井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

ヤチダモ、北海道の森の代表樹の一つ

2010年08月23日 | 日記
ヤチダモのヤチは「谷地」ですから、湿地に生育するタモということでしょう。
湿地を好むといっても、ヤナギやハンノキほど、水位の高いところを好むわけではありません。
高水位への耐性では、ヤナギ>ハンノキ>ヤチダモ>ハルニレ ということになるでしょう。
樹高は30mを超えるものもあり、北海道の森では、大事な樹の一つといえる。



ヤチダモの雄花です。
雌雄異株で、開葉の前に花を咲かせます。ただヤチダモの場合、開葉そのものがかなり遅いです。
開葉そのものが遅いということは、花や葉の芽が遅霜に弱いからなのでしょう。



ヤチダモの果実です。
細長い翼のついた果実で、翼の端に種子がついています。
成り年・不成り年というように、果実の成り方には波があります。同じモクセイ科トネリコ属のアオダモの場合は数年に一度といわれますが、ヤチダモはそれほどではなく、せいぜい隔年結実ということのようです。
材質は中々優れていて、特に野球のバットに多く使われます。アオダモは硬式用に使われ、ヤチダモはアオダモよりは若干質が落ちますが、軟式用に使われます。



ヤチダモの雌株です。
ヤチダモの果軸は何年か枝から落ちずに付いているといいます。
枝に果軸が残っていますから雌株であることは確かですが、今年の果実が付いていません。隔年結実ということでしょうか。
ヤチダモは、1年生枝という若い枝も結構太いのが特徴の一つで、冬木立のときに樹を見分けるポイントの一つになります。
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