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ウクライナ情勢-EU欧州連合第十二次対ロシア経済制裁概要と激戦地アヴディイフカ・クピャンスク

2023-11-24 07:01:01 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ情勢
 砲兵火力の重要性を日本も認識すべきと何度でも考えさせられる。

 ロシア軍はヘルソン州でのウクライナ軍攻撃から主導権を取り戻そうと苦心している、ISWアメリカ戦争研究所11月14日付の戦況報告によれば、ロシア軍は東部戦線において複数個所での同時攻撃を行うことでウクライナ軍の南部戦線、ヘルソン州とザポリージャ州での攻撃部隊をウクライナ東部へ転戦を強要する圧力を試みています。

 アヴディイフカ南東1kmの地点、クピャンスクの東21km地点、バフムトの北西5km地点とバフムトの北西10km地点、ロシア軍が同時攻撃を加えたのはこの四か所としています。ただ、ウクライナ軍はヘルソン州でのドニエプル川渡河を継続しており、ロシア側の想定するような戦力分散は強要出来ず、逆にロシア軍が戦力分散しています。
■クピャンスク近郊
 旧式兵器でも保管装備の前線供給が続いていますロシアを見ていますと日本の場合はと考えてしまう。

 ロシア軍はクピャンスク近郊において若干の前進に成功した。ISWアメリカ戦争研究所11月15日付ウクライナ戦況報告が概況を発表しています。前進に成功したのはクピャンスクの南東20km付近の地域とスヴァトヴェの北西19km付近において。またロシア軍はバフムト周辺で砲兵火力を強化しており、新たな攻撃兆候の可能性があるとのこと。

 アヴディイフカ、もう一つの激戦地についてISWアメリカ戦争研究所によれば、ロシア軍はアヴディイフカ北方にある廃棄物投棄所付近の陣地を固めています、廃棄物投棄所は破壊された車両の揶揄ではなく既存施設で、小さな複数の丘陵地を形成していて、鉄くずなどに紛れることで戦車や装甲車をウクライナ無人機偵察から秘匿しているもよう。
■第十二次対ロシア経済制裁
 ロシア海軍艦艇の動きが最近日本周辺で鈍っている背景にはこういうことがあるのか。

 EU欧州連合は11月15日、第十二次対ロシア経済制裁の概要を発表しました。これによれば、溶接機械などの産業用工機と温度調節器、リチウム電池や小型モーターなどが輸出禁止となりました。産業用工機と温度調節器は製造や製鉄と金属加工などを行うロシア軍需産業に対する生産の一環で、軍用民生用を問わず規制対象となっています。

 無人航空機に必要なリチウム電池や小型モーターも規制されており、ロシアはイランのランセットドローンであるシャヘド136無人機をライセンス生産開始し、ウクライナ本土のインフラや穀物輸送船への攻撃に用いていますが、リチウム電池と小型モーターが無ければ飛行可能な無人機を製造することは難しく、第三国からの迂回輸入が必要です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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