北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

平成26年度実機雷処分訓練、硫黄島周辺海域にて機雷戦艦艇9隻・航空機を以て開始

2014-06-21 23:09:38 | 防衛・安全保障

◆700名が参加、6月29日まで実施

 防衛省によれば平成26年度実機雷処分訓練が硫黄島周辺海域にて開始されたとのこと。

Msimg_4294 訓練は掃海隊群司令岡浩海将補を訓練統裁官とし、掃海母艦うらが、ぶんご、掃海艇えのしま、ちちじま、すがしま、のとじま、いずしま、あいしま、みやじま、以上機雷戦艦艇9隻とUH-60J救難ヘリコプター1機の人員700名が参加し、6月20日から29日までの期間に実施されます。

Msimg_2671 実機雷処分訓練とは、有事の際に敷設された機雷の掃討と掃海を想定し、実際の機雷を標的として訓練を実施するものです。実機雷は爆破処分した場合100mを越える水柱が上がり、その威力は大型水上戦闘艦艇を撃破し両用戦艦や航空母艦等に対しても大きな威力を与えるもの。

Msimg_4280 実機雷を訓練統裁官及び統裁部が訓練参加部隊の設定訓練海域の何れかに敷設、これを機雷戦艦艇が探知機材を駆使し位置を補足、機雷掃討か掃海器具や場合によっては水中処分隊員により実爆処分を以て処理する一連の行程を演練する、これが実機雷処分訓練の内容となっています。

Msimg_0954 実機雷処分訓練は1972年より継続的に実施されていまして、平成26年度実機雷処分訓練は42回目の訓練となります。第二次大戦中に大量に敷設された機雷や浮流機雷の脅威等の教訓から海上自衛隊では機雷掃海能力が重視されており、湾岸戦争を契機に先進的な機雷対処を企図した近代化を実施、能力を高く保っています。

Msimg_4301_1 機雷は敷設が容易であるものの、掃海と掃討には非常な労力を要し、大型艦であっても一発で行動不能に陥れ、シーレーン等国家の継戦能力をも危機に曝すため、最も費用対効果が高い兵器として考えられています。こうした脅威へ実機雷を用いた訓練を継続することは意義と共に抑止力ともなるでしょう。

北大路機関:はるな

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