井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

三つ葉でも五つ葉でも、ヨツバヒヨドリ

2010年08月06日 | 日記
野鳥の「ヒヨドリ」が鳴くころ開花するので「ヒヨドリバナ」だというのだが、現在の北海道では、それが何時ころなのかはっきりしない。
ヒヨドリという鳥、渡り鳥でありながら、留鳥でもあるわけで、その鳴き声は1年中聞いているようで、「ヒヨドリの鳴くころ」といわれても、いま一つピンとこない。



ヨツバヒヨドリです。
そう説明すると、「三つ葉でもですか?」そう聞かれることがある。
図鑑には、普通「3~5枚が輪生する」と書いてありますが、中には、「4枚が輪生(稀に3枚)」と書いてある本もある。
本州では1000m以上の高原の花とされていて、「深山に生える多年草」と紹介している図鑑もあるが、北海道には広く分布していて、どこででも見られる、そんな印象があります。



ヨツバヒヨドリ、花のアップです。
キク科の頭花には、舌状花と筒状花の2タイプの花があります。
タンポポの仲間のように、舌状花だけのグループがり、アザミの仲間のように筒状花だけのグループもあります。
ヒヨドリバナの仲間は、アザミ・タイプで筒状花だけの花となります。
この写真から、5個ほどの筒状花が頭花を作っているのが見てとれます。
花冠の先は浅く5裂しており、花冠より長く飛び出した花柱の先は二つにわかれています。



ヒヨドリバナです。
こちらは2枚の葉が対生しています。ヨツバヒヨドリの花が赤みを帯びているのに対して、ヒヨドリバナは白花が多いとされています。
普通キク科ヒヨドリバナ属とされていますが、図鑑の中には「フジバカマ属」としているものもあります。
属名はどうでもいいのですが、要はこの仲間がフジバカマに近いということです。
秋の七草の一つとされる「フジバカマ」は、残念ながら北海道では見られません。分類上一番近いのがこのヒヨドリバナで、北海道で「秋の七草」を言う場合には、これで代用します。
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