北大路機関

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【土曜詳報】オタワHMCS-OTTAWA舞鶴親善訪問(7)艦橋旅行記への再訪(2019-08-24)

2020-08-01 20:01:04 | 世界の艦艇
■カナダ艦オタワ艦橋の再訪
 オタワ艦橋訪問は貴重なひと時でした。護衛艦の艦艇広報ではここ数年混雑緩和の為に艦橋が公開されないようになり久しい。私たちはこれをカンキョウ問題という。

 57mm艦砲を艦橋ダビットから眺める。護衛艦ですとこの大きさの艦の艦橋前には艦砲との間にいろいろアスロックランチャーかVLS垂直発射装置とCIWS高性能機関砲が並んでいるだけにいきなり艦砲が、というすっきりとした見晴らしの風景も不思議な気がします。

 艦橋左舷側にはテレトークが3機並びI-com製VHF無線機も置かれる。テレトーク、艦内通話装置のことですが、テレトークとともに漁船などと通信用の多周波数帯無線機として機能するのでしょうか、ある意味で誰何や警告、海洋法執行機関として必要なものですね。

 艦長席はパナソニック製タフブックがやはり置かれていた。艦長もノートパソコンで最新の情報を共有する、というものなのでしょうか。流石にCICは一般公開されていませんが、水上戦闘や対潜戦闘以外の平時任務はこれで情報確認しつつ目で見た方が良いのでしょう。

 海図は20インチ液晶ディスプレイ三機に表示されるとのこと。ディスプレイはアメリカのAYDIN社製、家電量販店でもあまり詳しく考えない当方、AYDIN社というメーカーを知らなかったのでカナダ製か、オランダ製か、そんな頓珍漢なことを聞いてしまいました。

 舵輪は健康ハンドルを取り付けたような機能的というかなんというか。OHペリー級ミサイルフリゲイトの操舵装置が、パチンコ台のハンドルみたい、とはよくいうところですが、失礼ですけれどもゲームセンターの子供向けドライブゲームのハンドルを思い出すもの。

 操舵装置周辺は右側に海図用ディスプレイと本体はアナログ計器など。スイッチ類などは角にタッチパネル化しますと咄嗟の時に指の感覚で追えない、という話を聞くのですが、アナログの極致といえる操舵系統のまわりは全てゆびの感触で覚えられる構図がよい。

 艦橋全景をみるとデジタルは奥側で窓側は古典的なアナログのもよう。要するにデジタルで確認する部署と目に見えるものは直接互換で感じ取って判断する部署とが任務区分している、という印象でした。目で見て船乗りとなれ、英連邦らしさ、といえるかもしれない。

 艦橋ダビットをでてみる、奥に見えるのは青葉山。青葉山は標高693mで展望台まで登山道もあるという、舞鶴市と福井県の大飯町とのあいだにそびえる。若狭三山の一つを形成しているのですが、青葉とききますと旧海軍強運の重巡洋艦青葉をおもいだしてしまう。

 チャートを用いる海図台はこの部分に必要に応じて折り畳みを展開する。海図というか紙チャートを相応に重視する海上自衛隊の護衛艦に見慣れますと一見不思議に思えるのですけれども、戦闘ではなく平時の法執行を考えればこれこそが機能的なのかもしれませんね。

 操舵装置周辺を海図用ディスプレイの側から眺める。しかしこれも海上自衛隊の大きな操舵装置を見慣れていますと、この大きさのもので良いのかな、という素朴な不安を感じてしまいます。いや、これも繰り返しになるが、OHペリー級よりは大きいのですけれども。

 艦橋手すりにはカラビナにボディーアーマーとヘルメットが並ぶ。即座に着用できるように、ということでしょうが、なにか自衛隊カンボジアPKOの際に監視塔が不意の射撃に備えて戦闘防弾チョッキを何枚も外周に並べ防弾板としていたのを思い出してしまいました。

 オタワ艦橋からドックに入る護衛艦ひゅうが一望、満載排水量19000tの全通飛行甲板型護衛艦です。ここからみると改めて大きい、カナダ海軍の方々には歴史の湊街は京都その日本海側の基地である舞鶴基地がどんな印象だったのか、もう少し聞いてみるべきでしたね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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