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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【G3X撮影速報】小牧基地航空祭二〇二五【5】安全保障におけるリアリズム-明日の海の日を前に考える(2025-03-01)

2025-07-20 20:15:46 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■安全保障におけるリアリズム
 航空祭などの写真と共に連載のように尺を繋ぐ特集は。

 安全保障におけるリアリズム、これが難しい、リアリズムで自衛隊は必要だ、と言うところ、つまり二項対立で必要ないというものの存在もある程度想定したような議論在れば、どういった戦争を自衛隊が展開するのか、そのドクトリンまで踏み込むことが出来ず。

 結果、防衛政策は戦車や戦闘機や護衛艦の数、防衛費の金額と自衛官の人数、ここくらいでお茶を濁すしか無い、という問題に転じてしまうのだろうなあ、と。憲法を変えれば、と全部解決するのかと問われれば、それが可能ならば、となる訳ですね。

 そもそも今ほど政治無関心と大衆迎合主義が横行しファクトチェックさえ出来ずに陰謀論が流布され続ける状況にあって憲法制定権力を自ら決めて国民参加の上の憲法を制定できるのか、其処まで政治参加という時間というリソースを国民が出せるのかという問題に。

 事なかれ主義、モラトリアム、こういうまま、いや前例踏襲主義的のように安全保障が流れて要ってしまい、結果的に防衛力、必要な防衛力、必要というのは戦車の数や戦闘機の数では無く、それを算出する為の硬式に当るものが必要ということなのですから。

 日本が必要に迫られた場合に行う戦争を遂行するための軍事機構のグランドデザインとその遂行するために必要なマヌーバ能力や打撃力について考える入り口に立てないのだなあ、と。結局の所、防衛費の無駄という単語は、軍事力のグランドデザインの入り口にある憲法という問題をモラトリアムにより考えないようにしているという結果、がある。

 これは民主主義の結果として醸成されてしまっているのだなあ、と考えるのですね。他方で、防衛政策をかなりの部分官僚主導で考えていた時代は、どのようにでも出来る防衛力整備と、変な意固地のような制服組と内局の対立が、一つ背景にあった事は確かです。

 装備体系をゆがめていた時代が確かにあったわけですが、ここが現代では政治主導となっています現在において、依然としてNATOやアメリカなどでは装備体系と稼働率や装備定数の充足率などが明示されて議論のたたき台となる一方、自衛隊にも問題はある。

 自衛隊はたとえば護衛艦の艦隊編成くらいならば提示していますが、師団の装備定数など細かい部分を非開示としていて、議論しようにも足りているのか居ないのかさえ分からない、という実情が放置されているように思えてなりません。これでいいのか。

 政治主導としたにもかかわらず、つまりその場合は政治家を選ぶ国民に対して、必要な情報が出ていないと云うことは、ちょっとなあ、と思いつつ、手の内を敵に見せないという説明は同時に、ならば手の内を見せている国はどうなのかとなる。

 アメリカ軍やNATO軍は自衛隊にくらべれば脆弱な組織と云うことなのか、と言う素朴な疑問にも繋がってしまうのですよね。実態はブラックボックスそのものともいえまして。

 防衛力を金額だけで判断するのでも、法律の範囲内だけで判断するのではなく、これからの日本は、どういった周辺国の可能行動があるのかを冷静に分析した上で、国家というものをどのように維持してゆくのかという具体的な防衛政策が、必要です。

 実のところ、いずも入渠さえ中断しなければならないような状況が、この後に起こるかもしれない現段階で、国民主権のわが国では、防衛をブラックボックスとせず、民主国家の統治行為論の下で憲法を過度に意識せず、話し合う必要があると考えるのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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