goo blog サービス終了のお知らせ 

井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

「名も無き雑草」の代表とも言われるヒメムカシヨモギ

2011年10月02日 | 日記
植物に無関心な人でもヒメムカシヨモギの姿はどこかで見ている。良く見る草なのに名前は知らない人の方が多い。
「名も無き雑草」の代表といわれる所以である。



ヒメムカシヨモギの葉です。キク科ムカシヨモギ属。
直立した茎に多数の葉をつける。葉のつき方のことを「葉序(ようじょ)」というが、ヒメムカシヨモギの場合8分の3ラセン性というつき方をする。
葉を下から順にたどっていくと、葉のつく位置が135度ずつずれてラセンを描く。135度ずつずれていくと、8枚目で1080度となり、3回転(360度X3)して元の位置になる。
ラセン性葉序には他に3分の1、5分の2、13分の5などがある。何れも、全体のバランスをとりながら、効率よく太陽の光を受けるためである。



ヒメムカシヨモギの花です。
外側は白色の舌状花で雌花、内側は黄色の筒状花で両性花。
良く似たオオアレチノギクの場合、舌状花が目立たないので、その点で見分けられるという。
舌状花の様子が違うという点から、オオアレチノギクはムカシヨモギ属ではなく、イズハハコ属に分類される。



ヒメムカシヨモギの果実です。
果実は淡褐色の冠毛をもち、風に乗って遠くまで散布され、種子の多さと相まって強い繁殖力を示す。
ヒメムカシヨモギに限らないが、刈り込みなどで充分成長できない株が、草丈僅か数cmでも花をつける。植物たちの見せるしたたかさである。
ムカシヨモギ属はエゾノコンギク、エゾゴマナなどのシオン属とごく近いとされるが、印象は大分違う。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 御維新草(ゴイッシングサ)... | トップ | 野生ホップのカラハナソウ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

日記」カテゴリの最新記事