北大路機関

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Weblog北大路機関の2011年 西方重視掲げ一路邁進したこの一年間

2011-12-30 23:39:36 | 北大路機関特別企画

◆未曽有の災厄東日本大震災と共に

 2011年は西方重視年間、と今年の元日に示しましたがこれを振り返ってみましょう。

Img_9094_1 今年は東日本大震災の一年間、ということは確かで、この一年ほど日本の危機管理が試された一年間は終戦のその年くらいでしょう。本来であれば南方西方からの脅威を注視し、危機管理の展望を探るはずでしたが3月11日が全てを吹き飛ばした、というところでしょうか。

Img_3870 こうしたなかで、今年の自衛隊行事において最も印象に残ったのは3月16日の護衛艦いせ自衛艦旗授与式でした。震災後、特に福島第一原発が予断を許さない中、粛々としかし威風堂々と行われた新しい船出は、間違いなく一生の記憶として残ること間違いありません。ご招待いただき、本当にありがとうございました。

Img_9039 東日本大震災以降、自衛隊関連行事は中止となり災害派遣のみが延々と展開されましたが、美唄駐屯地創設記念行事を筆頭に自衛隊関連行事が再開されています。第二地対艦ミサイル連隊も災害派遣を終えての式典参加とあり、展示全てには重いものがありました。

Img_1509 翌日には真駒内駐屯地にて第11旅団創設記念行事があり、式典は予定通り行われたことで、日常は戻ってきているのだ、という印象は偽らざるもので、原子力災害と巨大津波、特に後者については日本の自然の営みの一部だったのか、と再確認した次第です。

Img_8417 西方重視を掲げつつ、西方管区での自衛隊行事は災害派遣に忙殺されていることもあり、再開はなかなかかなわないものでした。ところが、佐世保基地の一般公開は行われており、四度に渡り長崎に展開、延べ八日間佐世保に足を運んでいまして、西方重視は達成できたのかな、と。

Img_7161 その一方で海上自衛隊の行事に多く参加することが出来たのは幸運でした。いせ就役は筆頭ではありますが。舞鶴展示訓練、大阪湾展示訓練を撮影する機会に恵まれ、多くの事柄を見せていただくと共に、このなかでも晴天に恵まれる日々が続いたことは幸いの限りです。

Img_1427 しかし、常に思ったことは、やはり装備定数や人員定数、というものは大丈夫なのか。現役の方々は立場上言えないことがある、ということと共に、しかし雰囲気として、また別の形で聞こえてくるものもありました。これは政治の問題でもあり、翻せば国民の問題でもあります。

Img_5101 これら夏期に多くの見聞を得ましたが、昨年は多忙に多忙を重ね行くことへの検討さえかなわなかった富士総合火力演習へ、お誘いを受け叶ったことは友人へ感謝です。また、発砲焔の撮影にも恵まれ、無論機材に助けられた背景ではありましたが、満足がいくものでした。

Img_3901 西方重視が実質佐世保重視、というかたちになっていたのですが、一方で北海道では美唄駐屯地、真駒内駐屯地、東千歳駐屯地と足を運び、北部方面隊の装甲部隊を細かに見ることが出来、やはり重装備というものは凄いものだ、とただただ感嘆したというほか表現はありません。

Img_1659 東北方面隊創設記念行事。この災厄の年に真っ向から向かい合った司令部が置かれた方面総監部の行事は、規模が大きく縮小されていましたが予定通り実施され、当方も大阪湾から急遽転進しました。この日この時、この行事を立ち会えた、ということは意味がありましたね。

Img_1772 秋ごろから、自衛隊関連行事は東北方面隊を除けば、かなりが例年通りの規模となり、本年で通算七年連続となる守山駐屯地創設記念行事にも立ち会うことが出来る機会に恵まれました。この管区は、今も東海地震東南海地震に立ち向かわねばならない、見守りたい部隊です。

Img_7026_1 同じく、今年で七年連続となる岐阜基地航空祭にも足を運ぶことが出来たのですが、しかし近年までの条件と異なる会場配置などに、こちらでお知らせした内容と随分異なることがあり、情報をご高覧頂き足を運ばれた方へは、その節はご迷惑をおかけしました。

Img_1025 とにかく行われている行事は、ということで入間基地航空祭へも足を運びました。他方、西部方面総監部創設記念行事へは展開を検討していたのですが、小松基地50周年航空祭が行われるとあり、そちらを優先、小松が中止となったことは記憶に新しいです。来年は健軍、福岡、鹿屋、新田原、幾つかに行きたいですね。

Img_8699_1 このように、西方重視は佐世保重視に終わるやもしれなかったのですが、新田原基地、那覇基地、嘉手納基地、普天間基地と年末、正確には今月に連続して足を運ぶことが出来ました。特に南九州と沖縄、西方重視が最も端的に示される地域、といえないでしょうか。

Img_1697 那覇基地航空祭は、那覇の置かれた厳しい現実をしっかりとみることが出来ました。難しいでしょうが第二滑走路の建設、可能ならば基地展開部隊の分散による脆弱性是正の施策は必要なのだろう、過密度と低い自由度とともにこればかりはこの目で見なければ言えなかったでしょう。

Img_0940 嘉手納基地。非常に騒音が大きい、と聞いており、やはり米空軍はエンジン出力を最大限としているのか、本島上空で超音速飛行を日常的に行っているのか、と印象があったのですが、F-15もKC-135もC-130も頻繁に飛行していたものの、言われているほど音は大きくない、面積を除けば普通の基地でした。

Img_1662 普天間基地、こちらも住宅地への接近が凄いと聞き誘導路付近の安全帯にまで軒先が並ぶ様子を想像していましたが、日本では普通の基地と住宅、という印象でした。百聞は一見に、と使い古された表現ですがその通りで、これらを以て一応の西方重視、は達成された、と言えるのかな、そう考えました次第です。

Img_1133 一方、今年は回数として舞鶴や横須賀へは、余りいけなかったなあ、とも。こうした中ではありますが、Weblog北大路機関はご覧いただいている皆様の様々なお支えにより、今年一年を、今までと同じように乗り越えることが出来ました。今後とも、誤字脱字が多く誤報誤解も見方によっては若干含まれるWeblog北大路機関ですが、よろしくお願いいたします。

北大路機関:はるな

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