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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

榛名防衛備忘録:四輪駆動機動装甲車と即応予備自衛官③ 特務即応予備自衛官の生活

2014-03-05 22:26:36 | 防衛・安全保障

◆年間訓練日数は初年度50日間を想定

 特務即応予備自衛官と兼務の学生は、どのように日常を送るのかについてのモデルを本日は提示してみます。

Cimg_6561  大学入学後は最初の休暇での訓練召集において大型車両免許を取得し、高機動車や3t半トラックの運転資格を得、不合格であれば予備自衛官に格下げし、合格者のみを特務即応予備自衛官を兼任する大学生として生活を送ります。の、これは選抜ではなく練成という意味合いを重視するべきでしょう。

Cimg_0985  最初の訓練召集に続いて毎年夏季に週休二日前提で四週間20日間の集中訓練を、春期休暇に二週間10日訓練を冬季休暇と分割し二回行うか春期休暇に四週間20日間の集中訓練を、その他週末に二日間か一日の教育訓練を年間で10日間実施します。

Cimg_4398_2  50日、と驚かれるでしょう、1セメスター15週間ですので、年間30週間に試験日、此処に訓練が割り込みほとんど休暇が全部飛んでしまいますが、そもそも即応予備自衛官は一年以上の在職期間がなければ志願できませんので、それを高校卒業後の秋季入学までの半年間の訓練を経て志願するわけですし、即応予備自衛官の30日間よりも多くの経験を積んでもらわねばなりません。

Cimg_3799  二年目からは訓練期間を30日、とする選択肢は検討されるべきです。専攻専修を決定する大学の重要な時期ですので、夏季休暇と春期休暇に二週間10日間の集中練成訓練を行い、分割で二日間程度の週末を利用した訓練期間を設定します。

Cimg_0186  職種については、普通科職種を基本とします。任期は三年間で、三回生に満期除隊となるかたちですが、四回生時における学費と生活費については、特務即応予備自衛官任官は前期教育中と後期教育中の期間に俸給の一部を四回生次における生活費の一部へ充当し、対応することが考えられるでしょう。

Cimg_1497  在学中は特務即応予備自衛官として登録、在学中に大規模災害や防衛出動などの任務があれば応召義務を負う、という想定で応召義務を怠った場合には特務即応予備自衛官では即応予備自衛官と異なり罰則を科す、具体的には卒業後の一任期入隊か俸給一部返還を科すべきです。

Cimg_1596  特務即応予備自衛官について、その在学中の動員について、比較され得る要素を備えたアメリカのROTC制度においては学徒の召集は免除されるのですが、この今回提示した方式は在学中のみ任官しているわけですから、在学中に出動免除されるのであれば出動の機会は訪れませんので、応召義務を負う、としました。

Cimg_4127  一方、在学中に防衛出動待機命令などが発令され、召集される際に大学は休学ということになるのですが、この間の家賃補助や休学を要因とした留年等が生じた際には、その部分の学費と生活費を防衛用は特別会計から負担する、という枠組みが必要となります。

Cimg_4971  併せて、特務即応予備自衛官の召集は、訓練召集日程を新年度前に一年分を通知し授業受講計画に配慮したものとし、大学の受講シラバス発表後に可能であれば訓練日程を調整出来る要しなければなりません。特に休暇日程が大学により異なりますので、場合によっては可能な限り大学毎に班を設定する必要があります。

Cimg_5523  また、特務即応予備自衛官は召集に際し、防衛大臣の命令を以て出動させるとし、防衛召集については自衛隊法に基づく防衛出動もしくは防衛出動待機命令が発令された場合のみ、災害派遣については原子力災害対策特別措置法に基づく原子力緊急事態宣言が発令された場合か、災害対策基本法に基づく災害緊急事態の布告、警察法に基づく緊急事態の布告、以上に際し防衛大臣が命じた場合に限るべきでしょう。

Cimg_4985  召集を厳格化した背景には、例えば自衛隊では慢性的に人員が不足しており、駐屯地業務隊の人員不足や、備品等紛失に伴う演習場捜索、演習場の着弾延焼防止での草刈、大規模演習支援等など一人でも人手が欲しい実情があり、そのたびに召集されては、という視点があります。もちろん、訓練召集期間中にこの支援に当たる、という方式ならば、問題はありません。

Cimg_6363  こうして奉職する予備役は三年で満期除隊、最後の一年間の学費だけは前述の積立金、これが不足する場合において、自弁か貸与制奨学金制度を利用、一般企業への入社を前提とするのであれば就職内定後を前提に秋季卒業後の春季入社までの期間に、希望した場合に限り任期制自衛官として勤務し、貸与制奨学金の返還に充てる事も出来る、というもの。

Cimg_8165  更に、在職中に国家公務員一種試験等に合格した際には退官時に幹部自衛官処遇を行う高等文官試験制度の方式を復活させると共に、大学卒業後に一般幹部候補生課程へ進む場合は部内選抜試験に準じた別制度を設け、一般大学出身者とは一定区分を行う、特別待遇ではなく経験者としての対応です。もっとも、相応の経験を積んでいるのですからこの処遇に反論は余り出ないでしょうが、ね。

Cimg_0398  その上で、本人が希望する場合には特務即応予備自衛官退官後に年間訓練期間30日間の即応予備自衛官もしくは年間訓練期間5日間の予備自衛官へ転換しさらに最大で二任期を務めることが出来る、ただし、就業先の同意を得られない場合には、任期中に除隊することもできる。

Cimg_2232  特務即応予備自衛官を一任期奉職し、退官せず即応予備自衛官もしくは予備自衛官に任官し一年未満に希望した際には特務即応予備自衛官の勤務状況などに問題が無い場合に限り陸曹候補生として常備自衛官に任官することが出来、陸曹候補生履修前教育を履修する権利を得る、とします。陸曹候補生の難易度を考えれば厚遇過ぎないか、といわれるかもしれませんが、特務即応予備自衛官の選抜試験を相応に厳しくすればよいでしょう。

Cimg_4398  こうしたうえで、特務即応予備自衛官としての勤務に問題が無ければ、陸曹候補生課程と3曹昇任試験に初級陸曹特技課程を経て任官できる、とすれば、部隊としては訓練応召の割合を高めることが出来るでしょうし、大学生としては万一就職活動に失敗した際の最後の保険ともなりえます。この方式の問題点などについては次回に。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (5)
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