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2010年の春シーズン、テレビ朝日系列の金曜夜9時枠で全9話が放映された刑事ドラマ。堂場瞬一さんによる警察小説『警視庁失踪課・高城賢吾』シリーズが原作になってます。
毎日約二百人もの人たちが行方不明になってる日本の現状(2010年当時)に対応すべく、警視庁に新設された「失踪人捜査課三方面分室」の刑事たちが活躍します。
自身も娘が失踪した過去を持つ主人公=高城刑事にエロ男爵の沢村一樹、その相棒となる明神刑事に森カンナ、室長に遠藤憲一、同僚刑事に小日向文世、北村有紀哉、黄川田将也、事務員に高畑淳子、捜査一課刑事に宇梶剛士と、なかなかの豪華キャストです。
小学生だった娘が失踪した時、刑事としての判断で生存を諦めてしまった高城は、無事を信じる妻との間に亀裂が生じ、やがて離婚。彼はそれを今も悔やみ続け、常に失踪人の生存を信じて捜索に執念を燃やします。
そんな主人公のドラマを背景にしつつ、基本1話完結で様々な失踪事件を解決していくシリーズで、ほとんど死人が出ない点が従来の刑事ドラマとひと味違います。
でも、そこが殺人事件の刺激に慣れきった大衆には物足りなかったのか、翌年に2時間スペシャルが1本製作されたもののシリーズ化には至りませんでした。
確かに、初回を観るかぎりだと実直すぎて面白味に欠けたのは事実。その割りに『三秒で消えた男』というサブタイトルで、瞬間移動のマジックショーで本当に男が消えちゃう奇抜なシチュエーションが、シリアスな世界観とアンバランスだったようにも思います。
あと、失踪人課は「ハミダシ者ばかり集めたお荷物部署」みたいに言われてるけど、実際は皆さんどう見ても優秀だし、ちゃんと協調性もある刑事さんばかり。『相棒』大ヒットの影響でしょうけど、そんな猫も杓子も「お荷物部署」にしなくたって良さそうなもんです。
実力派の俳優さんで固めつつ、まだ現在ほど売れっ子じゃなかった頃の遠藤憲一さんを刑事部屋のボスに据え、ヒロインとなる明神刑事役にはオーディションで森カンナさんを抜擢する等、キャスティングに創り手の攻めの姿勢も感じられ、もっと面白くなる可能性があっただけに、いまいち弾けきれなかったのは残念。
観て損はない作品と思いますが、毎週観たくなるだけの魅力は、私には感じられませんでした。
セクシーショットはヒロインの森カンナさんと、初回ゲストの国分佐智子さんです。
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