報道されているように昨日日本時間1500時にチリ近海を震源として発生したマグニチュード8.8の大地震は、1960年のチリ津波と同じように太平洋を越えて日本列島に間もなく津波が到達するとして、気象庁は警戒を呼び掛けています。気象庁は北海道南西沖地震以来実に17年ぶりに大津波警報を発表し、警戒を呼び掛けています。
本日は500系新幹線東海道新幹線のぞみ運行引退の特集を行う予定でしたが、急遽予定を変更します。また、重ねてのお願いですが、新幹線の撮影名所として知られる浜名湖周辺の鉄橋部分や、富士山と富士川の美しい情景が撮影できる撮影ポイントで500系新幹線を撮影しようとされている方で、ノートPCや携帯電話で閲覧されている方へ、その場所は危険です。のぞみ29号の同地点通過時間は偶然にもほぼ津波の第一波到達時刻と重なっています。浜名湖周辺の撮影ポイントは一段低いですし、富士川は津波が遡上してくる可能性が高いです。とにかく、高台と川から離れた場所に避難をお願いいたします。
津波の高さは1㍍から3㍍と言う規模で、この程度の大波ならば泳ぎに自信のある方はなんとかなる、と思われるかもしれませんが、実は津波の被害の多くは溺死ではなく、出血や打撲で死亡する事例が多いとのことです。津波は、沿岸部のありとあらゆるものを巻き込んで内陸に到達しますので、津波に巻き込まれた状況では洗濯機に木材やガラス片、コンクリート片や岩石とともに放り込まれたような状態になります。プールや海水浴場で泳いだ経験は全く役には立たない訳です。
津波は時速700km/h以上の速度で進出しますが、沿岸部の水深が低い場所に到達すると速度は急激に低下します。しかし、津波の後ろは高速のままですから、速度が低下した先端部分の波を航続の部分が押し上げる形となります。すると波の高さは際限なく上に上昇し、そのまま陸上に到達します。陸上に到達した際に、普通の波であれば大地の抵抗ですぐに引波となりますが、津波は波の幅が大きく、あとからあとから押されて内陸部に浸徹します。そして前述のように陸上の全てのものを巻き込んで、浸食していきます。
海水とともに多くのものを巻き込んだ津波は一定の場所まで到達すると、再び海へと戻って行きます。しかし、普通の大波よりも多くの海水を陸に押し上げるのですから、戻ってゆく海水の量も桁違いです。呑みこまれれば最後、全ての海水とともに濁流となって海に押し戻され巻き込まれたものは海中に引き込まれる訳です。離岸流とは比較にならないほど沖合まで、渦の中のような状態とともに連れ去られる訳です。
第二波、第三波は第一波が呑みこんだ家屋や橋梁、その他の建築物の残骸、それに自動車、樹木、その他動くものすべてを引き込んだ海水が再び押し寄せますので、巻き込まれた場合に人がどうなるかを考えると、どうしても憂鬱になります。高台、丘陵地帯や内陸部の頑丈な建築物、できれば山頂に避難してください。今回は震源が遠いので避難路は山岳崩壊などで通行不能、ということはありません。
津波の場合は沿岸部でも高いコンクリート建築物に避難すれば、なんとななる、と考えられるかもしれませんがしれは次善の策です。3㍍の津波となると海底の岩石を巻き込んで陸上に押し流されてくる津波岩による被害が想定されます。津波岩は海底の一部が文字通り陸上に津波によって押し運ばれてくるもので、かなりの重量のものが運ばれてきます。津波のエネルギーは大きいですから、波と同じ速度で岩が建築物に衝突する訳です。場合によっては津波に耐えた建物でも津波岩の直撃により破壊されてしまう可能性がある訳です。ただ、次善の策ですが、最善の策に近いですから、高台に避難できない場合は頑丈な建築物に避難してください。一方で、沿岸の建築物に足を運んで津波を見物しよう、という判断だけは避けてください。
太平洋沿岸の私鉄線やJR線は大きく運行を見合わせているようです。JR東日本の路線も三陸海岸沿岸を中心に運転見合わせを行っているほか、東海道本線の熱海周辺でも運転見合わせが行われているようです。JR北海道やJR東海沿線にも海に隣接した区間がありますので、運転見合わせの範囲は今後拡大すると考えることが出来るでしょう。東海道新幹線開業以来、1㍍を越える津波が沿線に押し寄せるのは、今回が初めてなのではないでしょうか。厳重な警戒が必要です。
想定される津波は、東北地方の一部、大津波警報が出されている区域で3㍍。しかし、V字型の海岸線などは行き場を失った津波が合成波を形成してより高くなる可能性があります。防波堤や防潮堤ですが、三陸海岸では多くの津波の経験から頑丈で高い防波堤が建設されているのですけれども、一方で他の地域では、津波を想定した防波堤では無いものもあります。津波は先ほどの記載のように、波長、つまり波そのものの幅が大きいですので、一度乗り越えられれば、そのまま航続の幅の津波が上陸してきます。防波堤、防潮堤を過信しないように避難をお願いいたします。
ご苦労様です。
わざわざ予定を変更されての当該情報告知に敬意を表します。お疲れさまでした。
とりあえず、23時現在、今回のチリ大地震に伴う津波・高潮に関して日本においては死者・負傷者は出ていないようなので何よりです。
日本国内では大きな人的被害は今のところ無いとのことで幸いですが、チリでの地震被害が深刻とのことで、こちらも注意は必要でしょうね。
去年の台風のときと同じく、今回、記事作成時に警戒したような被害は出ていませんが、外れたことは幸いでした。
ちなみに500系特集は予備ブログの方でやっています。
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http://harunakurama.blog10.fc2.com/blog-entry-497.html
今朝、ニュースをみてみましたらばNHKではまだ東北太平洋岸と四国南岸に津波注意報がでていましたね。
東海地震ですと、静岡県内の新幹線、東海道本線、東名高速、国道一号線が地震と津波の被害を受けますので、救援は海上と回転翼機が初動の中心になるのでしょう。しかし、輸送力には限界がありますので、食糧備蓄や常備薬、など、重要ですが、限界もありますし、静岡県は防災準備先進県、防災と名がつけば船も買えるほどなので、多少は期待したいのですが。
もうひとつは東西交通の寸断が心配ですね。中央本線と中央道で東京と名古屋を結び東西交通を維持することになるのでしょうが、新幹線程の輸送力があるのか、あずさ、しなの号を延長運転で東京~名古屋間運行するにしても、ちょっと心配です。
ただ、東南海地震が前後数日以内に発生しますと名古屋が直下型地震ということで大きな被害を受け、中央本線にも影響が出ますから、東西交通の寸断がかなり長期間に及ぶ可能性があります。北陸新幹線金沢開業後ならば日本海縦貫線経由と北陸自動車道にてある程度維持できるのかな?、と心配になったりもします。
しかし、テレビで終日行われていた津波情報に対し、「番組の画面が津波情報で台無しだ」といった意見が出ているのが信じられません。「平和ぼけ」もここまで、来てしまったのでしょうか。
内陸部の人は、無関係と言う事で、そういう事を思う事もあるのでしょうね。
太平洋岸に1㍍以上の津波警報というのは、何年ぶりだったのでしょうか、静岡県は新幹線開業以来の出来事だったのではないでしょうか。
臨海部に路線を持つ近鉄、名鉄、南海も一応の事に備えていたようです。内陸部の阪急や京阪は大丈夫だったようですが。大事に至らず幸いです。
一方で、三陸海岸の防波堤は羨ましいですね、沖合と沿岸線、トーチカのような二重の津波防護体制で万一に備えている、ということです。