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今津駐屯地創設62周年記念行事(2014-11-09)PowerShotG-16撮影速報

2014-11-09 23:53:48 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

◆雨天の戦車部隊創設記念行事

 今津駐屯地祭、昨年度は台風で中止となり二年ぶりの実施です。

Gimg_8115 今年度は今津駐屯地創設62周年、しかし昨年度の61周年は第10戦車大隊が縮小改編を目前とした節目の年という意味で、貴重な駐屯地祭でしたので、中止は非常に残念で、台風接近状況下では致し方ないとは思いつつ近江今津駅にて落胆したことを思い出しました。

Gimg_8129 初めて今津駐屯地祭に足を運んだのは9年前ですが、第3戦車大隊は3個戦車中隊、第10戦車大隊は戦車4個中隊編制、100両以上の戦車が配備され、加えて第3特科連隊第5大隊が火砲20門を並べていた、重火力の駐屯地という印象をもったもの。

Gimg_8136 しかし、特科連隊の特科隊縮小や戦車大隊の縮小が進み、他方で中部方面移動監視隊や中部方面無人偵察機隊とこれらを統合する中部方面情報隊の新設など、情報収集能力強化を正面に出した改編が数年間継続され、現在の体制に近づいて行ったことを思い出します。

Gimg_8140 情報優位は現代戦闘に重要な意味を持つのですが、火力の集中を実現する機動力と生存性を備えた装備体系というものの重要性を軽視しすぎますと、当たり前ではありますが情報優位を活かす軍事機構としての能力を発揮できません。

Gimg_8152 74式戦車は本年度で制式化40周年を迎えていまして、数年前までは遠からず10式戦車に置き換えられる、と言われていたのですが、現在では機動戦闘車に置き換えられるとの方針です、第三世代戦車に対抗可能な高初速砲弾を投射できず、路上機動力は大きいものの不整地突破能力に非常な不確定要素が残るもの。

Gimg_8157 もっとも、機動戦闘車は200両が戦車100両の代替として導入される計画ですので、将来的に第7師団所用の200両の戦車のみが維持され、機動戦闘車が装軌式で戦車砲を搭載可能な改良型が開発されたうえで更に増強され400両体制に展開する、ということは考えられるでしょう。

Gimg_8159  もとより、日本は有事の際に制空権と制海権を維持すれば上陸されたとしても敵は行動を継続できないという俗説を一部で側聞するのですが、沖縄戦やフィリピン攻防戦のような一定期間の戦闘継続可能な水準の兵力輸送は可能であるわけですし、現代戦は長期化すれば軍事的要素よりも政治的要素で不利となります。

Gimg_8163  一撃後の和平を企図して領土の切り取りを図る状況は、想定外として良いのか、早急に着王陸を受けても既成事実を構築する前に排除できる重装備を固めねば逆に侵攻を受ける危惧があり、自衛権先制行使を憲法上認められない我が国としては一撃を受けるほかないため、この視点が忘れられているようにも。

Gimg_8161 そんなことを考えつつも、本日は雨が、そして霞が視界を遮りました。実は雨具を完全に準備せず展開してしまいましたので、雨天には難渋しました。G-16とEOS-7Dを同時に操作し撮影したのですが、漏水を警戒しEOS50Dに装着された300MMF2.8は最後まで出番なし。

Gimg_8181 他方で雨天決行とされていましたし、戦闘職種の部隊は航空部隊を除けばよほどのことが無い限り雨天中止にはなりませんので、台風20号が南方で発生した際には若干焦りましたが太平洋上を抜けたため、天候が悪くとも行事は行われるだろう、と安心しつつ展開しました。

Gimg_81840 しかし計算外であったのは近江今津駅の長蛇の列、幸いシャトルバスの早い便に乗る事が出来たのですけれども、雨天ならば多少は来場者が減るだろう、という目論見があったのですが、なんといいますか、今津は京都大阪はもちろん名古屋からも近い、ということを再認識することに。

Gimg_8186 雨天ですのでカメラバックは袋に押し込み、傘が後ろの人に当たらないように、と気を付けつつ、観閲行進を撮影したのですが、最後の方は傘をたたんで移動することに、訓練展示は傘の隙間から撮影するよう移動し、工夫をいろいろと重ねた一日となりました次第です。

Gimg_8194  雨天、凄そうに見えるのですがかすんでいるためでして、雨量は大したことは無く、雨そのものよりも撮影には大きな支障になる風が吹いていなかったのが幸いです、風が強いと防滴器具があってもレンズに雨滴が張り付いて撮影不能になってしまいますから、ね。

Gimg_8189 ところで、この74式戦車、なんか10戦車のマークの後ろにちょっと違うマークが映っていないか、と。このマークを掲げたまま訓練展示にも参加していまして、自衛隊もお堅いだけの時代は終わり柔軟になったなあ、と妙に感心しつつ、帰路につきました。

北大路機関:はるな

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