ハリソン君の素晴らしいブログZ

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『あさひが丘の大統領』#30

2021-02-03 00:45:08 | 探偵・青春・アクションドラマ










 
☆第30話『初恋よ、こんにちわ!』

(1980.7.23.OA/脚本=奥村俊雄/監督=斎藤光正)

あさひが丘学園の落ちこぼれ集団=ラグビー部内でも一番チビの松野(星野浩司)に、いきなりカノジョが出来たもんだから皆が驚いた! しかも飛びっきりの美少女2人から同時に想いを寄せられて! そんな少年ジャンプかヤングマガジンみたいな話があってたまるかよ!? おいちょ待てよ!

いやしかし、意外と無くはないですよね。現実に「モテ期」って言葉があるように、誰しも輝ける時期ってのがあって、異性はそれを放っとかない。ふだんモテない人がその時期だけモテちゃうのは決して不自然なことじゃない。まぁ相手が美少女ばかりとかイケメン揃いってのはしょせん夢物語だろうけど、惚れられた当人にはそう見えちゃうって事はあるかも知れない。

松野はたまたま、隣校の女子生徒=友子(早坂あきよ)が不良グループに襲われてる現場に遭遇し、同じ学校の生徒たちが見て見ぬフリをする中、勇敢にも1人で立ち向かって彼女を救ったのでした。そりゃあ多少チビでも、彼女の眼にはキムタクみたいに映った事でしょおいちょ待てよ!

で、メロメロになった友子からデートに誘われ、夢見心地で松野が待ち合わせ場所の公園に来てみたら、美少女がもう1人待ってたもんだからビビッと驚いた!

その娘は友子の大親友である文子(小西直子)で、いつも2人一緒だからデートも一緒によろしく、なんて言われて松野は有頂天。しかもあろうことか、文子の方が友子以上に松野LOVEになっちゃったからおいちょ待てよ!

そういうことも現実にあり得ますよね。文子は先に松野の武勇伝を友子から聞かされてるし、好きな友達が好きになった人なら私も好き!って、恋なんてのは意外とアホな動機で始まっちゃうもんでしょう。

そんなワケで、まさにジャンプかヤンマガかっていう三角関係が勃発! 「松野くん、どっちが好きなの?」「選んでよ、松野くん」なんて2人の美少女から迫られて、松野も困ったけど観てる私らもやってられませんw

これが連載マンガなら三角関係が(読者人気のある限り)延々と続くどころか、第3、第4の美少女が現れてどんどん現実離れして行くんだけど、さすがに青春ドラマはそうはなりません。

悩みに悩んだ末に松野は、どっちと付き合うか心の中で決めたんだけど、それを伝えに隣校を訪ねてみたら、文子が救急車に担ぎ込まれてる現場に出くわしたもんだからまた驚いた!

実は文子は元々病弱で、友子と同じ女子バレーボール部でマネージャーを務めてたんだけど、友子への対抗意識が芽生えたもんだから病欠部員の代役を買って出て、無理して練習に参加して倒れちゃったのでした。

「私のせいなの……ぜんぶ私が悪いんです!」

どう考えてもバレー部顧問の教師が悪いんだけどw、友子は文子をムキにさせてしまった自分を責めます。

「バカね……ちょっと目眩がしただけよ」

病室で意識を取り戻した文子は、付きっきりで看病してくれた友子をねぎらいます。

「友子、私の方こそゴメンね」

「なに言ってんのよ」

てなことを言い合い、手を握り合う2人の様子をドアの隙間から覗き見したどスケベ松野はw、またもや悩みに悩みます。

あんな美少女たちに惚れられちゃう事なんか、もう二度と無いかも知れない。けど、自分のせいで2人の友情が危うく崩れかけた……オレは一体どうすりゃいいんじゃいっ!? おいちょ松野!?

「松野昭治、まだまだ若いんだ!」

そう言って松野が下した決断は、女子テニス部の長尾(藤谷美和子)に恋人役を演じてもらい、友子と文子の前でひと芝居打つというものでした。例によっていつもの海岸でw

「オレさぁ、キミたちが思ってるような男じゃないんだよ。落ちこぼれの不良なんだよ。このコさ、オレのコレ。他にも付き合ってるコ、2~3人いるんだよ。そんじゃ、オレ忙しいから」

そんないきさつを聞いて、心配になって隣校を訪ねて来たハンソク先生(宮内 淳)に、友子と文子は笑顔で言いました。

「いいんです、分かってます。松野くんの芝居、下手だったんだもん」

「私たち、松野くんを苦しめてたんですね」

「ハハッ、そうか、下手だったか。駄目なヤツだなあ!」

そう言いながらもハンソク先生は嬉しそう。あさひが丘に戻って、彼はこう言って松野を励ましました。

「オレは観てないけどな、昔、『奇跡は一度しか起こらない!』って映画があったんだ」

「はあ?」

「ま、期待しないで待つんだな。ハハッ!」

「ハンソクぅ~!!」

「おっ! 怒る元気が出た出た!」

いやぁまったく、それでこそハンソク先生ですw

他愛ないと言えば他愛ない話だけど、本当の優しさとはどういうものかを笑わせながら教えてくれる、青春ドラマの鏡みたいな素晴らしいエピソードだと私は思います。松野が下した決断に私は泣きました。

好きな相手にあえて嫌われるなんて、私にはとても出来ません。そんなことが出来ちゃう松野は、心配しなくたって素敵なカノジョがすぐに出来るだろうと思います。羨ましい!おいちょ松野!

友子と文子を演じたのは、当時の人気アイドルデュオ「BIBI」の早坂あきよさんと小西直子さん。TVドラマ初出演って事で当時話題になりました。

早坂あきよさんは後にスーパー戦隊シリーズ第6弾『大戦隊ゴーグルファイブ』('82) のヒロイン役が決まったものの放送開始前に降板。上画像を含むヌードグラビアが原因と噂されてますが真偽は不明です。別にいいじゃないスかねえ?w
 

コメント (2)
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