◆京都駅最後の急行定期運行は本日終幕
明日のダイヤ改正で廃止となる急行きたぐに。本日、まもなく最後の急行きたぐに、大阪駅を新潟へ出発。新潟から大阪へはもう発車したころ。
雪舞う早朝の京都駅、朝の通勤時間に先立ちどの新快速よりも早く静寂の京都駅へ到着する夜行急行。この一枚を収めるには地下鉄東西線ならば始発に乗る必要があり、廃止される列車に多くが集う全ての駅の日常風景も、此処では少し違うよう。最後の名残に急行券を買い求め大阪まで自由席へ利用する方々も多かったみたい。
京都駅ビルと583、こんな構図にしてみました。急行きたぐに、大阪発2327で新潟着は0829、新潟発2255のち大阪着は0649、大阪方面へは通勤混雑時間帯を避けて早朝に、新潟方面へは新潟近郊区間において快速電車として通勤通学の足に使われている急行電車となっています。
近鉄新京都駅ビルを背景に急行きたぐに。今年らしい一枚というとこういう構図でしょうか。この急行に活躍する583系は面白い電車で、寝台電車として開発された背景があります。従来のブルートレインに用いられる客車寝台車は夜行列車として運行を完了すると後は車庫、これは昼間使えないので少しもったいないということで昼間に使える電車を、と開発されたもの。
昼間も運用できる夜行列車、として座席を急行型に準じたボックスシート方式として、所要の作業を行えば三段寝台に切り替えられる方式を採用しました。が、しかし、特急電車としてはリクライニングシートが主流となる中でボックスシートは少々使いにくく、向い合せ長時間移動は時代に合わないらしい。また、三段寝台なのだけれどもB寝台にしては昼間運行に合わせ幅がA寝台並に広く、他方三段寝台はブルートレインの二段寝台化の趨勢に合わなかったという。
それでも、きたぐに号は使い勝手よかったのですよ。特急料金の上限は3980円、対して急行料金上限は1260円とお手頃で、大阪と新潟でA寝台は下段20790円に上段は19830円、B寝台は下段16590円、中段上段15540円、座席はグリーン車があって15540円、しかし自由席は10290円。本当は去年利用する予定だったのだけれども。
583、夜行で月光や明星として新大阪と博多や熊本を移動したのち昼間に特急みどり号や、はと号として新大阪と大分を運行、名古屋と熊本や博多を金星、つばめ、として運行。京都と熊本を結ぶ夜行きりしま、博多と鹿児島を結ぶ有明や新大阪下関間しおじ、岡山と熊本を結ぶ列車つばめ、名古屋と富山の特急しらさぎ、後にブルートレインとして最近まで頑張った彗星、なは。東北は、はくつる、ゆうづる、はつかり、みちのく、ひばり昼夜運行、そして大阪と金沢を結ぶ雷鳥の一部、1985年からは急行きたぐに運行が始まりました。
きたぐに、で最後となる583ですが、思うのは、やはり急行、なんですよ。まあ、これは元々特急用ですが。583系の後継を開発して昼間運行に充当する手法は無かったのか、ということや自由席を持つ夜行急行として既に廃止された大阪東京間の急行銀河を後継に充ててはどうだったのかな、と。特急料金よりも安く、必要に応じて夜行の時間帯を挟むような長距離運行というのは需要があると思うのですよね。
この根拠ですが、JR西日本が山陽本線で運行している長距離普通列車、広発下関行きとか、三原発姫路行きとか、長距離の普通列車が運行されていまして、JR東海が東海道新幹線利用者を確保するために静岡県内の東海道本線運行をある程度余裕を持たせている、言い換えれば少々短くやや不便にしているようなものとの違いがありますし。
急行、つまり、急行の復権が必要で、急行列車というものには特急に次いでの需要はあると思うのですよ、旅客需要はなくなったのではなくバスや一部航空に流れているだけ、特別急行はいつの間にか普通急行の位置に入ってしまいましたし、他方で価格競争で高速バスと低価格航空会社が迫っていますので、急行、それも長距離急行を投入して、昼行夜行兼用の長距離移動手段として、設備が劣っていても、移動時間が大きくとも、乗ればなんとかなる列車というものは必要だろう、と。
京都駅を新潟に発車するのは0003時、地下鉄採集が発車した後で、新潟行は寝台特急富士はやぶさ末期の時に何度か撮ったのだけれども、深夜は少々行きにくかった。ただ、新潟分屯基地祭や高田駐屯地祭のほうに利用したいと考えていた矢先の廃止、これは残念でした。なはあかつき運行時に九州の航空祭行っていれば、と思ったり、乗れるときに乗るべきですね。
画期的な寝台電車として導入され、一時期はかなりが運行された583系なのですが、定期運行は急行きたぐに、が最後。JR東日本では臨時列車として運行することがあり、東日本大震災に伴う東北新幹線不通時期には活躍した、とのことなのですが、老朽化は非常に進んでいます。そして急行という区分もJRでは、残るは札幌発青森行きの急行はまなす、のみとなります。
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)