ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『大激闘/マッドポリス'80』最終回

2021-02-10 09:40:07 | 刑事ドラマ'80年代










 
☆第16話『人間狩り』(1980.7.22.OA/脚本=峯尾基三/監督=舛田利雄)

マッドポリスの新田(片桐竜次)と原田(中西良太)が何者かに拉致され、沖縄あたりの無人島に放り込まれたからえらいこっちゃ! 待てよおいちょ!

そのとき一緒にいた悠子(堀川まゆみ)も腹部を撃たれて入院、ハイパー激怒した氷室キャップ(渡瀬恒彦)、松村(梅宮辰夫)、芹沢(志賀 勝)は拉致の首謀者と見られる江尻(中田博久)を拉致し、その両腕にルガーP08の弾丸を1発ずつぶち込むという、実に効率的な取調べで新田と原田の居場所を吐かせます。

二人はなぜ拉致され、わざわざ無人島に連れ込まれたのか? 犯人グループ(浜田晃、丹野昌子、成瀬正、清水昭博、友金敏雄etc)の目的は、いわゆるマンハント。野獣狩りに飽きたハンターたちが人間狩りのゲームを楽しむため、殺し甲斐ある標的としてイキのいい戦闘のプロ=マッドポリスの若手2人を選んだのでした。

かくして無人島(ロケ地は久米島)を舞台に壮絶なバトル・ロワイアルが展開され、もちろん最後には氷室キャップらも乗り込んで、犯人グループを当たり前のように皆殺しします。

途中、浜田晃さんと丹野昌子さんの濡れ場が必然性なく、けっこうな時間を割いて描かれたりなんかして、バイオレンスとエロをきっちり取り揃えた実に素晴らしい最終回となってます。

ところが! 実は本来、これが最終回になる予定じゃなかったんですよね。もしそうなら氷室キャップを主役にした筈で、撮影してる時は全然そんなつもりじゃなかった。

その時、水面下で……っていうか上の方では、つまりテレビ局とスポンサーの偉い連中が、密かにテコ入れを敢行していた!

初夏の沖縄で大汗かきながら撮影してた現場スタッフやキャストはおろかプロデューサーすら、刷り上がって来た次回の台本を見るまで番組タイトルが『特命刑事』に変更されてる事実をまるで知らなかった! って、すごい話ですよね……ドラマ本編よりよっぽど奇想天外ですw

あまりにドラマ性が無くて暴力的で、おまけに刑事たちのガラがヤクザより悪いってことで、クレームは殺到するわ視聴率は伸び悩むわ、まぁ現在なら打ち切り必至であろう状況。だからテコ入れは避けられなかったにせよ、上層部が現場に知らせず勝手に進めちゃうってのがホント凄すぎるw

だから前回のラスト、ナレーションで「ジャパンマフィアに翳りが見え始めた」って、急に言い出したワケです。そして今回、マンハンターたちの正体も実はジャパンマフィアで、無人島にはその資金源となる麻薬精製工場があり、マッドポリスが皆殺しついでにそれも破壊したお陰で、ジャパンマフィアは「壊滅の道へと追い込まれたのである」で、ジ・エンド。

明らかに後付けですよねw そんな大事な場所にわざわざマッドポリスを連れ込むジャパンマフィアがいくらなんでもアホ過ぎるし!w それまでレギュラーで出てた黒幕2人(島田正吾&中谷 昇)がいっさい登場しないまま終わってるし!(プロデューサー氏は『たぶん死んだんでしょう』とおっしゃってますw)

そんなワケで次回から番組タイトルが『特命刑事』という凡庸かつ無難なものに変わり、マッドポリスにガラの悪くない新メンバーが2人加わることになります。

打ち切りにならず、ガラの悪いレギュラーがクビにならずに済んだだけ幸運(実際、志賀勝さんはかなりヤバかったそうですw)と思うほか無いんでしょうけど、ホントつくづく凄い話です。

ちなみにマッドポリスが自衛隊と大激闘を繰り広げる、本当の意味での最終回(レビュー済み)は後番組『特命刑事』の第10話、通算すると第26話にあたります。酷評にも負けずよくぞ半年間! 天晴れです!


 

コメント (2)
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