井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

ノブキとフキ、兄弟ではありますが

2010年08月24日 | 日記
山の生えるのがフキで、野に生えるのがノブキでしょうか。
同じキク科で、極近い間柄で兄弟といってもいいでしょう。
キク科の頭状花には舌状花と筒状花の2タイプの小花がありますが、フキもノブキも筒状花のみの花です。
両性花が不稔で雄花の役割をする、雌花の花柱が棍棒状である、そういう共通点もあります。



ノブキの葉です。
フキの葉に似ていますが、葉柄にヒレがあり、裏面には綿毛が密生します。この特徴だけでノブキと同定できるといいます。
フキとノブキの相違点。フキが雌雄異株であるのにたいして、ノブキは雌雄同株です。



ノブキの花のアップです。
頭状花の周辺部に雌花がつきます。雌花の子房には、この時点からすでに粘着性の腺毛がついています。
そして中心部には、雄花(雄しべの退化した両性花)がつきます。
フキ春一番に花を咲かせるのに対して、ノブキの花は夏の盛りに咲かせます。



ノブキの果実です。
棍棒状の果実には粘着性の腺毛があって、これで動物の毛や人間の衣服などに付着して種子を運んでもらいます。いわゆる「ひっつき虫」です。
フキの果実には冠毛がついていて、風にのせて種子を飛ばす「風散布」ですが、ノブキの場合は、粘着性の腺毛で動物などに付着して種子を運んでもらう「付着動物散布」です。
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