで区分ごと、無反動砲やロケット弾のように消えてゆく結果となりました。いまだ残っては居ますが、稼働率低下に見舞われていて、特に主たる対戦車装備が射程3750mのまま。

 BGM-71-TOW対戦車ミサイル、しかも有線誘導型では十分な任務遂行は難しく、既に過去の装備を維持しているという状況なのかもしれません。ただ、ロシアウクライナ戦争を契機にドイツとアメリカで脱戦闘ヘリコプターの気運があり。おれたちは間違ってない論が。

 戦況分析荒出ているのは理解していますが、対戦車ヘリコプターの大きな損耗は緒戦の一年間をフランスの元第4戦闘ヘリコプター連隊長を中心としたエアバスヘリコプターズ社による戦況分析があり。これは匍匐飛行をせず単に低空飛行していたものが損耗に。

 携行地対空ミサイルの格好の標的となったもので、23mm機銃弾に耐える装甲を持つ戦闘ヘリコプターがミサイルを発射できない林間を匍匐飛行した場合の生存性に結論を出したものでは無く、今後は無人機対処用に30mm機関砲が小型装甲車を含め普及してゆきます。

 こう考えられるなかにあって。30mm機関砲弾に耐えられるかが難しい現状では、かつてのような無敵、という存在ではないものの、スパイクNOLSのような射程20km級のミサイルがヘリコプター用に開発され、状況はかなり変わるように思うのですよね。

 機関砲を搭載した装甲車両を射程外から一方的に駆逐したのちに暴露した補給段列や車列に機関砲とロケット弾で刈り取るような運用を行う運用は、そもそも固定翼機の無人機では匍匐飛行が行えませんので、戦闘ヘリコプターでしか対応できないだろう、こう考える。

 ことSEAD防空制圧任務、航空自衛隊にはこの専門部隊がありませんし、この任務はMQ-9無人攻撃機でも難しく、いや155mm榴弾砲なら可能なのでしょうが。すると地上戦だけでなく対地攻撃そのものは砲兵がいなければ不可能という、航空機不要論となり。

 これは本末転倒です、ここに、ウクライナを見すぎて視野狭窄になっているのではないかと危惧し、安易に乗っかる自己弁護のような論理は不安を感じるのです。アメリカはAH-64E不要論は同時に早期警戒機不要論など錯乱の一環であるという認識が必要ですし。

 ドイツのEEC-665戦闘ヘリコプター廃止論は、維持費用をケチり過ぎた結果に稼働率が低下しすぎたという理由がありました、なにか引きこもり正当化論のように。他の国でも実例はあるもん、という考えは危険なのでは無いかと考えるのですね。

 このあたり、大量報復ドクトリンと柔軟反応ドクトリンの考え違いをせず、日本有事はヘリさえ飛べない全面戦争を念頭に反撃能力でも整備している最中、地域紛争では使えない装備に注力しているようで、ちょっと危惧してしまうのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【京都幕間旅情】榛名さんの... | トップ | 【京都発幕間旅情】榛名さん... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

陸海空自衛隊関連行事詳報」カテゴリの最新記事