ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『西部警察』#048

2021-02-16 00:00:13 | 刑事ドラマ'80年代









 
後に『太陽にほえろ!』でブルース刑事(又野誠治)の天真爛漫な妻=澤村泉を演じることになる、渡瀬ゆき(この当時のクレジットは渡瀬由喜子)さんのゲスト回。

TVドラマ初登場は『太陽にほえろ!』#403の『罪と罰』におけるゲスト出演(その時は本名の升本由喜子名義)で、2作目となる今回から渡哲也さんの本名である「渡瀬」姓を受け継ぐことになります。(『西部~』には続いて#68、#106にもゲスト出演)

それだけ渡さんから惚れ込まれたって事なんでしょうけど、相手役はどういうワケか石原裕次郎さんw やっぱり渡さん、照れ屋なんですねw

しかし二度目のテレビ出演にして裕次郎さんの相手役ですから、その見込みようはハンパじゃない。実際、彼女の熱演あればこその見応えあるエピソードに仕上がってます。

『太陽~』における澤村泉役も素晴らしかったし、私も大好きな女優さんなのに、メジャーと言える役はそれだけで、『太陽~』終了後はあっさり身を引いてプロデューサー業に転身された模様。それで制作プロダクションの社長にまでなられてますから、そっちの方が性に合ってたんでしょうね。


☆第48話『別離(わかれ)のブランデーグラス』(1980.9.14.OA/脚本=大野武雄/監督=宮越 澄)

西部署の表でゲン(苅谷俊介)がライフルで狙撃されちゃいます。幸い軽傷で済んだものの、ゲンが狙われた理由は不明。その時ゲンは色々あって木暮課長(石原裕次郎)のジャケットを借りて着ており、本当の狙いは自分だったんじゃないかと木暮は睨みます。

そしたら案の定、木暮を名指しに新たな狙撃予告の電話が入って来ます。犯人の動機はどうやら「ちゃりんこのユーコ」と呼ばれるスリの常習犯=夕子(渡瀬由喜子)にあるらしい。犯人は自分の恋人である夕子を木暮が寝取ったと言い張るのでした。

確かに木暮は2年前、夕子と出逢ってはいるんだけど、チョメチョメはしていない。まぁちょっと、身体検査はしたりしたけどw、チョメチョメはしてないんです。チョメチョメは。

彼女は相手が刑事とは知らず、金持ちそうな木暮から財布をスッたワケだけど、すぐに見破られて捕まっちゃった。なのに木暮は署に連行するどころか、財布を拾ってくれたお礼だと言って彼女に万札を1枚握らせた。

後日、あちこち探し回ってそれを返しに来た夕子に、木暮は「またスリをやりたくなったら、これを見て思い出すんだ」と、利き手の人差し指にマジックペンで線を描きました。

夕子は「キザだねえ、こんなのすぐに消えるわよ」ってバカにするんだけど、木暮は「そしたら、今度は自分の意志で描くんだ」と言って、あくまで彼女を信じる姿勢を崩さなかった。

「消えたら描く。また消えたら描く。そうして自分を鍛えていくんだよ」

それから2年が経ち、夕子は大衆食堂でマジメに働いてました。その人差し指には、今もしっかりマジックペンの線が。彼女は木暮の気持ちにちゃんと応えたワケです。

そんな夕子の証言により、犯人は刑務所を出たばかりの元傷害犯=丈治(寺島達夫)であることが判明します。

確かに丈治は服役中、面会に来た夕子から木暮とのいきさつを聞いてました。そういう話を変に誤解したり、あるいは犯罪者と縁を切りたい女から「刑事と結婚する」と嘘をつかれ、それを真に受けて刑事を恨んだりするのはドラマでよくある話です。たぶんこの番組でも何度となくやってますw

だからなのか、さすがに今回はストーリーが捻られ、実は裏で麻薬の密売組織が絡んでることが大門軍団の捜査により判って来ます。麻薬取引に使ってる高級クラブ「女王蜂」が木暮に眼をつけられたもんで、多額の報酬で丈治を釣って狙撃させた。夕子の一件はカモフラージュに過ぎなかったワケです。

そこで再び木暮は「女王蜂」に潜入し、ホステスたちにせがまれて石原裕次郎の大ヒット曲『ブランデーグラス』をフルコーラス唄い上げ、裕次郎と言えばブランデーグラスとブラインドというイメージを我々に植え付けるのでしたw

そこを丈治がまた狙って来るんだけど大門軍団に阻まれ、駆けつけた夕子の目の前で組織に消されちゃう。

「丈治! 丈治! どうして!? どうしてよ!? 私を迎えに来てくれるんじゃなかったの!? 丈治ぃ!!」

「夕子……すまねえ……バカなことしちまった……あべし!(ガクッ!)」

夕子と一緒に店を持つための資金が欲しかったとはいえ、人を(しかも刑事を)殺せばまた警察に追われるのは幼稚園児でも分かることで、いくらなんでもアホすぎて私は同情できません。昭和ドラマに出てくるチンピラってホントどうしょうもないアホばっかw

一方、麻薬組織の連中は、負傷して入院した夕子をわざわざ「無事にオレたちが船に乗り込むまで人質にする」とか言って拉致しちゃう。で、その夕子が病室に残した手掛かりによってブラジル行きの船に乗ることを大門軍団に察知され、あとはいつも通り団長のショットガンで全員あの世行き。何もしなけりゃ難なく逃げられたのに、ホントいくらなんでもアホすぎる!wwwsex

まあ、それが軍団クオリティーなんですw だからこそ我々は安心して観てられるワケですw そんな『西部警察』と観比べると、このテのツッコミどころがあまり無かった『太陽にほえろ!』の脚本が如何にちゃんと練られてたかがよく分かりますw

脚本を書いてる時は細かい矛盾点に意外と気づかないもんで、それを後から直して辻褄を合わせるのって、けっこう骨の折れる作業だったりする。『太陽~』はそこで妥協しない(させない)けど『西部~』はスルーしちゃうw そのぶんアクション描写に力を入れるワケで、要は優先順位の違い。私はどっちも大好きですw

今回も穴だらけの脚本だけどw、木暮課長の優しさがよく描かれた点では良かったと思います。そして前述のとおり、渡瀬ゆき(由喜子)さんの熱演が素晴らしい! ホント、もっと売れて然るべき女優さんでした。

ところで、渡瀬ゆきさんはグラビアの仕事を一切されてなかったようなので、代わりに西部署捜査課のマスコットガール=沢井礼子役で1年間レギュラー出演された、布目ゆう子さんの水着グラビアを載せておきます。

台詞らしい台詞を与えられず、私が知るかぎりアップを撮ってもらえたことも無く、決して旨味があるとは言えない役をよくぞ1年間、文句も言わず務め上げてくれました。素晴らしい!

コメント (2)
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