ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『風の刑事・東京発!』#09

2023-05-04 21:32:01 | 刑事ドラマ'90年代

本田理沙さんは’80年代末から’90年代半ばにかけて活躍されたアイドル歌手。レコードよりもグラビアでのご活躍が目覚ましく、私もその笑顔と肢体に魅せられたスケベエ衆の1人です。

女優としても活躍され、刑事ドラマは『はぐれ刑事純情派』の第5シリーズと第7シリーズ、さらに『さすらい刑事旅情編V』『裏刑事/URADEKA』等にゲスト出演されてます。

実際のお人柄は知る由もないけど、見た限りじゃ「元ヤン」の香りが濃厚でw、そういう役柄でキャスティングされることが多かった印象。今回もそのイメージが存分に活かされてます。



☆第9話『越後湯沢行き! 刑事をゆする女』(1995.12.13.OA/脚本=日暮裕一/監督=村川 透)

なにせ本田理沙さんが演じる役は、満員電車内でサラリーマンの腕にわざとオッパイを押しつけ、痴漢行為に導き、それを自ら盗撮した写真でユスリを繰り返すという、とんでもないビッチ女。



現実的に考えれば、もっとギュウギュウ詰めじゃないと痴漢は手を出せないだろうし、ギュウギュウ詰めだと自分で盗撮するのも至難の技で、この犯行は不可能ですよね。知らんけど?

ポルノ映画でもAVでも「痴漢電車」は定番ジャンルだけど、リアリティーが無さすぎて私はいまいちHOT! HOT!!になれません。知らんがな?

で、ユスられてた痴漢男が鉄道警察隊に泣きつき、風間警部補(柴田恭兵)らが捜査に乗り出すも、そのビッチ女=英子は10日前から行方不明らしい。

とりあえず風間は単身で、英子の実家がある群馬県へと向かいます。



観光地のロックハート城で働く英子の幼馴染み=明美(麻里万里)に話を聞くと、英子は10日前に帰郷したものの、すぐ新潟の越後湯沢へ向かったらしい。

そこで英子が宿泊してる筈のホテルへ直行するも、彼女は部屋に荷物を残したまま、再び行方をくらましていた。

妙な胸騒ぎを覚えつつ、英子のカバンを調べた風間は、とんでもない写真を見つけて愕然とします。



そこに写ってたのは、初老の男が英子の胸元に手を突っ込んでる姿。なんとその男は、風間がこの世で一番尊敬してる元刑事で、現在は越後湯沢で市会議員を務めてる坂井(小林昭二)だった!

いや、風間がショックを受けたのは、恩師である坂井が痴漢を働いたからじゃない。これも英子が仕掛けた罠に決まってる。それより何より問題なのは、英子がこの地を訪れてすぐ、荷物を残したまま失踪してること。

英子がここへ来た目的は、写真をネタに坂井から金を巻き上げる事だったに違いない。と、いうことは……まさか!?



坂井に恩義を感じてるのは、風間だけじゃない。刑事を引退してから議員になるまでの間、長らく警察学校で教官を務めてた坂井は、田島主任(柄本 明)をはじめ鉄道警察隊メンバー全員にとっても忘れえぬ恩師なのでした。

風間から報告を受け、大いにうろたえた田島主任は捜査を打ち切ろうとするんだけど、風間は続行を主張します。



「お前には情ってものが無いのか!?」

「たとえ親でも、疑いがあれば俺は追及しますよ!」



めちゃくちゃシリアスな場面だけど、普通は情にほだされた部下に「お前は刑事なんだぞ!」って叱咤するのがボスの役目なのに、立場が逆転しちゃってるのが笑えますw 柄本さんが演じればこそですよね。



その夜、ヤケ酒をあおって乱れまくった田島主任だけど、翌朝には立ち直り、若手の沖田(岡本健一)も一緒に連れて行くよう風間に命じます。

今のところ「英子が坂井に殺された」というのは憶測でしかなく、現職議員である坂井の名誉にも関わるから、ほかの部下たちには沈黙を通すしかない田島主任。



もちろん新潟入りした風間も、自分の推理が間違ってることを祈りながら捜査するんだけど……



英子が消息を絶ったと思わしき日に、坂井と一緒にロープウェイで渓谷に向かった姿を、ガイドさん(麻田かおり)が目撃していた!



