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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【防衛情報】中国は2030年に核弾頭1000発保有可能-タクラマカン砂漠にニミッツ級空母

2021-12-20 20:19:28 | 先端軍事テクノロジー
■特報:世界の防衛,最新論点
 今回の特報は我が国も隣国であり不可分の安全保障分野である台湾海峡の緊張に関する論点です。

 中国は2030年までに核弾頭1000発を保有する可能性がある、アメリカ国防総省は11月3日に発表しました”議会報告中国の軍事力”最新版に明示しました。”議会報告中国の軍事力は冷戦時代に毎年作成された”議会報告ソ連の軍事力”の中国版に当るものであり、多くの予算を投じて情報を分析し、陸海空軍や政治と技術に産業まで分析を網羅しています。

 核弾頭は国連軍縮委員会などに300発程度を保有しているとしていますが、中国は核弾頭の正確な保有数を公表していません。”議会報告中国の軍事力”では中国国内に建設が進む核ミサイル発射施設等の写真を提示し、核弾頭ミサイルには核兵器が搭載されるとの前提で、人民解放軍100周年の2027年までに700発、2030年までに1000発に達すると分析する。

 アメリカ国防総省は中国の軍事力拡大については、アメリカが過去に予測した真直度を確実に上回っているとしており、また、”議会報告中国の軍事力”発表に際し行われた講演会で、アメリカンエンタープライズ研究所クーパー上級研究員の発言として、アメリカは日本など同盟国と協力の必要性を示しました。中国政府は報告書を憶測として反発しています。
■日本へのミサイル配備を提言
 日本へ中国本土を直接たたけるミサイル配備への圧力も今後増大するのでしょう、これは中国による日本米軍基地への核恫喝の口実へも繋がる。

 アメリカのインド太平洋軍前司令官であるデビットソン退役大将は日本へのミサイル配備を提言しました。これは11月6日のNHK報道インタビューに際し私見として述べたもので、中国の軍事力は日本列島と台湾及びフィリピンの中国が主張する第一列島線に伸びており、台湾については“今後六年以内に脅威が明白になる”との見解を示しています。

 アメリカは中距離用戦域ミサイルの開発を進めていますが、中国の台湾や日本周辺への脅威を阻止するには防衛だけでは充分ではないとし、中国の軍事的な冒険主義を阻止するには第一列島線からの攻撃能力を配備する必要性を示しました。ただ、日本への配備には日本政府の政策決定と日本国民の判断にゆだねられるべき、との意見も重ねて述べています。
■ミリー統合参謀本部議長発言
 ただちに危険はない、この言葉の意味するところは東日本大震災福島第一原発事故での枝野官房長官発言を思い出しますが私たちはその言葉の意味を知っています。

 アメリカのミリー統合参謀本部議長は台湾有事の可能性について当面低いとの見解を示しました。これは11月3日に首都ワシントンDCにて開かれた講演会において、中国が近い将来に台湾に対して行動を起こすと考えるか、との質疑応答に応える形で発言、ミリー統合参謀本部議長は半年や一年や二年の内に起こるとは考えていない、と答えました。

 ミリー統合参謀本部議長は重ねて、何が起こるかはわからない、とした上で、質問はアメリカが中国の台湾侵攻に対して台湾防衛する能力があるかとの問いに続き、アメリカにはその能力が確実にある、としつつ、しかしその判断は大統領の判断によるものである、としています。国防総省は11月3日に”議会報告中国の軍事力”最新版を公開しています。
■バイエルン日本親善訪問
 ドイツフリゲイトとともに呉にはオーストラリア艦と佐世保にはカナダ艦が来ましたね。

 ドイツ海軍のフリゲイトバイエルンが11月5日、20年ぶりに日本を親善訪問しました。バイエルンは8月にドイツを出航し各国との共同訓練を実施しつつ来日しました。バイエルンは岸防衛大臣が視察しており、この親善訪問は中国の勢力拡大を念頭に日本などの各国との防衛協力を進め、北東アジア地域においてもプレゼンスを高める目的がるようです。

 バイエルンはブランデンブルク級フリゲイトの3番艦で、本級は1994年から4隻が建造されています。満載排水量は4900tと自衛隊の護衛艦あさぎり型よりも小型ですが76mm艦砲の他にエクゾセ対艦ミサイルやMk.41垂直発射装置16セルとRAM個艦防空ミサイルや27mm機関砲、リンクスヘリコプター2機という各種の充実した武装を搭載しています。
■タクラマカン砂漠にニミッツ級
 いずも型護衛艦も目標となる可能性は高くDDHを増勢して目標を分散する必要があるよう思う。

 中国軍は新疆ウイグル自治区に可動式アメリカ空母模型を建設した、民間衛星写真会社MAXARの写真により判明しました。模型が設置された場所は新疆ウイグル自治区のタクラマカン砂漠上で、目的は不明確ですが大きさと船体前部の特徴的な形状からアメリカ海軍のニミッツ級空母と思われ、模型はモックアップ的なものではなくシルエットを模す。

 タクラマカン砂漠にはニミッツ級空母と思われる模型と共に、大きさからアーレイバーク級ミサイル駆逐艦を模したものと思われるものも衛星写真に確認でき、またこれらには幅6mのレール軌条上に配置されており、速度は不明ですが一定程度の速度で移動できるものと目されています。この用途として、ミサイル標的に用いられていると推測できましょう。

 中国が空母の模型を建設する事は初めてではありませんが、これまでの模型は稼働示威ではありませんでした。また従来型が細部にこだわるプロパガンダ的な形状であったのに対し、シルエットを強調し砂漠上に配置している事から、超音速ミサイルを筆頭に中国軍が開発を進めている対空母用のミサイル標的として用いられる可能性が考えられるでしょう。
■ウェーク島海兵隊緊急展開
 海兵沿岸連隊の沖縄配備もそう遠くない改編となるのでしょうね。

 アメリカ海兵隊は沖縄からウェーク島への海兵隊緊急展開訓練を実施しました。これは紛争地域への海兵隊緊急展開部隊を派遣し防衛体制を構築する念頭で実施されまして、ワシントン州のルイスマコード基地に展開する第62空輸航空団のC-17輸送機が参加、第3海兵師団隷下の海兵軽装甲偵察中隊所属LAV-25軽装甲車などを緊急展開させています。

 ウェーク島は、アメリカ海兵隊が創設以来初めて敵艦を撃沈した海兵隊にとり象徴的な戦跡があります。1941年、海兵隊は現在の両用作戦よりも基地防衛を主任務とし、太平洋戦争開戦緒戦にてウェーク島を攻撃した日本艦隊に戦闘機反復攻撃を実施、駆逐艦如月を撃沈しています。海兵隊は現在、海兵沿岸連隊として島嶼防衛部隊への改編を急いでいます。


北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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