北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

環太平洋多国間合同演習RIMPAC2014/平成26年度派米訓練へ護衛艦いせ・きりしま派遣

2014-06-07 00:38:43 | 防衛・安全保障

◆指揮官は第3護衛隊群司令中畑康樹海将補

 防衛省によれば自衛隊は環太平洋多国間合同演習RIMPAC2014及び平成26年度派米訓練へ護衛艦いせ、きりしま、及びP-3C哨戒機3機を派遣します。

88_img_4262 リムパックは1971年より米海軍を中心として実施されている多国間海軍合同演習で、アメリカ海軍、カナダ海軍、オーストラリア海軍、ニュージーランド海軍が当初主体として参加していました。しかし、1980年からは新たに日本が参加、ひえい、あまつかぜ、P-2J8機等が参加しています。この年からカナダ海軍も参加を開始しました。

Img_07700 1982年には、しらね以下3隻、1984年には、くらま以下5隻が参加、海上自衛隊の部隊派遣規模は米海軍に次ぐ規模を誇るに至り、海上自衛隊のポテンシャルが大きく認知されるようになりました。1986年には護衛隊群一個8隻が参加するようになり、 護衛艦8隻・哨戒ヘリコプター8機・哨戒機8機が参加、これが恒常化してゆきます。

Cgimg_0822 海上自衛隊の護衛艦隊強化と共に1990年には韓国海軍が初参加、1996年よりチリ海軍が、2008年よりシンガポール海軍が参加、名実ともに環太平洋諸国が参加する海軍演習となりました。一方で海上自衛隊の実任務増大に伴い日本からの派遣規模は縮小し、2010年には、あたご、あけぼの、等護衛艦2隻まで縮小するに至りました。

Mimg_7158 その反面参加国は増大を進め、2010年にはペルー海軍やコロンビア海軍にインドネシア海軍とマレーシア海軍にタイ海軍が艦艇以外の参加部隊を派遣、フランス太平洋艦隊も参加しています。2012年にはロシア海軍が対潜駆逐艦の派遣を開始しています。

88img_7049 派遣部隊指揮官は派遣水上艦艇部隊指揮官が第三護衛隊群司令中畑康樹海将補、派遣航空部隊指揮官が第52飛行隊長岩政秀委2佐、派遣掃海部隊指揮官が掃海隊群司令部水中処分隊長下窪剣3佐、となっています。規模は艦艇部隊が650名、航空部隊が80名、掃海部隊が10名、と発表されました。

Gimg_4466  今回から中国海軍が初参加となります。今回のRIMPAC2014参加国はアメリカ、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、コロンビア、フランス、インド、インドネシア、日本、マレーシア、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、中国、ペルー、韓国、フィリピン、シンガポール、タイ、トンガ、イギリス、以上23か国が参加するとのこと。

Img_1579 海上自衛隊はこのリンパック派遣を以て参加は実に第18回を数える事となりました。参加予定兵力は水上戦闘艦等48隻、潜水艦6隻、航空機200機以上、参加兵力25000名、となっています。参加部隊は具体的な想定に基づき、各国間の連携などを経て練度の向上と信頼醸成を目指す事となるでしょう。

Himg_5004  他方、レッドフラッグアラスカへの航空自衛隊派遣においても同様の命題が生じますが、多国間訓練を行うとのことで、集団的自衛権行使に関する憲法解釈の問題が指摘されることもあるため、我が国としては多国間訓練へ日米共同訓練として参加する形をとっています。

Biimg_0805 リムパック派遣部隊は本日7日に呉基地を出航、20日に真珠湾へ到着、8月6日まで真珠湾を拠点に訓練に当たり8月20日に護衛艦きりしま横須賀帰国、21日に護衛艦いせ呉帰国予定となっています。加えて水中処分隊も派遣されることとなっており、6月26日に成田空港をサンディエゴにむけ出発、8月2日に帰国予定とのこと。P-3C哨戒機は那覇航空基地より22日に出発、8月18日までに帰国します。

Bimg_2849 今回はリムパックへの派遣と共にミサイル実射訓練をアメリカ国内の訓練支援設備を利用して実施される米国派遣訓練を兼ねており、リムパックは6月26日から8月1日まで、米国派遣訓練全体は6月7日から8月21日までの予定です。リムパックはグアム周辺海域で実施、米国派遣訓練はハワイ及びアメリカ西海岸において実施されます。

北大路機関:はるな

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