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北大路機関

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【検証:JR北海道危機03】赤字路線を総合事業で黒字化したJR九州と北海道の多角事業

2017-03-06 22:11:39 | コラム
■鉄道会社の総合事業
 鉄道会社は鉄道網を利用した不動産事業や沿線開発と百貨店事業に観光業と多種多様な収入源を持つのは、例えば阪急電鉄や近畿日本鉄道等を見ますとよく分かりますが、JRは国鉄時代にそこまでの事業展開を求められませんでした。

 JR北海道の路線は新幹線148.8 km、幹線5路線1,327.9 km、地方交通線8路線1,075.3 kmで、総駅数は427駅、有人駅は102駅、無人駅325駅となっています。国鉄民営化後に新幹線1路線148.8 kmと在来線2路線90.4 kmを開業しています、在来線2路線は青函トンネル開通に伴う1988年の海峡線開業と、新千歳空港へと乗り入れる千歳線の二つ。

 黒字なのは千歳線と海峡線及び石勝線という僅か3路線ですが、この内の2路線はJR開業後に開設された路線です。北海道新幹線開業が新しい希望のように思われますが、現在開業しているのは新函館北斗駅までの区間です。函館は大都市の様に報じられますが人口では阪急沿線の茨木市と同程度、阪急沿線の西宮市よりも半分強、それ程大きくありません。

 それではJR北海道の経営における困難、特に前線廃線の利き、というほどの状況を前に一方で、JR九州の黒字転換の話題、2004年の鉄道完全黒字化と共に2016年のJR九州完全民営化と株式上場という明るい話題が重なりました、JR九州が経営努力により黒字へ転換し完全民営化したような行程を、JR北海道もたどる事は果たして可能なのでしょうか。

 九州旅客鉄道、JR九州は九州新幹線と九州地方の在来線を運行し、総営業キロ数は2,273.0 km、運営駅数は567駅に上ります。しかし、JR九州の特色は鉄道事業本体よりも関連グループによる黒字化を先行させまして、続いて観光事業や駅ビル開発を牽引車という形とした上での鉄道事業の黒字化へと繋げました。外食や観光に小売業とホテル等はばひろい。

 JR博多シティと小倉ターミナルビルに長崎ターミナルビルとJR大分シティおよび鹿児島ターミナルビル、JR九州ハウステンボスホテルホテルオークラJRハウステンボスを筆頭に観光開発も熱心で、JR九州ホテルズではブラッサム福岡、ブラッサム博多中央、ブラッサム新宿、ブラッサム大分、ブラッサム那覇、及びJR九州ホテルを五都市で営業中です。

 多角経営は此れだけに留まらず、九鉄工業による建設事業、JR九州高速船の船舶事業、JR九州ドラッグイレブンのドラッグストアやJR九州フードサービスとJR九州ファーストフーズの居酒屋チェーンなどの経営、はてはトランドールやJR九州ファームによる農業や介護事業を営むJR九州シニアライフサポート等といった実に幅広い事業を展開しています。

 しかし、多角経営という部分ではJR北海道も決して後れを取っている訳ではありません、北海道ジェイ・アール・サービスネットでの派遣労働事業や駅業務、旅行会社ジェイ・アール道東トラベルサービス、小売業では北海道キヨスクと北海道ジェイ・アール・フレッシュネス・リテール、観光業ではJR北海道ホテルズが道内に六軒のホテルを営業中です。

 JR北海道は自動車学校事業を行う札新開発や北海道ジェイ・アール・システム開発のコンピュータ関連事業に広告代理店としての北海道ジェイ・アール・エージェンシー、駅ビル運営を行う札幌駅総合開発や都市部高架線の不動産事業に特化した北海道ジェイ・アール都市開発、観光に必須のレンタカー事業もジェイアール北海道レンタリースが展開中です。

 “北海道のJR全線、3年後には運行不可能「JR北海道試算」報道の衝撃”そもそも観光開発と高く事業の面では、上掲のJR九州の場合でも幅広く展開しながら、鉄道事業は九州新幹線が部分開業が実現した2004年度に入り漸く営業損益が黒字に転換していますので、北海道については債務超過となるのが2019年度、残念ながら悠長に黒字化は待てません。

北大路機関:はるな くらま
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