ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『犯罪交渉人ゆり子』2001

2024-07-03 20:50:43 | 刑事ドラマ2000年~

2001年にテレビ東京&BSジャパンの水曜夜9時「水曜ミステリー9」枠で放映された2時間ドラマ。2004年までに全3作、そして2013年にも新作が創られたシリーズの第1弾です。

科学捜査研究所に所属するベテラン人質交渉人の野々村百合子(市原悦子)が、最後に病院の立て籠り事件を解決させて引退するんだけど、その半年後、再び現場に引き戻されることになります。

病院の事件で現場指揮にあたっていた内舘警視正(柴 俊夫)の幼い息子が誘拐され、犯人=矢野(尾美としのり)が交渉役に百合子を指名して来たのでした。

計画的犯罪のように見えて矢野の要求は行き当たりばったり。彼の狙いはいったい何なのか?



実は半年前の立て籠り事件で交渉が長引いた為に、他の病院へ移送された妊婦が流産し、それをきっかけに離婚していたことが判明。矢野はその別れた夫なのでした。

流産した妊婦がいることも知らず、内舘警視正は無事に出産した他の母親にお祝いを届けるというパフォーマンスをマスコミに報道させ、百合子もインタビューに応じた。それをテレビで観た矢野は、何もかも失って自暴自棄になり、復讐を決行したワケです。



果たして百合子は、もう失うものが何もない矢野を説得し、彼の魂を救済することが出来るのか? そして交渉人を全く信用しない警視正に妨害されながら、如何にして子供を救出するのか? これは見応えがありました。

同じ市原悦子さん主演の刑事物でもコメディータッチだった『おばさんデカ』シリーズとは対照的に、作風はシリアスで主人公=百合子のキャラクターもクールかつ孤高。



実は彼女自身も「自殺」という悲劇で伴侶を失っており、その深い闇があればこそ矢野と共鳴し、心を開かせていくんだけど、結末は決して甘くありません。

これを例えば天海祐希さんや米倉涼子さんみたいに、如何にも強そうに見える美人女優が演じたら、たぶん面白くないんですよね。

一見フツーのオバサンにしか見えない市原悦子さんだからこそハラハラするし、うまくいかない結末にもリアリティーを感じる。そこが市原さんの強みなんだと私は納得しました。



ほか、科捜研で百合子の後釜となる交渉人に斎藤陽子、臨床心理学者に大島さと子、捜査一課刑事に塩見三省、百合子の義弟に火野正平と、豪華キャストです。(シリーズ2作目にはまだ10代の高橋一生さん、4作目には帰国した長谷直美さんも出ておられます)



セクシーショットはこの前年に放映された『Gメン’75』復活スペシャルで新Gメンを演じられた、斎藤陽子さん。今回、大島さと子さんとは元アナウンサーどうしの共演となりました。

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