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井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

北海道を代表するマツの一つトドマツ

2010年12月13日 | 日記
「トドマツは天までトドケで枝は上向き、エゾマツはこの程度でエエゾで枝は下向き」北海道のバスガイドが、トドマツとエゾマツの見分け方を説明する。
成る程と思える樹も確かにありますが、そうでない例も多くあり、枝ぶりだけでの見分けは難しいでしょう。



トドマツの樹皮です。マツ科モミ属。
白っぽくて比較的平滑な樹皮で、エゾマツの黒っぽくてゴツゴツした感じとは違っているので見分けはつきます。
ただし、エゾマツとアカエゾマツとの違いで、「赤っぽい」の見分けは簡単ではありません。



トドマツの果軸(中軸)です。
マツ科ですから球果(松かさ)をつけます。ただし、エゾマツがトウヒ属であるのに対してトドマツはモミ属ですから、両者は樹皮が違うだけでなく、球果もちょっと違います。
エゾマツ類が球果を枝から下向きにつけるのに対して、モミ属のトドマツは上向きにつけます。
下向きにつけるトウヒ属(エゾマツ)の球果は下からぶら下がっているのが見えますが、上向きに付くモミ属(トドマツ)の球果は下からは容易に見えません。
エゾマツの球果では、松かさ(果鱗)を開いてその状態で翼果を落としますが、トドマツの場合は、球果をばらして、果軸だけを残して翼果も果鱗も落とします。



トドマツの翼果と果鱗です。
エゾマツでは、果鱗を開いて翼果を落としたあと、球果(松かさ)がそのままの形で落下します。ですからバラけたかたちのエゾマツの果鱗が落ちているということはありません。
トドマツの場合は、翼果も果鱗も同時に落とすので、積雪の上などに落ちているのを良く見かけます。
北海道の針葉樹を代表する「エゾ・トド」ですが、トウヒ属とモミ属ということで、結構相違点があります。
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