一方、応援に駆けつけた藤村刑事(大寶智子)から、坂井が刑事時代に英子の父親を殺人容疑で逮捕し、厳しすぎる取調べで自殺に追いやった過去がある、つまり英子に恨まれてたという事実を聞かされた沖田は、そこで初めて坂井が疑われてることに気づき、ハイパー激怒して風間を問い詰めます。



「風間さん、あんた恩人を疑ってたのか!?」

「だったらどうした。お前は何だ? 刑事じゃないのかっ!?」

そう、どんな事情があろうと真実を追及するのが刑事の仕事であり、そのスピリットを風間や沖田に叩き込んだのが誰あろう、坂井元教官なのでした。

翌朝、坂井の自宅に向かおうとする風間の前に、議員としての坂井を心から尊敬する秘書(丹羽貞仁)が立ちはだかり、英子を殺したのは自分だと自首してきます。



「先生は私にとって……いいえ、町にとって大切な人なんです!」

「それは自分にも、沖田にとっても同じことです! こんな終わり方で納得してくれると思いますか、坂井さんが」

「…………」

一方、先に坂井宅に駆けつけた沖田は、英子を殺害するに至るいきさつを綴った坂井の遺書を見つけます。

1ヶ月前、議員活動で上京したときに坂井は、英子と偶然再会したんだけど、すっかり大人に成長した彼女が誰なのか判らなかった。恐らくその瞬間、英子は復讐を決意し、坂井を罠にかけた。

ところが、英子が自殺した容疑者の娘であることに気づいた坂井は、あえてユスりには応じず、議員を辞める覚悟で彼女を更正させようとした。そして……



渓谷で逆上した英子と揉み合いになり、その弾みで彼女は転落……っていう、これまたサスペンスドラマ「あるある」な顛末。

そのとき、坂井はすぐ自首しようとしたんだけど、秘書が全力で阻止したワケです。



坂井はきっと、英子の遺体が眠る渓谷で死ぬつもりだと読んだ風間は、再びロープウェイで駆けつけます。



「頼む! 死なせてくれ!」

「刑事なんですよ! 僕も、風間さんも!」

「そうしてくれたのは坂井さん、あなただ」



かつての愛弟子たちの説得……というより懇願により、坂井元教官は自殺を思い留まるのでした。


尊敬する恩師の犯罪を暴かなきゃいけない試練、っていうストーリーも刑事ドラマ「あるある」だけど、この『風の刑事・東京発!』第9話に限っては主人公のみならず、その上司も後輩も同じ人を同じように尊敬してる設定がユニークかつ秀逸で、それゆえに刑事どうしが激しくぶつかり合う展開が見応えありました。

私が事件関係者の人情ストーリーを好まないのは、主役である筈の刑事がただの傍観者になりがちだから。

いや、元々は事件関係者を主役にするのが警察物なんだけど、それを何が何でも「刑事のドラマ」として描き抜いた『太陽にほえろ!』なんて番組を長年観て育ったもんだから、ただ突っ立ってるだけの刑事が許せないワケです。

その点で今回はとても良かった! 柴田恭兵さんや柄本明さん、小林昭二さんらが演じればこそかも知れないけど、私は堪能しました。


セクシーショットは今回のヒロイン=本田理沙さんと、チョイ役ゲストの麻田かおりさん。

麻田さんは観た瞬間に「誰これ、可愛い!」って思ったんだけど、調べたら主にエロ系Vシネマで活躍されてた女優さん。本田さんにしろ、もっと売れても良さそうな人たちなのに、つくづくシビアな世界です。


 


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